死に損なった夜明け
風が吹く 夜が来る 嫌な夜が
すえた臭いが鼻につく ドロみたいな胃の奥
耐え難い吐き気をこらえて こらえるように眠る
心臓の音さえわずらわしい 耳を潰したく成る夜
風が吹く 夜が来る 嫌な夜が
悪夢みたいな 悪魔さえ厭うような
シーツに爪を立てた 悲鳴をこらえて 目をつぶる
真夜中に吠え立てる悲しみ 豪雨みたいな怒り
やり過ごさないと死んでしまう これは夜毎の闘争
風が吹く 夜が来る 嫌な夜が
喉の奥からこみ上げる吐き気を 噛み潰すように殺して
目をつぶって祈って 祈る神を持たないことにきづく
心臓が2つに裂けたみたいな真夜中
空が曇る 夜が溢れる 嫌な夜が
何もかもに見捨てられたような
何もかも初めから無かったような
信じたものが砂だったことに気がついた日のような
空が曇る 夜が溢れる 嫌な夜が
足元が崩れ落ちるような あっけない崩落
本当の絕望は、あっけないほどに心を抉るんだ
知ってたかい、知ってたから君は死んじまったんだろ
なぁイヴリィ、僕らの帰る場所って何処だ
地獄みたいな情景 暴力的な愛情 故郷って言葉は地獄ににてる
雨が降る 夜が滴る 辛い夜が
息ができない 死にたく成るような26時
消えてなくなりたいって思ったこと
生きていることが耐え難くなる薄闇
雨が降る 夜が濡れる 嫌な夜が
誰のせいにもしたくないのに
腹の底から湧き上がる悪意があって
醜い化け物が引きずり出されてきて
ほらこんなものさって言われるんだ
雨が降る 夜が滲む 愛せない夜が
呼吸をやり過ごして まだ生きてるんだ。
死に損なってつかむ、明日の気配
なんで僕が?ってきいたって、返事なんてないよ
雨が降る 夜が滲む 嫌な夜が
此処が地獄じゃないなら
天国もきっと大したことはないよって
ごまかすみたいに生き延びて やり過ごす午前四時
夜が去る 夜が消える 今日が来る
苦痛を噛み砕いて 這い上がった夜の
その向こうで君が笑う 白いワンピースの女の子
すみれ色の瞳の君が 世界を愛してた君が
もうとっくに死んだおまえがいうんだ
まるで今日生まれたばかりって顔で
「おはよう」って