ゆめをみた
おだやかなよるのなか
はちみつみたいにゆるやかなひととき
まどべでひっそり
ほしをみた
ちいさくちらばる、とぼしいあかりを
そしたらふと、こわくなった
よるのしずかさが
たえられないぐらい こわくなった
なんだかとても、さみしくって
こわくなって、さびしくなった
そうだ、ふとんにもぐりこんでしまおう
ふわふわのゆめのなかにとけてしまおう
ただゆらゆらねむってしまおう
さめることのない あたたかなゆめに
でもそんなことはできなくって
おこさないでよって
ふとんにしがみついて、ちいさくねだるんだ
するとねぼすけなぼくを きみはしかたないなって
そうわらってゆるすから
ぼくはあまえて、わらって、わらって
ゆめをみるんだ
ふわふわのゆめを わたがしみたいなゆめを
なにもみないでねむるんだ、きみのうでのなかで
でもめをさますんだ
めをさましてしまったんだ
そしたらひとりぼっち
なんにもないからっぽのぼくがひとり
きみをさがしたんだ つめたいいしだたみを
はしって、はしったんだ
でもいなかった
きみはいなかったんだ
とたんにじぶんがつめたくなった
こおりみたいにひえてしまった
あおじろくてつめたい、おつきさまみたいに
びっくりするほどてあしがかるくて
こころといっしょに、なにもかもなくしてしまったみたいで
かなしくなるんだ
ひとりぼっちだから
さびしくなるんだ
だれもいないから
ないはずのこころがいたむんだ
どうしてだろう?ああ
あたたかなゆめはさってしまった
つめたいきりがゆるゆるくすぶる
けむたくって ねむたくって
ああさみしいなって
そうおもうんだけど
うめかたがわかんなくて
きみはいなくて
だからぼくはきょうも
からっぽのむねで ひとりぼっち