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MIKUEC2023 テレキャスタービーボーイ制作

どうもこんにちは。sAsAKiといいます。
今回はMIKUEC2023でテレキャスタービーボーイの映像を制作した時の色々を語ります。


はじめに

電気通信大学メディア情報学専攻学部三年、VLL映像班所属のsAsAKiです。
MIKUECの映像制作も今年で三年目になり、一応部員としては引退となるため最後にふさわしい作品を作ったつもりです。

今回のMIKUEC2023での映像制作やテレキャスタービーボーイに秘めた思いについて触れていければと思います。

ちなみにテレキャスタービーボーイの映像はYouTubeに投稿しているので、「最終公演だけだったから見れなかった~」とか「また見たい!」って人はぜひ見てください。

「MIKUECって何!?」「そもそも何やってるの!?」って人は過去に書いたnoteを見てください。↓↓↓↓↓

また昨年のMIKUEC2022でのフォニイ制作の話も別noteで話しているのでそちらもぜひ。↓↓↓↓↓

ま、とりあえず本題に入りますか。

最初は時系列順にMIKUEC本格始動前から。


MIKUEC始動前

部内ライブ

フォニイ制作のnoteでも言及しましたが、今年も部員向けに部内ライブを行いました(今回は7月)。

今回はとにかくいろんな映像を出し、昨年の部内ライブで出した「神っぽいな」「ヒアソビ」のほかにも、
「マーシャルマキシマイザー」「ワールドイズマイン」「ドクヘビ」「馬ぴょい伝説」など、合計で16曲もの映像を提出しました。

本番のライブと違って、部内ライブはセトリなどを気にせず自分の好きな曲を入れられるのが(自分のとっての)醍醐味で、今回はやりたいことやったって感じです。今回はネタに走った映像も多くあるのでね。

SUSURUに浸食されてるマーシャルマキシマイザー
ウマ娘27人がひしめき合ううまぴょい伝説

こういう創作欲を消化できるイベントを部内で行ってくれるのは非常にありがたいことです。


着ぐるみ活動

今年一月、念願だったレンきゅんの着ぐるみが届きました。私を知ってる人のほとんどは着ぐるみの存在も認知していると思います。

レンきゅんを迎えて以降、いろんなイベントや撮影会に連れて行き、今年だけでたくさんの人と交流してきました。

元からレン好きというのもありましたが、こうやってレンきゅんのマスターをやってるともっともっと好きになってしまって…レン廃が加速しました。

今回テレキャスタービーボーイを選んだのも、着ぐるみによるレン廃の加速があったこそのものですね。



制作裏話

実は…

このテレキャスタービーボーイの映像、モーションの修正から書き出し、エフェクトの編集など全部含めて

「1週間」

で制作しました。

具体的に言うと、11/20時点では真っ新だったプロジェクトファイルが11/27には最終的な映像としてほぼ完成していました。

VLLでのMIKUEC制作にはいろんな要素が関わってきますが、早いところでは7月ごろには映像制作に着手されます。

まあ要するにいうと、めっちゃ急ピッチで作りました。

理由は単純明快です。


やる気がありませんでした。

フォニイ制作の時は本番1,2か月前にはすでに完成してるってのに、正直今回は焦りました。

10月ごろの授業課題が忙しく単純に時間がなかったというのもありますが、まあもっと早く作ろうね…反省。


"一人で創る"こと

フォニイ制作のnoteでも言及したことですが、演出構図とか実際の映像の制作は基本自分一人でやっています。

いやまあ、モデルもモーションも借りてて何が「一人」だよふざけんなと言われたらその通りなんですけど。

結果としていろんな人が喜んでくれるならそれでよくね?っていうスタンスなので許してほしい。

短期間で映像仕上げられたり、上と下の映像間で連携した演出をできたり、他セトリの映像に比べて特殊な演出に仕上がってたり、それができるのは一貫して一人で制作に携わってるからこそできる技だと思っています。


もちろん他曲の映像なり制作方法なりを見下すわけではありません。

その曲の制作(映像だけでなくモデルや照明も含め)にはいろんな人が関わって、いろんな制作人の"思い"があるわけです。

中にはVLLというサークルに入ってきたばかりで右も左もわからないような初心者も交えながら制作を行い、こういったライブに仕上がっているわけです。

あくまでこれは私が伝えられる"思い"の形であって、みんな違った形があるからこそMIKUECが成り立っているし、これだけたくさんの人に喜んでもらえるのかなって思ってます。

なんだか本題からずれた気もするので演出の話をしますか。



演出の話

観客を驚かせること

これも去年のnoteで言いましたが、どんな人が見ても「すごい」と思えるような映像を作ることが私のモットーで、他セトリの映像にはない演出を盛り込みたいと考えていました。

単純にセトリ曲の選曲がいいとか、モデルがかっこいい/かわいいといったような喜びではなく、「映像制作」という自分の武器を使って観客を驚かせることが自分の目標でした。

MIKUEC2021の千本桜では断頭台から「飛び降りる」演出をしたり、2022のフォニイでは横にモデルを映すといった奇抜な演出を考えてきました。

千本桜上映像に鎮座するミク
フォニイ横映像に映る可不

じゃあまあ今年はどんな演出ができるか考えたんですけど、正直結構悩んだんですよね。

私が入部してから3年近く経って、他部員が作る映像のクオリティも確実に高くなっていますし、その中で”自分らしい”映像を作るっていうのは去年一昨年に比べてハードルが高いのは当然です。

自信過剰かもしれないですけど、自分がMIKUECや部内ライブで変わった演出の映像を上げたからこそ、他の部員たちもそういった演出を盛り込むようになったのかなって感じています。


で、俺(映像)が生まれたってわけ↓


原作再現

跳躍レンきゅん
IQ3の審査員

ってことで今回は「原作再現」に力を入れました。

なんというか、オマージュどころかほぼ本家みたいな感じに仕上げました。

2番AメロBメロあたりの着替え+審査員の流れはライブ映像というよりPVに近い感じがあったと思います。

お着替え前
お着替え後

ライブでこういうタイプの映像出すのはタブーというか、前例がないような気がするんですよね。

しかも曲の中盤で、下でモデルが踊ってる構図から一変してPVっぽく変化するという、挑戦的な映像構成だとは思いました。


これは去年一昨年から思っていることなんですけど、「原曲に新しい解釈を生みたくない」「原曲の雰囲気そのまま」ということにこだわっているんですよね。

テレキャスタービーボーイに限らず、すりぃさんの楽曲ってあくまで鏡音レンをボーカルとして使っているだけで、実際に原曲に登場する人物は別の人物です。

そういった意味では"完全に"原作再現することは不可能ですが、単に下で踊ってるだけだと味気ないですし、なにより「新しいこと」に挑戦したかったのがでかいです。


独創性

原作を再現・オマージュするとは言っても、MIKUECのライブ映像として成立させるために、ある程度は「ライブ映像っぽさ」を持たせる必要があります。

まあ、下映像でモデルが踊ってそこに歌詞が出るという演出自体は一昨年の段階でできていますし、ライブ映像として成立させること自体は簡単です。

ですが、本当にそれだけでいいんでしょうか?

いやまあダメってわけではないですが、それじゃまあ私の「観客を驚かせる」というモットーには物足りないわけです。

そこで、原作を模倣するだけではなく、ライブならではの演出を盛り込みました。

四面映像を活かした演出

上下の映像だけでなく左右の映像にも動きのある字幕を追加することで、空間全体として曲の雰囲気を楽しめるようにしました。

下映像に歌詞を表示させる映像ならほかにもありますが、こうやって四面映像すべてに歌詞が表示されている映像はこの曲だけです。


あとは独創性というか、「テレキャスタービーボーイ」という曲のシナリオに合った演出をしたいと考え、こういった演出も入れてみました。

こんな世界じゃもう
息ができなくて
さよなら告げた現実に
許してはくれないか
弱い僕たちを
また何処かで会いましょう

エモ

一部の人は気づいたと思うんですけど、ここでレン君に手を差し伸べてるの、リンちゃんなんですよね。

”息ができな”いレン君に対して、写し鏡のような存在のリンちゃんに手を差し伸べられるという構図。エモです。(自画自賛)


ライブ映像的に歌ってないボカロを映像に出すのあまり良くないというか、まあそりゃ出さないよねって感じなんですけど、本家が男女いてこの曲がレン君だけなのおかしいなって思ったんですよ。

なのでこういった形でリンちゃんをサプライズ登場させる形で映像に組み込みました。

ラスサビでこれまでのレン君が走ったりしてる中、最後にリンちゃんも登場してました。かわいいね。(語彙力)

優雅に手を振るリンちゃん



ライブ中〜終わってから

声出しライブ

今年のライブで(演出以外で)変わったことといえば、会場のキャパシティが増えただけでなく、声出しできるようになったことがでかいです。

オタクたちの雄叫び・発狂・推しへの愛をこうやって生で肌で実感できるのがめっちゃ楽しい訳ですよ。

ペンラだけでなく合いの手で観客みんなが一つになる、そんなライブの光景が帰ってきたと考えると非常に感慨深いです。

キャラクターが登場するたびに「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」とか「⚪︎⚪︎ちゃん〜〜〜!!!!!!!!」とか叫び声が聞こえると、制作陣としても嬉しいです。

制作陣も観客と同じ一オタクであって、モデルなりモーションなり映像なり、その人の愛が詰まっている訳です。

それが観ている観客にも伝わって、ボカロが好きな人に愛が伝播していっている、その様子がオタクの雄叫びから伝わってくる。それが非常に嬉しいです。


フィードバック

私的にはライブそのものも楽しいですが、ライブが終わった後にTwitterで反応を見たりアーカイブで何度も見返したり、そうやって何回も喜びを噛み締めるのも大好きです。

こうやってnoteを書いて製作時〜終わってからの感想を文章に起こすのも一種のそれです。


去年一昨日はオタクに刺すと言うより、単純に新しい演出をして観客を驚かせたいという狙いが強かったです。

千本桜(2021)は言わずもがな有名曲なので演出で驚かせてやろうという気合がありましたし、フォニイ(2022)は可不が出るという驚きと音楽同位体の無機質な雰囲気に合う映像・演出を考えると言う狙いがありました。

今年も映像や演出面で観客を驚かせるという目的は変わっていませんが、自分がレン廃に染まってったと言うのもあり、「レン廃を悶絶させたい」と言う欲が出てきました。

MIKUECの感想ツイートなりアンケート結果を見るなりしてる限り、数多くの人を発狂させることができてて感無量です。

何より、king妃jack躍の宮守文学さんに「かなり信頼できるオタク」認定されたのは一番嬉しいですね^^



最後に

何より、MIKUEC2023のライブを見てくださりありがとうございました。

私が来年MIKUECに関わっているかどうかはわかりませんが、今後もMIKUECをよろしくお願いします。

パルラルラ。

おわり





追記: 引退に関して

VLLの成長

私がVLLにいたこの3年の間にVLLはものすごく成長しました。

入った頃からすでにファンメイドライブ界の中でもすごい規模のライブをやるようなサークルでしたし、部員個々の力も相当なものでした。

私もその中の一員として一年の頃から全力で取り組んでいました。2021年の部内ライブ(6,7月)の時点で今と同じような方法で下映像を制作していましたし、MIKUEC2021の時点で上と下の映像を繋げた演出をVLLで初めて生み出した(と言ってもいいと思う)ので、映像演出面では先進的だったと思います。

2年生の頃もMIKUEC2022のフォニイで横映像に可不を移動させたり、上下の移動をもっと顕著にしたり、他セトリ曲に比べて特殊な演出ができていました。

まあ今年も「原作再現」なり「レン廃刺す」といった特殊演出を考えたつもりですし、実際形になったと思っています。

ですが、私の成長以上に、VLL全体がものすごい速度で成長しています。

MIKUEC VIRTUAL2といい、千秋楽で公開されたKAFUECといい、MIKUEC外でのVLLの活動が活発になっただけでなく、MIKUECでの演出(映像だけでなく照明やモーション)だったり予約システムやWebページの管理といった方面まで、今年一年だけで急成長しています。


他セトリ曲について

成長を感じた一番の要因は、MIKUEC2023のクオリティや演出の向上です。

照明機材が増えて空間演出が強くなったり、がくぽとウナのサプライズ登場だったり、テトv2とテトSVのデュエットだったり、映像内での演出が凝っていたり、単純にセトリの選曲が神がかってたり、まあ色々進化している訳です。

MIKUEC2023のアンケート結果の「印象に残った曲」を見る感じ、「右に曲ガール」「グリーンライツセレナーデ」「ヒバナ」あたりが人気でした。

こういうふうに定量的なデータがあると、自分以外にも演出面や技術面でのクオリティが上がっているんだなと思う訳です。

まあテレキャスタービーボーイもそこそこ人気でしたし、レン廃に対するブッ刺さり度合いで言えばトップだと思います。そういった意味では私の作品がMIKUEC2023において価値を置けたと思います。

ですが、去年とかに比べると自分の作品に対する反響が薄いような気もして。というか、他の一曲一曲のクオリティがすごく極まっていて、みんなの方が主役な気がしてならないのです。


気持ちの変化

今年は去年に比べてVLLの活動全体として関わっていく機会が少なくなって行ったのもありますが、自分が「制作陣」から「観客」になっている気がします。

自分たちが作った作品で観客を驚かせる側ではなく、他の人たちが作った作品に「すごい!」と言う立場になっていってます。

去年のMIKUEC2022が終わった後、Twitterなりアンケートなりで反響を見た時「次は何作ってやろっかな〜」とか「こんな演出してみたいな〜」とか色々考えてました。

ですが今年は、正直いっちゃなんですが、何も感じなかったんですよね。

いやまあライブはめっちゃ楽しかったし、来てくれた人の反応を見て嬉しいし、今これを書いてる時もライブの影響で腕筋肉痛と喉ぶっ壊れを抱えている訳ですが。

私は学部三年生で来年から研究室で自分の研究に没頭しなければなりませんし、そもそも今年で引退しようかなと前々から考えていました。

卒業研究に着手しながらMIKUEC制作にも尽力できる保証がないですし。

あとはなんというか、「やりきった」という思いが強いんですよね。

私のやれるだけの演出は出し切ったつもりですし、これだけクオリティの高い映像・演出を生み出せる優秀な後輩がいるなら任せられるな、と感じました。


来年は

正直どうなるかわかりません。

院進するつもりなので後3年は学生で居る予定ですが、卒研がどれだけ忙しいか検討つかないですし、それ以降も研究以外で就活なり色々ありますしね。

もしかしたら部内ライブで好き勝手映像作って部員向けに映像発信をすることはあるかもしれません。

ですが、

MIKUECに関わるのは今年が最後かなと思ってます。

とりあえずは今回のテレキャスタービーボーイが私の集大成ということで。

自分でもやりきれなかった感はあるのですが、VLLにいたこの3年間でいろんなものを感じ楽しんできました。

VLLでの経験は一生の宝物です。


MIKUECに来てくださり、

本当にありがとうございました。

sAsAKi


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