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【ネタバレ】ドクターストレンジMOM感想

ドクスト見てきた!面白かった〜!
以下ネタバレ感想です!

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス

もうちょっとで公開終わりそうじゃん!?って気付いて慌てて見に行ってきました、ドクター・ストレンジ。吹き替えです。
なんでもっと早く観に行かなかったんだっけ…?って観賞前にちらっと考えてたんですけど、見ててアッと思い出しました。

これサム・ライミだ!!!!!!!
レビューでホラーテイストだって見たからだ!!!!!!!!!!!!!

画面作りとか画風で「これ○○監督やんけ!」って思い出せるの、監督の力量と個性が凄いですよね。
監督くらいチェックしてから行けって感じですが…。
いや、知ってたけど忘れてたんですよ…。
多分ホラーが超苦手なので、記憶から消してたんでしょうね。
「殴れる幽霊/ゾンビは平気」ってことは前から分かってたんですけど、今回で「ホラーにありがちな突然のドッキリ描写」も平気って事が分かりました。
殴れない日本の幽霊が怖いです。

「ワンダヴィジョン」を粗筋だけ履修して

それはそれとして、ドクター・ストレンジです。
見る前に有識者から
「ワンダヴィジョンをちょっと概要知ってから行った方が分かりやすいと思う」
と教えて貰ったので、ざっくり粗筋をかいつまんで把握。
この時点でだいぶ既にワンダ可哀想…の気持ちでしたね…。
最初出てきた目玉のお化けに「クトゥルフ神話じゃん!!!!」ってなりました。
そう、この目玉のブチ抜きシーンで、「あ、これサム・ライミだった…」って思い出しました。グロいんよ。

いきなりのスパイダーマンで乱れる情緒

それで、アメリカと合流してから最初の会話で
「スパイダーマンが〜」
って話が出てきて、だいぶ混乱したし情緒が乱れました。
えっ
あっ
うっ
ってなった。
ピーター・パーカーのことは覚えてないけど、スパイダーマンのことは覚えてるの…。
マルチバースのことは覚えてるけど、ピーター・パーカーのことは覚えてないの…。
そう…………………………………………………。
そうかぁ………………………………………………………………………………。

このあたりあまり覚えてないけど、
とりあえずスパイダーマンは尻から糸は出さない。

ワンダの切なさと、それぞれの幸せ

脚本としては色んなことがあっちゃこっちゃで進行しつつも上手くまとめてて、ベタだけどそこがよかった。
ワンダの、マルチバース先の子ども達に、拒否というか、怯えさせてしまって、そこで二の句が継げなくなって。
ウォンも事前に指摘してたし、ワンダもその可能性に気付いてただろうけど、あそこまで行かないと、気付きたくなかった、認められなかった、縋るしかなかったんだろうなぁ…と思う。

この辺でボロボロ泣いてたんですけど、今回の映画で一番泣いたのがその次のシーンなんですよね。
ストレンジがウォンに幸せか?って聞く。
ウォンはそれに、「別の人生を考えたこともあるし、後悔してることもあるけど、今の人生に感謝している」というようなことを言うんですよ。
吹き替えだったので記憶が曖昧なんですけど。
なんかそこでぶわっと泣いちゃって。

「幸せ?」という問い、作中で最初に出てきたのはクリスティーンからストレンジへの問いかけでした。
「幸せ?」と聞くクリスティーンに、ストレンジは「幸せだ」と答えます。
ストレンジも「幸せか?」と聞くと、クリスティーンは「幸せよ」と答えて。
そしてクリスティーンは、ストレンジに「幸せに」と言ってその場を立ち去ります。
不自然なほどに繰り返された「幸せ」というキーワード。

そしてその後、崩壊しつつあるマルチバース世界のストレンジのセリフによって、あの時嘘をついてたって事が分かります。クリスティーンに幸せだって言ったのは嘘だったって。
あくまでも、「この崩壊しつつあるマルチバース世界の3つ目のストレンジはそうだった」ということなんですけども。
見てる時は、少なくとも、我々がメインで見てる世界のストレンジは、かなり変人で、プライドが高くて、やることなすこと裏目に出て、だいぶアレな人だってのはよく分かるんですけど、それでも「全てのマルチバースでクリスティーンと一緒にいる世界がなかったから」って理由で世界を滅ぼすタイプじゃないんだよなぁ…と思うなどしました。
どうなんだろう、世間の印象では意外とそんな直情的だったりするんでしょうか。いや、直情的ではあるな…。でも世界滅ぼすほどクリスティーンを愛してたか…?って気持ちもある。少なくともMCUの世界観ではあんまり…?分からん、1作目の「ドクター・ストレンジ」、見直すか…。
でも、クリスティーンとの最後のやりとりを見るに、その可能性はあったんでしょうね。今この感想を書いてたらそう思えてきました。
話が逸れた。
戻して戻して。

そういうやりとりを経て、あの時クリスティーンに幸せだって言ったストレンジの言葉はクリスティーンへの優しさであり、自分へ言いきかせるような言葉だったのだな、つまり、ストレンジは幸せではないのだと視聴者に伝えます。
そしてそれは、私が一番涙した言葉の直前でも補強されるんです。
「世界を救えば幸せになると思った」的な事を言うんですよ。
幸せじゃないんですよね、ストレンジ。
それに対してウォンは言うんですよ、「今の人生に感謝してる」って。
そして、ストレンジは初めて、ウォンに対してマスターに対する礼を取る。
「幸せ」って簡単に言える/得られるものじゃないけど、少なくとも、ストレンジは共に戦ってきた盟友であるウォンに対して感謝してるんだな…って伝わってきて良かったです。
私はウォンが昔から何故か好きなんですけど、多分天才に振り回されるワトソン君ポジション的な人(振り回される当人も有能)が好きだからでしょうね。

このシーンの直後、ストレンジはアメリカから呼び止められて、「あなたのいる世界に落ちてよかった」って言われるんですけど、それに返すストレンジの笑顔がね、いい笑顔でしたね…。

ドクター・ストレンジの葛藤

私はアイアンマンが推しなので、どのマルチバースでもアイアンマンの片鱗を探してしまうのですが、今回飛んだどのマルチバースにもアイアンマンはいなくてですね。
その気持ちはワンダに通じる物があるんですよ。
「愛しい人の額に風穴を開けてまで」
冒頭で、元同僚の医師が教会でも言ってました。
「あれ以外の方法はなかったのか?」
分かってます、あれ以外の方法がなかった事。
でもね、やっぱりね、「それでも」って思っちゃうんですよ。

私は、アイアンマンが、トニー・スタークが、年を取って、老衰して、キャプテンアメリカとケンカしたりソリが合わなかったり合わせたり、ピーター・パーカーの面倒を見たり見られたり、ローズに迷惑かけつつ仲良く飲んだり、ハッピーとじゃれあったり、博士と新しい発明にワクワクしたり、時に老害って罵られてもいいから、そういう、厄介なトニーを、ずっと見たかったんですよね…。
それは永遠に失われてしまった。
マルチバースでの、欠片でもいいから、別人でもいいから、彼の面影を探す気持ちに重ねて、ワンダの気持ちが分かります。

今回のドクターのテーマの一つに、「エンドゲームでやったことへのケジメ」があると思います。

多分、エンドゲーム前のドクターなら、アメリカの力を奪い、彼女の命を犠牲に世界を守っていたんでしょう。
ワンダから見てヴィジョンを失って世界を守ったように。
アイアンマンを失って世界を守ったように。
彼は、覚えていないけど「ピーター・パーカー」も犠牲にしている。
そしてそれは、たとえ世界を救えたって、ドクター自身が辛くないわけがないんですよね…。
それでも、やったことはもう巻き戻せないから、彼が一生背負っていく過去です。
その彼が、今度は誰も犠牲にせず、アメリカの覚醒を促すことで世界を救えた、そのことに、少しでも幸せを感じてくれるといいと思います。

ワンダの幸せはどこへ

最後、ワンダは、あれは、どうなったんでしょう。
順当に考えれば亡くなってますが…。
彼女は、アヴェンジャーズの一員でありながら、ヴィランとして生涯を終えたんでしょうか。
最後に「正しい行い」を為して?
それでは、あまりにも、報われない。
ワンダの幸せは、どこにあるんだろう。
それは、マルチバースの彼女に托したんでしょうか。
そう決意してのことだったら、あまりにも切なくて、泣いてしまう…。
ドラマシリーズで彼女の行ったことは許されざることなのでしょうが、なにかしら、救済があってもいいのじゃないか、と願ってしまいます。

それはそれとして、全編通して面白かったです。
特にワンダの悪魔的な強さ。全部は見せないけど局所を描くことでグロさを強調するサム・ライミの絵作りと合ってましたね…。
イルミナティとのバトルシーンがすごい良かったです。
イルミナティと言えば、プロフェッサー!!!!!!!!!!
ビックリしました、XMENの世界とも繋がるんですね…。
あと、ファンタスティックフォーがマーベルだったって今回初めて繋がりました。
昔映画で見た時はアメコミ原作とか全然知らなかったな〜。
驚いたと言えば、最後に出てきた亞空間を切り裂く謎の美女。
「この人知ってるが…!?」ってなったらまさかのシャーリーズ・セロンですよ!!!!!

今回の作品をひとつのケジメとして、MCUのドクター・ストレンジは新たな世界へ進んでいくんだろうなぁと思いました。
また、ワクワクするような映像と、魔術と、冒険を届けてくれるのでしょう。
夏にはソーの新作も控えているので、こちらも楽しみです!

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