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Tokyo2020オリンピック セルフポートレート②

Season1 リハーサル 〜Awayからのスタート〜

Episode1: 

7月22日、リハーサル初日。

まず、私にとってハンドボールは初めての競技。
アナウンスチームのメンバーは、

進行を統括するVP(べニュープロデューサー) 
Ian Millard氏(通称モーリー)From England.
元々イギリストップリーグのバスケットボール選手。
2008年北京オリンピックよりハンドボールを担当。

モーリーのアシスタントを担当、
AVP Yohei氏 (通称ヨーへー)関西出身の元サーファーで旅人。
学生時代にサッカーで大阪府のベスト11に選ばれる経験あり。バイリンガルの好青年。

英語担当アナウンサー
Marcus Floth(通称マーカス) from Austria.
オリンピックや世界選手権では必ずアナウンスするハンドボールを中心とした
スポーツMC。紳士。

Dave Rogers (通称デイブ)from England.
イギリスの若手スポーツアナウンサー.
今回、定番のレジェンドアナンサーが東京に来るはずでしたが、
入院してしまった為、急遽選ばれた後継者。
若いながらハンドボール、ラグビーなどヨーロッパスポーツの経験豊富なNice Guy.

日本語担当アナウンサー
女性アナウンサー (ご自身も元ハンドボール選手で経験豊富な方)

そして私、笹嶋和人(通称Kazハンドボール未経験。)

その他、会場をサポートする日本人メンバーは私と音楽担当DJ一人以外、
関西からのイベントメンバー。
現場での公用語は英語、日本語は関西弁。
東京にいながらaway状態での初日がスタート。

最初にヨーロッパメンバーに紹介された時のエピソード。
ヨーへー「He is Kazuto Sasajima」

モーリー「What’s? 長いね。難しい。」

「Just call me Tom Cruise if you don’t mind.(トムクルーズと呼んでも良いよ。)」
と、この下らないジョークで場は和みお互いの最初の緊張感は溶け、
その後、Englishチームとは映画Mission Impossible ならぬ、
”Mission always Possible”(常に上手くいく!)が我々の合言葉となりました。

いざリハーサルへ。

与えられたミッションは「自由」。
本場ヨーロッパスタイルを主流とし、ゲーム内のシュートやキーパーのセーブなど、試合の流れにコメントを入れて実況して行く形になります。

まず英語アナウンサーに優先権があり、
モーリーからは「無観客試合だけど、世界中のオリンピックの放送を見てる人へ、“会場では何かが起こっている“という事を表現したい。
Kaz、EnglishアナウンサーがO.Aのスイッチを押してない時が、いつでも君のキューだ。」
と言う指示だけ。つまりテレビで言えば副音声で主音声との同時放送。

台本も筋書きもない正に競技と一緒。

幸いな事に、この2月にハンドボールの世界選手権がエジプトで行われ、英語のみの実況がYouTubeで発信していた事と、国内でバスケットボールや3x3バスケットボールのゲームアナウンスの経験が少しでもあった事がせめてもの救いとなりました。

さて、「自由」とはいえ適当にはできない。 
「自由」だからこそ拘りたいし、良いのもを創りたい。
どの言葉でどう日本語を組み込んで行けば良いのか⁈

そして、リハーサル初日はコートの状態がまだ整わない為終了。
顔合わせして、機材の使い方を確認して、雑談しただの30分。
課題は大きく残された状態である。

モーリー「今日もうおしまい。ホテルに帰る。皆もダラダラしてないで早く帰れ。」

日本人メンバー「え••••••」

……これで良いのか?

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