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思えば遠くへ来たもんだ

ここ宮城県石巻市でも桜が見ごろになってきた。そんな矢先、なんとそんな時期にも関わらず雪が降った。ここ石巻は降った気配はあった程度だったけど、実家の方はそこそこ雪が降ったらしい。桜と雪、なんとも不思議な組み合わせ。さぞかし桜もびっくりしたことだろう。フライングで開花してしまったと。

そんな不釣り合いな景色を横目に、今また、日本に来てから6回目の荷物整理をしている。

突然だが、今年の6月ドイツに戻ることになった。

話しは去年11月に遡る。突然、ドイツのおじさんから、おじさんが経営しているお店を佐々木家で引き継がないかと、お誘いのメールを頂いた。そして、すぐにその返事が欲しいと。

僕ら家族の一生を左右する大事な決断を、数日で下さなければいけなかった。

おじさんは、カッセルという街でアウトドアショップを経営している。散歩やハイキング、時に登山、自然を堪能することが好きな僕らにとっては、この上ないお誘いだった。

このお誘いを引き受け入れれば、協力隊任期途中でのドイツ帰国となる。

迷いはあった。協力隊として、まだ何も地域に貢献していない気持ちもあったし。でも正直なところ、ドイツに戻りお店を継ぐ方が、より僕達らしさ、希望の暮らし、生き方、家族での未来図を描きやすかった。

だから、お店を継ぐことを決意した。

せっかく仕事にも慣れ、半年以上何十件の物件を内覧し、やっとのことで見つけた家も手放すことになるけど。賃貸だから別に良いんだけど。

思えば、遠くへ来たもんだ。

日本での生活に向け、大きな期待とやる気をドイツから持ってきて、車を買い、家具を一から買え揃えた。

「出会い」という移住者にとって不可欠な心の支えが、仕事でもプライベートでも、そして子供の保育園でも、新型コロナに奪われたけど、それでも今できることをささやかに楽しみながら暮らしていた。

思えばドイツから遠くへ来たもんだと感じた頃から1年半。少しはこの街を知って、受け入れられていることは感じている。だから、ドイツへ戻ることを考えると寂しい気持ちになる。

ここ石巻での仕事と生活も残り2ヶ月。

もうすぐ今年のお米の種まきも始じまり忙しい日々が続く。あっという間に過ぎ去る1日を注意深く意識し、新しい発見を探しながら、大切にしていきたい。

ここで今日のドイツ語!

桜:Die Kirschblüte(ディ キルシュブリューテ)
出会い:Die Begegnung(ディ ベゲーグヌング)

それじゃ〜、また来週!Bis nächste Woche!!

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