読書記録 3
せっかくなのでライトノベルを一本。
アニメ化もしたし、知っている人は多いのでは。
国境線から生き死にまで、全部がゲームで決まる世界、イカサマはバレなきゃOK。魔法が使えない人類種はイカサマされっぱで国取られまくり。首都しか残ってなくて風前の灯。そんな世界に異世界召喚されたひっきーゲーマー兄妹が成り上がる!
心理戦完全特化の黒髪お兄ちゃん、理論を突き詰めたアルピノ美少女な妹ちゃん!滅亡しかけの国家のお姫様をヒロインに成り上がれ!健全スケベにゲームにめちゃくちゃ強い主人公!目指せ世界征服ーー!
……箇条書きしちゃうとそうなんだけど、1巻の感想としては、明るく笑い飛ばそうとしながらも笑い飛ばしきれない悲哀があるので、純粋にスカッと俺TUEEEEEが読みたい人には物悲しいかもしれない。
才能がありすぎるから、或いはなさすぎたから周囲に受け入れられなかった主人公たちが、この異世界では諸手を上げて迎え入れられる。そのことに対する皮肉な気持ち、二度と帰れないかもしれないのに、何ら惜しいと感じられない虚しさ、10年以上生きてきて、兄妹二人しか居ない世界でしか笑い合うことも泣くこともできない辛さ。
その全てを精一杯に笑い飛ばして、妹に明るくて広い世界をこの世界でなら与えてやれるかもしれないと希望を探す兄と、兄を精一杯に信じて、少しでも力になろうと支える妹。そんな二人の精一杯の道行きを見守りたいなぁという気持ちになる本でした。コレが父性か……。