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アウェイ京都戦:雲外蒼天

7年前にNHK杯遠征で京都に行って、そこでJ1残留(と、ゆづるの怪我の快癒)をあちこちの神社で祈念してそこから今に至るまでずっとJ1(そしてゆづるは平昌で連覇)。
なのでお礼参りに行きたいとずっと思っていたのです。今季の日程を見てみたら、いつも真夏が充てがわれていた京都がなんと6月。6月なら道民にも耐えられるのではないか(※甘い考えだったと後に明らかになる)。しかもアイスショーの日程も被っているから一粒で2度美味しい遠征になる。行くしか!って遠征はJALじゃなくANAですみません、バーゲンで往復2万以下だったんです…

そして現実はアイスショーは金曜開催がなくなり、試合にも負け一粒で2度美味しいということはなかった。甘い考えである。観光は楽しかった。

そもそも応援目的の遠征がとても久しぶりだったので。それこそルヴァン決勝以来。コロナで来れなかったというのもあるけど、アウェイまで行って絶対応援しなきゃ、という自分のモチベーションが上がる場面が暫くなかったともいう。それはたぶん退屈な平和だったんだと思う。

兵庫県立美術館

金曜日に飛んでまずは神戸へ向かいこちらの展示会へ。本当に充実した濃厚すぎる展示会なので近場の人は絶対行ってほしい…。厚さ2センチはあろうかという図録のボリューム通り…試合前に買うものじゃないと図録は断念したけど一人で見てたら確実に2時間超えてたわ…

敵は本能寺にあり

京都に移動して本能寺へ。
この日の京都は日本で一番暑い日だったらしく、風の吹かない駅のホームで味わう36℃はなかなかのものだった。でも湿度はなかったから夕方になると楽にはなった。

本能寺では閉館後に貸し切りツアー僧侶案内というやつを見つけて参加。本堂でお焼香したり火縄銃持ってみたり、薬研藤四郎の復元刀をじっくり愛でたりと色々独占出来てとてもよい機会だった。ここでは本能寺のお守りをいただいたのだけど、後で思った、サンガスタジアム亀岡は明智光秀公のお膝元だったことを。

白峯神宮
晴明神社
護王神社

土曜日は試合前に京都の羽生友達と出会い7年前のお礼参りツアー。これまで御守いただきありがとうございます。この先もひとつよろしくと契約更新してきたつもりだけど、さすがに地元チームとの対戦前では保留にされた気がする。今日からよろしくお願いします。

廬山寺の源氏庭(撮影可能エリア)

紫式部邸であった廬山寺ではそよそよと流れる風のなか穏やかなひととき。

そこから友と別れ亀岡へ。
保津峡を通る電車アガるー

奥にあるのがスタジアム、手前の建物がホテル

スタジアム隣のホテルを取ってみました。駅からもスタジアムからも近くてとても楽でした。大浴場もなかなかのサイズでしたし。でも次回は普通に京都市内に泊まるわとも思った。アウェイサポが落ち着いて呑める環境ではない。あたりまえだ。

サンガスタジアムは噂通り素敵なスタジアムでした。駅からとても近いですし、大きさもほどよく、屋根があるから雨降っても大丈夫そうだし(※大丈夫じゃありませんでした)。ピッチも近い。ユアスタ出来てまもなくの頃を思い出しました。サッカー専用いいなあと思うけど今の札幌では何をやろうにも無駄だやめろと言われそうだなとは思っちゃう。と、書いて思ったけどそれだけ五輪絡みドーム絡みの所以でネガティブな意見に晒され続けているんだなあって今気づいた。やだやだ怖いわ。

試合の方はあまり語れることがない。というのも別に気持ちの問題じゃなく、ゴール前の攻防は旗でほとんど見えなかったので笑。1失点目も見えてないし、こちらの攻撃で惜しかったのも見えてない。でも別にいいやと思った。今日は(さんざん観光しておいて何という話ですが)ここには遊びに来たわけじゃない。とにかく諦めないことを体現するのみ って心づもりだったから。

とはいってもゴール裏指定席はつらいね。座ってみたい人も立って応援したい人も無差別に混同されてしまう。いくら事前にこの辺り中心に応援、とSNSで発信していてもみんながみんなそれを見るわけじゃないし。ゴール裏の指定席、客側のメリットが私にはよくわからなかった。

ゴール前は見えないけどそれ以外はやはりとても近いので、普段の試合とは違う迫力を感じられました。遠くから見れば見るほどつまらなかったのかもしれないけど、近くから見る分には戦っていると感じる場面は何度もあった。そのへんはミシャのコメントと感覚が近い。

試合の途中から雨が降り出して、でもその雨は風向きのせいでメイン側にのみ吹き込んで、メインにいた人達の多くはスタンドの奥のほうに移動していた。ゴール裏の中央奥のほうにいた私は、雨が降っていることをスタジアムの照明で気付いたくらい。
強い雨の中で選手達はずぶ濡れになっているけど、自分は雨粒のひとつも肌に感じない。守られた安全な場所から叫んでいることの少しばかりの違和感。

近藤くんが感情を露わに苛立っていたり、それを荒野くんが諌めていたり、宏武くんがゴール裏を煽ったり。チームの状態がよくないんだろうなと感じる場面もあった。つまらない試合だったかもしれないけど、そこに来ていた人達にしか見えなかったものもやっぱりあって。

試合が終わって選手達が挨拶に来た。そこまで近くに来なくてもって近くまで来た。全員の顔が見えたわけではないけれど、見える範囲では死んだ顔だとは思わなかった。むしろ強い目をしてるって思った。でも応援団がかける言葉はない。自分がそこで感じたことを正確に表現できる言葉もまた未だに見つけられていない。居た堪れない、というのが一番近いかなあ…

ウルトラの荷物置き場のすぐそばに座っていたので、旗片付けの手伝いをした。私が観光してるときも旗やら幕やら色々用意して仕掛けてそして90分全力で応援してることを思う。
サッカーの応援にはいろいろな形があって、それぞれの楽しみ方を否定するものではない。観光も結構だ、というか自分がそういうスタイルだ、けど試合にのみ熱を傾ける人達のこともすごく尊敬している。そういう人達の情熱に助けられているところはたくさんある。

応援仲間の昔馴染に久しぶりにゴール裏で再会した。
試合後再びバッタリ会ったら「まだまだ終わらんすよ!」って笑ってた。
だよね。
明らかに厳しいということは理解している。でもそれに抗って何が悪い。
好きで応援してるんだ。
「させていただいてる」でも、「してやってる」でもない。応援してる。

アウェイ久しぶりだったので色々味わう感情が全部新鮮だった。
こういう苦い感情が後の歓喜の最高のスパイスになると知っているので(その歓喜がいつ訪れるのかはわからないのがポイント)。
ただこれを繰り返すとさすがに疲れるだろうし消耗もするだろう。誰かの情熱におんぶに抱っこはしたくないので私も出来ることを頑張るよ。

ホテルに戻って大浴場でのんびりして出たら、いかにも札幌サポという会話をしていた人々がいたので便乗して励ましあった。ひとりでモヤモヤしないで済むのが現地のいいところですよなどと笑った。風呂場でサポ同士励まし合う光景をさすがにチームの人も選手も想像すまい。

明智光秀公

日曜は帰るだけだったのでせっかくだからと亀岡駅前を散策。来たときと違って湿度が高くなってきて歩いてるだけで汗が出る!生態系が違うので見たことないトンボが飛んでるとか竹とかにテンション上げていた。

結局のところ、着いたら36℃だわ試合は負けるわ大雨だわでとてもアウェイの洗礼ゲームだった。
着いたら新千歳は雨でなんだかとてもしょんぼりな気分。
しかし雨は札幌に近づくと止んでそして美しい夕焼けが広がってた。

雲外蒼天。
なんの理由もないけどそういうことにしよう。
旅先で謎にたくさん善行積んだし参拝もした。信心深く慎み深く善い行いを積んでまず怪我人が減ることを祈ろう。

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