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驚異の聖仙シュカ登場!“全裸で浅黒く、それでいて神々しい”とは一体‥?

第一巻第十九話 聖仙シュカの訪問

ー スータ(吟誦者)ウグラシュラヴァスは続けた ー
パリークシット王は、自分の行いを悔いながらつぶやいた。「ああ、純粋で精神力の高いブラーフマナに対し、あのような横暴な態度をとるとは!まるで卑しい者のように、聖者の姿を取る神に無礼を働いたのだ。この罪の報いとして、避けられない災難が私を襲うだろう。それが私への戒めとなり、二度と同じ過ちを繰り返さないために、ブラーフマナの怒りが今日、この王国、軍隊、財宝、すべてを焼き尽くしてしまえばよいのだ!」

王は後悔するうちに、聖仙の息子の呪いで蛇王タクシャカが自分に死をもたらすことを知り、それをむしろ祝福と受け入れた。現世への執着から解放される機会と考えたのだ。こうして王はこの世とあの世への執着を完全に捨て去り、クリシュナの御足を崇拝することこそ至高と悟り、断食を決意してガンガーの岸辺に座り込んだ。隠棲者として生きる誓いを立て、心を主ムクンダ(解放を授ける者•ヴィシュヌ,クリシュナ)の御足に結びつけた。すると、偉大な精神力を持つ聖仙たちが弟子たちを伴い集まってきた。
アトリ、ヴァシシュタ、チャヴァナ、シャラドヴァーン、アトリシュタネーミ、ブリグ、アンギラス、パラーシャラ、ヴィシュワーミトラ、パラシュラーマ、ウタスヤ、インドラプラマダ、イドマヴァーハ、メーダーティティ、デーヴァラ、アーリシュティセーナ、バーラドワージャ、ガウタマ、ピッパラーダ、マイトレーヤ、アウルヴァ、カヴァシャ、アガスティヤ、ヴェーダヴィヤーサ、神仙ナーラダ、他の神仙、梵仙、王仙たち、アルナ仙もやって来た。偉大なリシたちが続々と集まるのを見て、王は名誉に感じ、深々と頭を下げて歓迎した。彼らに合掌して礼を捧げ、これからの決意を話した。

王は言った。「このような慈悲を受けるとは、私は全ての帝王の中で最も祝福された者です。王族の行いは罪深く、ブラーフマナの足を洗った水にさえ触れることが許されません。この世に執着していた私のために、ブラーフマナの呪いが与えられました。それが、世の楽しみに対し嫌悪を生じさせるためなのです。ああ、タクシャカがその呪いの通り、私を噛むよう祈ります。それまで、どうかヴィシュヌの物語を聞かせてください」

長男ジャヤメージャヤを王位につけた後、王はガンガーの南岸でクシャ草の上に北を向いて座し、死の断食を誓った。天界の神々はこれを称賛し、太鼓を打ち鳴らし空から花を降らせた。集まった偉大なリシたちは「素晴らしい決意だ!」と喜び、こう言った。「王の中の王よ、主に近づくために帝国の王座を捨て去るとは、まさにパーンドゥの子孫、クリシュナに帰依する者にふさわしい行いだ。我々はここにとどまり、あなたがマーヤー(現世の幻惑や幻想)の悲しみさえ超えた、主の最高の居所へ昇っていくのを見届けよう!」
聖仙たちの言葉を聞き、パリークシット王は主ヴィシュヌの物語を熱望して言った。「最高天(サティヤローカ)で顕れるヴェーダのように、あなた方はここに集まりました。他者への奉仕だけを目的とするブラーフマナたちよ、どうか私の義務について教えてください。死を目前にしたとき、どのように行動すべきでしょうか?」
王が尋ねると、その場に聖なるシュカが現れた。彼は現世への執着をすべて捨て、アートマンの悟りに満たされ、現世との関わりを一切放棄した苦行者の姿をしていた。
彼は十六歳ほどで、手足や肩、頬は繊細で、大きな眼、高い鼻、優美な眉、そして法螺貝のような滑らかな首筋を持っていた。胸は盛り上がり、深い渦を巻く臍があり、その姿は魅力的だった。全裸で髪が顔にかかり、長い腕を持ち、最高の神々のように輝いていた。肌は浅黒く、若々しさにあふれ、優雅な手足と快活な笑みで女性たちを魅了するが、彼は狂人を装い、その内に宿る精神の輝きを隠していた。聖仙たちはその特徴を見て彼がシュカであると認め、立ち上がって歓迎した。

やって来た見知らぬ聖者に、ヴィシュヌラータ(パリークシット)は深く頭を下げた。その聖仙は全員から礼を受け、最高の席に座った。神聖なるシュカは、梵仙や王仙、神仙たちに囲まれ、まるで星々の中で月のように光り輝いていた。王は無尽の智慧を持つシュカに近づき、その足元に頭を下げ、喜びを抑えつつ質問した。

「ああ、聖仙よ、悪しきクシャトリヤの私が聖者であるあなたをお迎えする資格があると認められ、こうして浄化される機会をいただきました。偉大なるヨギー(悟りを追求する人)よ、あなたの訪れで最悪の罪さえ瞬時に消えてしまいます。きっとパーンダヴァの友であるクリシュナが、私に慈悲を示してくださったのでしょう。主はパーンダヴァを喜ばせるため、彼らの子孫である私にも友愛を示してくださったに違いありません。さもなければ、死を目前にした普通の人間の私が、森に住むあなたのお姿を目にすることなどできたでしょうか?」

「ああ、至高のヨギーの導師よ、どうかお答えください。最高の悟りとは何であり、そこに至る方法はどのようなものか、また死を目前にした人間は何を成すべきか教えていただきたいのです。人々が成すべきこと、聞くべきこと、語るべきこと、心に抱くべきこと、拠り所とすべきこと、避けるべきこともお示しください。ああ、神のような聖仙よ、あなたがこの私の元を訪れるのは、ほんのわずかな時間だけなのです!」

ー スータは続けた ー
王が質問すると、ダルマに精通した神仙シュカは、次のように答えた。

ー バーガヴァタ・プラーナ 第一巻の終了 ー

※※※
第一巻、ついに完読!
聖シュカが登場した瞬間、その衝撃的なインパクトに圧倒されながらも、美しさの描写にはすっかり心を奪われてしまった。クリシュナに次いで、推しがさらに増えていく予感…?
しかし、そんな余韻も束の間。次巻からは宇宙の創生など、想像を超えた壮大な話が待っているらしい。どれほど広がるのか計り知れないこの物語の旅、期待を胸に、また一歩踏み出してみよう。


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