麻雀はコミュニティビジネスになっていくんじゃないかなーって話
「やっぱり同卓拒否だって(笑)」
「やっぱりかーwww」
とある雀荘で打ち子というか裏メンバーというかみたいな業務をしていた頃の話だ。
笑いの文字がある通りなんの重い話でもない。
ただただ気難しいというかちょいと好みが激しいというかワガママというかなお客がいて数多くの同卓拒否の人がいるってだけの話だ。
当時の店長からも気難しい方なので同卓拒否をされる可能性が高いですと予め言われていた。
裏メンとか打ち子って仕事は打たなきゃ話にならない業務でもある。
意味不明な同卓拒否で打数が減ったら困りますよ?と言ったらそのお客もそのことは分かってるから自ら卓を立つので特段目立った問題もなくただただ気に入らないお客やメンバーがいたら卓に入らず待ち席にいるってだけの話だ。
さらに言えば他のメンバーも数名同卓拒否くらってたから全然といっていいほど卓に入らない。
自分の中では「なんでやねんw」という感覚が大きかったが、少しかわいそうだなって感情も混じっていた。
なぜそのような感情があるのかというと、その人はその雀荘に通ってくれている仲良しグループの一員で、その仲良しグループの人たちとなら楽しそうに打つのに、それ以外の人が混じるうえで、少しでも気に入らないことがあると同卓拒否するってパターンだからだ。
ここでフリー雀荘という営業形態の弊害が出てくる。
基本的にフリーで知り合った人とはセットをしてはいけないのだ。
雀荘の立場に立ってみればそれはそうで、人を集める、メンバーを卓に入れる、という労力を支払って、セットと比べて高い場代を頂いているのだ。
フリーを打っていて、友人が4人遊びに来ているからじゃあセットをしよう、みたいなことをされると商売あがったりって感じになっちゃう。
だからこのようなルールというかマナーというか微妙なものが存在する。
厳しい雀荘だとそれをされると困りますって警告が来たりだの問題になったりするぐらいだ。
そして、その仲良しグループも全部が全部元からの知り合いってわけじゃあないみたいで、そのルールに抵触してしまう関係性でもあった。
隠れてやっちゃえばいいじゃん?って発想もあるが、そこは都会の一等地ってわけじゃあない。
他の雀荘でやったとしてもばれてしまう可能性もあるだろう。
つまり、あまり好ましくない手法を使えば何とかなるかもしれないが、基本的にそのお客は仲良しグループで麻雀を打つにはその雀荘でいい感じの卓が出来上がるまでひたすら待ち続けるしかないのである。
店としては待ち席が一つ埋まるし、急に卓に入るとか言い出したら卓組が面倒だしあまりよろしくない。
でも商売のためにはこの【ルールのようなもの】は仕方がないのだ。
出禁にするかひたすら待たせるかぐらいしかない。
当時の店ではその同卓拒否以外は基本的に悪さをする人ではなかったのでそのままの状態で稼働していて私が辞めた後はどうしているかも知らない。
ただ当時そんなことを思ったな~ということを思ったのだ。
そして今に至る。
確かに麻雀は友人同士で打ったほうが楽しい側面もある。
今の友人たちは強い連中ばかりになってしまったので、勝ってスコア(意味深)を積み重ねるという意味ではよろしくない。
結果的に誰でもいいという感覚が強いが、純粋に楽しさという面では友人たちと打ったほうが楽しいだろう。
みんな自分の好きな人たちだけで麻雀ができたらいいのにね。少なくとも麻雀業界内の一大派閥であるフリー雀荘ではなかなか難しい。
ネット麻雀の段位戦でもそれは存在しないし、競技麻雀のリーグ戦でもそれは存在しない。
それができるのは、自分達でメンツを集めるセット麻雀ぐらいだ。
競技の世界では私設リーグなるものがあり、そこでは自分でピックアップした人選でリーグ戦を開催できるが、実質セットみたいなところがある。
じゃあそのようにセットやればいいじゃんとは思うが、これって結構大変だ。
なかなか人は集まらないし、集めたとしてもそれを維持していくのが難しい。
さらに言えば麻雀だけの関係性でセットを立てるってのもなかなか大変だ。
麻雀にどっぷり漬かってる人間関係を構築してなければ私生活の関係性もある。
単純に負けすぎて離れて行ったり、上司などと麻雀打つと面倒なことも起きやすいだろう。
なかなかに面倒だ。
実際ルール的なものを無視すれば、雀荘のフリーのような場所で知り合った人をピックアップして、セットをするみたいな方法が一番簡単でしょう。
ただそれがなかなかできない。プロ活動をしていたりすればその関係で集めることはできるであろうが、そうじゃなかったらルール的なものが邪魔をする。
それを何とかする方法はないものだろうか。
いろいろ調べてみると面白いことがたくさんある。
現代っ子達はオンラインゲームをするうえでツイッターで仲間募集とかをしているらしい。
スプラ、募集で検索するといくらでも出てくる。
また、募集掲示板やディスコード、ラインのオープンチャットなどの募集コミュニティがいくらでも存在する。
そのようなものでちゃちゃっとメンツを集めることはできないものか。
自分でも大学生のころはセットをするためのライングループが存在していた。
知り合いや麻雀打てる人を片っ端から入れて、○○時から打てますか?という文章だけで募集が完了するようなグループだ。
理屈で言えば可能なのだ。
しかし、現在はフリー雀荘が麻雀業界の一大派閥である。
なかなかネットでサクッと人集めてリアルで会って麻雀、さらに言えばお気持ちを賭けて麻雀するなんて文化は発生しないだろう。
この文化が発火する発火点がそうそうないのだ。
ただ、麻雀コミュニティもいくつか成功している例が現在でも存在している。
リアルで会える地域毎にコミュニティがあってそれらが成熟していけばこのような文化が成り立って行くかもしれない。
また、今は麻雀業界の人が何者かになることがやりやすくなった時代でもある。
ある程度知名度がある人が地方ごとのコミュニティを作ってオンラインサロンみたいな形を作ってしまえば、業界の幸福度は少し上がるんじゃないかなーということと、ビジネスは基本的に淘汰され最適化していくという原則を踏まえるとこのように最適化されていくのかなーと思ったというお話でした。