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カウンセラーは相性
カウンセラーは【相性が全て】である。
鬱の時は、通常の時にできる「普通」ができない。
普通に、相手の顔を見て。
普通に、話の順序を追って。
普通に、言いたいことを伝える。
これらができないのである。
事情を話しただけで、「こうすれば良かったんじゃない」なんて
聞いてもいないアドバイスをしてくる人は迷惑でしかない。
普通なら断れるけど、それができないのだ。
鬱の人には致命的に辛いのだ。
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読み取ってくれる相手が必要。
ひびの入ったガラスを、押し潰さず優しく包み込んでくれるような接し方をしてくれる人とだけ関係を築けるのだ。
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それが大前提なのだが、カウンセラーも人間だ。
だから優しく接してくれているつもりでも、
こちらが心を開こうと思えなければ。カウンセリングは進まない。
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私のケースをお話しよう。
初回の面談で、ひとしきり自分の状況を話した。
(私は怒っているんだ。
幼い頃から父親のことが嫌いで、ずっと怒り続けている。
存在を否定する発言を投げかけられてきた。
許せない。嫌い。大嫌いなんだ。)
それに対して、カウンセラーはこう言ったのだ。
(それは、お父さんも仕方がないんじゃない。)
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この瞬間を今でも覚えている。
全身の毛が逆立って、一瞬にして血が登った。
立ち上がって、部屋のドアまで走った。
眼球まで血がはみ出してきそうな勢いで、私は絶叫した。
(お前は私の味方じゃないのか?!
私は助けて欲しくて、病院に通っているんだ。
それなのに、ここでも私を否定してくるのか。
もう耐えられなくて、しんどくてここにいるのに。
無理だーーーーーやめてーーーーーーーーーー)
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「自分」を否定された気がしたのだ。
冷静に、通常で、普通の状態なら
叫ぶことは無かったかもしれない。
でもね、鬱なの。
もう、ギリギリで生きているの。
エラーだって感知できない。
自分を否定されているのではなく、
自分の考えに対して意を唱えられれただけだった。
でもこの時は、耐えられなかった。
耐えられる状態の強さなんてもう、何処にも残っていなかった。
これ以上傷つけられたら壊れてしまう。
それが分かっているから、「やめて」と叫んだのだ。
このように相性が悪いと、パニックにもなる。
さらにどん底につき落とされたような気分にもなる。
カウンセラーのことを、この人は分かってくれる。
自分を否定しない。傷つけない。
そう思えた時に、心を開く。
そこからがスタートだ。
カウンセラーは相性が全てである。