誰もが知りたいその答え:パリークシットの無差別質問砲撃
第二巻第八話 パリークシットは聖シュカに様々な質問をする
王は訊ねた。『ああ、気高き聖仙よ、ナーラダがブラフマー神の命を受けて主の美徳を物語で語ったとき、それは誰に、どのように話されたのですか?ヴェーダの最高の知者であるあなたからぜひ聞きたいのです。ハリの物語は、この世で最高の祝福をもたらすからです。
また、私がこの肉体を離れるとき、心の執着を捨てて、どのようにして自分の心を宇宙の大霊である主クリシュナに結びつければよいのでしょうか?
主の物語を心からの尊敬をもって聞き、語る者に、主は遠からずしてその心に宿ります。そして、信者の耳を通じて心の蓮に至った主は、その心からすべての罪を取り去ります。こうして心を清められ、苦しみから解放された者は、二度と主の御足を離れようとはしないでしょう。
ああ、神の如き聖仙よ、霊魂は要素(空•風•火•水•土)と無関係であるにもかかわらず、要素でできた肉体に宿ります。これは自然の法則によるものなのでしょうか、それとも特定の原因があるのでしょうか?
十四の世界を宿す蓮を臍から生じさせた主は、普通の人間に似た身体を持ちながらも、その大きさは唯一無二です。そのため、人々には主が人間のように見えるのです。ブラフマー神は主の慈悲によって全ての生き物を創造できました。また、主の臍の蓮から生まれた彼は、慈悲により主の姿を拝することができたのです。
マーヤー(トリグナで物質世界を形成し魂を幻惑するもの)の主であり、すべての心に宿り、この宇宙を創造・維持・破壊する最高者は、マーヤーの煙幕を広げた後、どこに休むのでしょうか?多様な世界とその守護神たちは、主の身体の中にあり、同時に主そのものでもあると聞きます。
マハーカルパ(大周期:ブラフマー神の寿命•約311兆40億年)とヴィカルパ(小周期:ブラフマー神の1日•約43億2000万年)は、どれほどの期間続くのでしょうか?また、過去・現在・未来という時の経過とは、何を意味するのでしょう?さらに、肉体を自分と同一視する人間の一生とは、どのようなものなのでしょうか?
人はどのようにして微細な時間や粗大な時間の動きを感知できるのでしょうか?また、カルマ(行為)を通じ一体いくつの運命に到達し、それらの性質はどのようなものなのでしょうか?
トリグナ(サットヴァ•ラジャス•タマス)の影響を受けたジーヴァ(個の魂)は、それぞれどのような結果を求め、どのような行為を行うのでしょうか?
地球、地下世界(パーターラ)、四方位、空、惑星や星々、山や河、海や島、そしてそこに住む生き物たちは、どのようにして生まれたのでしょうか?
卵の形をした大宇宙はどれほど広がっているのでしょうか?また、種々のヴァルナ(魂の性質)とアーシュラマ(人生の四段階)の特徴について教えてください。さらに、各ユガの特徴、長さ、義務的行為についても知りたいです。そして、シュリー・ハリの物質界への降誕の、最も素晴らしい物語を聞かせてください。
人間に課せられる共通の義務と特殊な義務とは何でしょうか?異なる職業に従事する者の特徴的な義務についても教えてください。また、王仙(クシャトリヤの義務を果たしながらブラーフマナの智慧を持つ存在)の義務や苦境に生きる者の義務についても教えてください。
様々な原理の特徴と他の原理との因果関係について、また最高者の礼拝方法やアシュターンガ・ヨーガについて教えてください。ヨーガを極めた者が獲得する力とその運命について、さらにヨギーのリンガ・シャリーラ(スークシュマ•シャリーラ:微細体)がどのように消えていくのかも知りたいのです。また、ヴェーダ(神から啓示された法典)、ヴェーダ補助学、ダルマ・シャーストラ(法典)、イティハーサ(叙事詩)、プラーナ(神話)の特徴と主題についても教えてください。
全生類の創造、維持、破壊はどのように行われるのでしょうか?ヴェーダの祭式やスムリティ(人間の知恵による法典)で推奨される活動と、私心によって為される活動との違いは何でしょうか?さらに、人生の三つの目的(プルシャールタ:ダルマ道徳•アルタ世俗的繁栄•カーマ感覚の喜び)を、誰からも意義を唱えられない方法で成し遂げるにはどうすればよいのでしょうか?
マハープララヤ(ブラフマー神の一生の終わりにおける宇宙の大帰滅)時に、プラクリティに個性を吸収された(五大元素に分解され消滅する)ジーヴァは、どのように再び身体を得るのでしょうか?また、異端の宗教が現れる理由は何でしょうか?霊魂の束縛と解放、そして霊魂がその本質を悟るとはどういうことなのでしょうか?
完全に独存し、全てに遍満する主がどのように自身のマーヤー(幻惑)と戯れ、マーヤーの煙幕を下ろすことで、傍観者として無関心になるのでしょうか?
ああ、偉大なる神仙よ、どうかこれらすべてについて教えてください。あなたはアートマブー(ブラフマー神)のように、これらの事柄に関する最高の権威者です。他の者たちは先人の教えに盲目的に従うだけです。ああ、神のような聖仙よ、もし主アチュタ(不変の者)の物語というアムリタを飲めば、すべての食を絶ったとしても、激怒するブラーフマナの呪い(シュリンギは王が七日後に死ぬ呪いをかけた)によっては決して命を落とすことはないでしょう!』
ー スータ(吟誦者)は続けた ー
その集いの中で、ヴィシュヌラータ(ヴィシュヌに守られた者:パリークシット王)から物語を語るよう求められたブラフマラータ(ブラフマーの世界に到達した者:シュカ)は非常に喜び、ブラーフマ・カルパ(宇宙創造の最初の瞬間)の始まりに、主がブラフマーに教えた『バーガヴァタ・プラーナ』を語り始めた。
聖仙シュカは、パーンドゥの子孫である最高者パリークシットが尋ねたすべての問いに、順番に答えていった。
※※※
完全に独存し、すべてに遍満するというヴィシュヌ神。その圧倒的存在感を持ちながら、どうやら幻惑のマーヤーと戯れるのが趣味らしい。宇宙の創造という壮大なプロジェクトすら、彼にとっては遊び感覚。
ヴィシュヌはマーヤーという魔法で物質世界をぽんっと現出させると、その世界はたちまち無知と錯覚のベールに包まれるらしい。で、人間たちは真実を見失い、あっちへふらふら、こっちへふらふら。それを見ているヴィシュヌは、「いやぁ、がんばってるねぇ」とでも言いそうな、全くの傍観者モード。でも実際には、背後で世界を完全にコントロールし、進化と霊的成長のプロセスをじーっと見守っているらしい。
そして、この「無関心」スタイル。これ、実は私たちが試練という名の修行ステージで学び、最終的に解脱を目指すための完璧な演出らしい。でもね、そんな修羅場の娑婆で日々戦う私たち、ふと叫びたくなるわけですよ。「ちょっと待って、そこに愛はあるの?!」と。
まぁ、神目線で見たら、私たちのこんがらがったドラマも「エンタメ」なのかもしれませんけどね。