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Y様:ホロスコープを初心に帰り解読を試みました

お会いする前から、Y様のジャンマクンダリー(出生図)は一筋縄ではいかないと感じていました。正直なところ、すぐに取り組む気持ちにはなれず、しばらく自分の考えが熟成するのを待っていました。そして、ようやくお伝えできる準備が整いました。

ラーフとケートゥが主体と客体の軸を形成し、木星と金星は減衰しています。しかし、高揚する月と非常に強い働きをする火星、太陽がそれを補っています。

幼少期から様々なことに興味を持ち、世界や物事の方程式を探し求めてこられたのではないでしょうか。思春期になると、鋭い思考が人や自身の心に向かい、生きづらさを感じたかもしれません。

お話しを伺い、病気の時期と減衰する木星の影響が関係していることに気づきました。まず、この減衰する木星について少し解説します。木星はガス状の巨大な星で、私たちの地球を彗星や小惑星から守るシールドの役割も果たしています。ジョーティシャでは、知識・知恵・繁栄・成長を象徴し、高潔さ・哲学・宗教・信仰・教育に関することを支配します。人生に恩恵や拡大をもたらす吉星です。

木星が山羊座に在住すると減衰し、山羊座特有の強固で固まる性質や、ほとばしるエネルギーによって、木星の力が十分に発揮できなかったり、木星本来の自然な状態が損なわれたりします。しかしY様の場合、「知恵や繁栄がない」と解釈するのではなく、むしろそれらが過度に表れ、他者に威圧感を与えたり、距離を感じさせたりします。その結果、ご自身でも居心地の悪さを感じることがあるかもしれません。
一方で、Y様のクンダリーには高揚する月(心や身体,世間との関わり方)と強い太陽(意識)があり、ダルマ(法)を正しい方向に導いています(間違ったことをする時はそれを理解しつつ行なうでしょう)。このクンダリーは一筋縄ではいかないものです。

話は変わりますが、お会いした際にヴェーダの補助学である「シークシャー」を学ぶことをお勧めしました。これはヴェーダの音声学で、マントラ詠唱の学びです。きっと熱心に取り組まれることでしょう。ただ、今になってみると、もう一つの補助学「ジョーティシャ」を強くお勧めします。Y様のクンダリーには、非常に強いジョーティシャの要素が見られ、悟りの道に対する答えを探す上で、この学問が最適だからです。

分析を進めると、次々に気になる点が見つかるクンダリーです。哲学的に非常に重要な意味を持つ2室に、減衰する木星がいる影響を解説したいと思います。次回お会いする際には、より深いセッションができるよう、私自身も精進してまいります。

追伸:土星のトランジットについてお伝えします。2025年4月から土星が4室魚座に移動し、健康問題や家庭に関する課題が浮上する可能性があります。これが具体的になるのは、同年10月下旬以降と考えられます。さらに、サーディ・サーティーが始まります。2027年6月から影響が見られ、翌年2月下旬から本格的にその影響が顕著になるでしょう(この牡羊座では土星が減衰します)。月に重なるのは、2029年8月からです。

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