basic

冷え切った雑踏 冬の雨 

耐えきれないぐらいの渇き

ダース単位じゃ足りないくらいのおんなじ顔

雑踏を飾り付ける没個性


そこに紛れて 背中丸めて 必死で歩いた

間違い探しにしたって 単純だろう 

誰より遅れて歩いている 


踏みしだかれた心が 疲弊して

自分が誰だかわからなくなって

名前を呼ばれても 僕だってわからないんだ


冷え切った雑踏 冬の雪

耐えられないぐらいの孤独

グロス単位でも足りないくらいのおんなじ顔

日常を均し続ける平均値


そこに紛れて 耳をふさいで 必死で歩いた

間違い探しにしたって 単純だろう

誰より遅れて走っている


踏みしだかれた心が摩耗して

自分が誰だか思い出せなくって

名前を呼ばれても 君だってわからないんだ


冷え切った雑踏 冬の風

耐えられないぐらいの劣等

グロス単位では足りないくらいのおんなじ顔

不一致を許さない同一性


そこに紛れきれなくなったから そっと立ち止まった

間違い探しにしたって 単純だろう

誰からも離れて立ち止まってる


踏みしだかれた心が破砕して

自分が誰だか思い出せなくって

名前を呼んでくれた 君だってわからないんだ


冷え切った雑踏 冬の星

耐えられなかった程度の生命

ダース単位では足り切らないくらいのおんなじ顔


そこに紛れられない劣等性

そこに紛れるのをやめて見た空が そっと輝いてたよ

間違い探しで無くたって 単純だろう

誰からも見えない景色があったよ


踏みしだかれた心を拾い集めて

自分が誰だか思い出せないけど

名前を呼ばれたんだ 傍には誰かがいた

君なのかな わからないけど

きみだったらいいな 嗚呼

耐えられなかった程度の生命

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