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不思議なご縁

私は現在、家事代行と訪問介護の仕事をしています。

以前は知的障害者施設で12年間働いており、その仕事は私にとても合っていたと思う。
でも
もう一度介護の仕事を学び直したいという思いが強まり、数年前に退職。介護福祉士の資格を取得し、訪問介護の仕事を再開しました。


その施設で働いていた頃、ボランティアとして来ていたスリランカ人の彼女とよく話をしました。彼女はいつも素敵な笑顔で、母国のこと、日本での生活のことを語ってくれました。


「日本に来て料理は好きになったけど、母国では料理をしたことがないの」

「トイレ掃除もしたことがなかったのよ」


彼女は、忙しい両親のもと、お手伝いさんに育てられたそうです。だからこそ、自分の子どもは自分で育てたいと考えているとも話していました。国も文化も違うからこそ、彼女との会話はとても新鮮で、私も子育ての話をした記憶があります。まだ息子たちが保育園児だった頃のことです。


しかし、退職する際、彼女に伝えるタイミングを逃し、そのままお別れとなってしまいました。心のどこかで、きちんと挨拶したかったという思いはありましたが…。


時は流れ、再会へ


小さかった息子たちも、それぞれ大きくなりました。彼女のことを時々思い出しながらも、会う機会はありませんでした。


そんな中、昨年の秋ごろ、彼女が私の家事代行サービスのことを施設の職員さんから聞いたそうです。連絡をしたかったものの、なかなかタイミングが合わず、そのまま時が過ぎていました。


そして今月、彼女の義理のお母さんのキッチンが故障し、突然連絡がありました。私は修理はできませんが、電話越しの彼女の切羽詰まった様子に「とにかく行かなきゃ!」と、翌日の午後に訪問することに。


やはり修理は私には無理でしたが、「くらしのマーケット」など頼れそうな場所を伝え、帰宅しました。


すると、何もできなかった私に、彼女はたくさんのパンを持たせてくれました。「私は何もしていないのに…」と申し訳ない気持ちになりました。


その後、キッチンの件がどうなったか気になり、電話をすると「今度は自宅に来てほしい」とのこと。仕事の依頼ではなさそうでしたが、掃除のやり方を伝えようと思い訪問しました。


2時間ほど水回りを掃除し、アドバイスをして帰ろうとすると、彼女が「一緒にランチしよう!」と声をかけてくれました。


心温まるひととき


「スパイスカレーを作ったの!冷めないうちに食べよう」


スリランカから取り寄せたスパイスで作ったというカレーは、とてもおいしく、たくさんの野菜までいただきました。


「今夜はゆっくりしてね」と、彼女はタッパーにスパイスカレーやデザート、フルーツなどを詰めて持たせてくれました。


「また来てほしい」と言ってくれた彼女。


退職以来、思いがけず再びつながったご縁に、心から感謝です。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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