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私が解決する課題/2024

いつまで経っても同じ課題を抱えているというのは恐ろしいものです。現状が変わっていない証拠だと考えます。1年後も3年後も5年後も10年後も、決して同じ課題に頭を悩ませていないように。X年後このnoteを読んで「そうそう、こんなことに悩んでたな!」と笑って新たな挑戦ができているように。2024年12月24日時点で、直面している課題、かつ私が必ず解決する課題を書き記しておきます。


日本茶の消費量向上

私の曽祖父、佐々木平吉が茶業を始めたころ(1921年/大正10年)は、茶は日本にとって主要な輸出品であり、静岡県で生産されたお茶は清水港、横浜港から世界へ販売されていきました。
しかし世界で最も飲まれている茶は今も昔も紅茶であり、緑茶の市場はそれほど大きくならず、戦争を経て海外への輸出は縮小していきました。
その後戦後の復興、高度経済成長の時代になり、日本で生産されるお茶は、ほとんどが国内一般家庭で消費されるようになりました。
「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」のように、テレビは一家に一台、3世代が1つの家に住み、朝・昼・晩と茶の間に皆が集まり一緒に食事する。その食事の傍には必ず急須、お茶があり、日本中で緑茶を飲んだ時代でした。
この時代、お茶の農家さんも、販売者も、大変潤ったと聞いています。

時代は流れ、人々のライフスタイルは大きく変化しました。
少子高齢化が進み、一家あたりの人数が減りました。核家族化が進み、両親世代とは別居する子育て家庭が増えました。テレビも一家に一台ではなく一部屋に一台、さらにはテレビを見なくなった人も増えました。飲み物も昔よりも圧倒的に多様な商品を、簡単に、手軽な価格で選ぶことができるようになりました。お茶も、わざわざ急須で淹れなくても、簡単に飲めるペットボトルやティーバック、インスタントなど様々な便利さを重視した商品が販売されています。

その結果、何が起きたか?
日本茶の、国内消費量が減少し続けています。

ただし、ペットボトル入り緑茶の消費量はそれほど減っていません。
急須で淹れるように作られたリーフのお茶が、ピーク時と比べて44%の消費量にまで減ったのです。消費が半分以上、消えたのです。

一方、海外はどうか?
ありがたいことに、日本茶の輸出は額、量ともに成長を続けています。
特に抹茶を含む粉末のお茶が輸出の6割を占めています。
アメリカ、台湾、タイなどに行くと、抹茶ラテや抹茶系ドリンクを飲めるティースタンドやカフェを数多く目にしますし、スーパーに行けば無糖の茶飲料が以前よりも格段に増えてきました。

人類は紀元前2000年以上前から、茶を生活に取り入れ、現在世界中で茶が飲まれています。そしてそれらは紅茶や緑茶といった日本でも聞くことのある有名なお茶もあれば、私たちが聞き馴染みのない、現地で独自の発展を遂げた茶まで様々ですが、4000年以上人類は茶文化を絶やさず飲み続けてきています。茶そのものは人類にとっては目新しいものではないがゆえに、緑茶、日本茶が世界中に広まるチャンス、受け入れられる機会は大いにあると考えます。

日本茶の持つ魅力、歴史、ストーリー、効果、メリット、独自性、おいしさ。それらをより多くの人に、深く知ってもらうことで、日本茶の消費量を必ず向上させます。

茶業関係者の収入向上

先述の通り、国内での茶消費量は減少し続けています。
茶というものは、茶の樹から生えた芽を収穫して製造します。つまり「今年は需要が少なそうだから、芽を減らそう」と生産量を調整することはできないわけです。畑の面積が同じであれば、毎年(数%の差異はありつつも)ほぼ同量の芽が収穫されます。需要は減っているのにも関わらず、供給量は変わらない。となると起きることは、相場価格の下落です。

茶業関係者には様々な人がいます。農家さん、肥料屋さん、農業機械屋さん、製茶工場用機械屋さん、製造者さん、販売者さん、運送屋さん、茶専用包装資材屋さん、などなど。静岡県だけで見ても、ただ茶農家の頭数を数えた以上の、その何倍もの人がお茶に関わって産業を成り立たせています。

これらの人たちの収入を上げる上では、まずは茶を販売する人が、高付加価値のお茶を、適正価格で販売する必要があると考えます。

現在茶の相場価格の下落、世界的な物価高、日本人の可処分所得の減少など様々な要因で「安いお茶」に需要が集中する傾向にあります。ですが、「それだけ」していても茶産業を継続してくのは困難だと考えます。

私は茶を販売する者として、まずは農家さんに茶業を行うメリットを還元できるような形で、適正価格での販売に注力し、茶業関係者の収入を向上させます。

茶園への投資額の向上

茶は農作物ですから、畑に行くと様々な虫や動物に出会うことができます。
茶の生育に有害な虫が発生することもありますし、雑草が多く生えることで生育が阻害されてしまうこともあります。そのため一般的な茶園では、防虫、除草のために何らかの手を打たなければいけません。また、稲作やキャベツやいちごなどの農作物と同じで、肥料を撒くことで栄養分を作物に供給し、美味しい商品を作っていきます。

防虫、除草、施肥。当然全てにお金がかかります。肉体的負担もかなり大きいです。

農家さんが潤えば、これらに今よりも投資が可能です。
そうなれば、
・消費者の方が一口飲んだ瞬間「美味しい!!」と感動するお茶が作れる
・農家さんももっと身体的負担少なく楽に茶栽培ができる
・販売者も自慢のお茶をもっと多くの人に薦められる
という好循環が起こせると考えます。

私は誰を向いて仕事をすべきかと言えば、やはりお客様(私の場合は「お茶を飲んでくれる人」)だと考えます。
その意味でも、日本茶の消費量を増やすこと、茶業関係者の収入を増やすことというこれまで書いた2つのポイントよりも、「畑に投資を増やすことで、消費者の方が感動するお茶を作る」が最も大切だと考えています。

茶業を参画したい事業に

上記3点が実現できたとするならば、今より茶業はもっと魅力的に思えるはずです。
「茶業に参画」とは何も茶農家になる人を増やすと言っているわけではなく、普段仕事をしながらも、週末だけ茶の栽培をやってみたいとか、茶関係の仕事に就きたいとか、あんなに美味しいお茶を売ってみたいとか、そうやって「お茶」というものとゆるく繋がる人口が増えていくことが、私の目標です。

世界中から、様々なバックグラウンドを持った人が茶業と繋がった時に、おそらくこれまでにないイノベーションが数多く生まれるでしょう。楽しみでなりません。


3年後、このnoteを読んだ時に、次のステージに到達できている実感があり、新たな課題が見つかって「いなければならない」と思っています。

私を突き動かすのは、「私はお茶が好きだから」という1つの究極の理由です。これからもお茶の進化と発展に力を尽くしていきます。

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