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勝利のブラフ
最近、noteを書くときにとても気を付けていることがある。
実は、自分のなかで「冒頭で決して言ってはならない禁断のワード」があるのである。
この言葉のもつ魔力に気付いてしまったのは、あまり昔のことではなかったと思う。ひとたびこの言葉を口にすれば、見る見るうちに僕の記事に対する読者の関心は失われていくという、恐ろしい呪文である。毎日noteを書いているうちに、いつの間にか使うのを避けるようになっていた。
僕の記事を以前から読んでくれている方はもう気付いているかもしれないが、少しだけお付き合いいただきたい。
ポーカーというカードゲームは、非常に奥深い。あれは、ただカードを入れ替えて強い役を作るゲームと捉えてしまえばただのクソゲーなのだが、ポーカーの醍醐味は、ゲーム内で発生する「駆け引き」の中にある。
できるポーカーのプレイヤーは、「フォルド」の使い方が上手い。
ポーカーの賭けのフェーズでは、自身の掛金を増やす「レイズ」、相手の掛金に応える「チェック」、そして勝負を降りる「フォルド」の3つの戦略が選択できる。
親戚が正月に集まって、お年玉を賭けて執り行う素人ポーカーなどでは、自分の手札の強さに関わらずレイズにコール一点張りみたいな感じで、一瞬で自滅していく哀れな愚者を目にしてきた。「この流れはダメだ」と思ったら、即座に身を引く姿勢が、長い目で見ればリスクを減らす得策であったりする。
さてこうして「相手はどんな状況でレイズし、どんな状況でフォルドするのか」を分析し、時にはさほど強くない手でも強気に攻めていくことで、戦況が変わっていくこともあるのだ。
つまり、「自分が手持ちに何も持っていなくても、あたかも奥の手を用意しているんだぞ」と匂わせることが、状況を打破するきっかけになったりするということである。
・・・では、本題に戻ろう。
僕がnote記事を書くときに、冒頭で決して書かないようにしようと最近心がけている言葉は、
「今日は書くことが無い」である。
いやぁ、今日は本当に書くことがなかった・・・。