@japan_kick ランキング通信 Vol. 220404 0001

今回からTwitterで発表している、日本人選手のキックボクシングランキングの解説をNoteで行うことにしました。ランキング上昇や下降の意味、新人や引退、その時々のトピックについても語ります。

どうぞ、よろしく。

このランキングは新生K-1、RISE、KNOCK OUT、シュートボクシング等、立ち技の日本人格闘技選手が、仮にクリンチ無しの新生K-1ルールで戦ったとしたら誰が強いのだろうと言う、現実には無いカテゴリーをバーチャル的に考えたものです。

格闘競技は微妙なルールの違いが別競技と言って良いほど勝敗に影響します。したがって基準となるルールを定めなければ強さを測定する事ができません。キックボクシングと言う名称からして、それをRISEや新生K-1に対して使用するのは間違っていると主張する人もいるでしょう。

では、何をキックボクシングと呼ぶかと言うと明確な定義は存在しません。ムエタイに破れて始まったルールの日本式ムエタイをそう呼ぶと主張する人もいるかもしれません。投げや頭突きを禁止したルールをそう呼ぶと主張する人も。

ここではクリンチに何らかの制限を設けているルールでの試合実績がある選手を対象に、「クリンチ無しの新生K-1ルールで戦った場合」のランキングについて解説します。この基準にした理由は、例えばRISE選手が掴み無しで戦う事はできても、新生K-1選手が掴み有りに対応するほうが困難だと判断したからです。

よく護身術としてなら、掴みが無ければ実戦的ではないと議論する事がありますが、それはそれで正しいと思います。しかしそれならMMAの方が実戦的ですし、短刀などの武器格闘技の方が強いと言う事になるので切りがありません。

ここではスポーツとしての掴みなしキックボクシングルールを基準として楽しみたいと思います。

2022年3月末から4月4日まで、格闘技のビッグイベントが集中しました。新コロ騒ぎも一段落し、観客制限も解除され始めた事が理由だろうと思います。新コロのおかげで、弱い海外選手をぶっ倒して溜飲を下げる、従来の興行スタイルが不可能になり、日本人有力選手同士の戦いが普通に観られるようになったことが、このランキングの登場に影響したと思います。

それまでは、スター選手を作る為に階級を乱造して、実力差が有る者を戦わせ、派手なKOを演出する方向で団体は人気獲得を図っていました。一方で、観る側は日本人スター選手同士の対戦を夢に見るのですが、ことごとく実現しませんでした。

ところが新コロの影響で外国人選手を調達できず、日本人同士のマッチメイクでファンを繋ぎ止めなければならなくなりました。その結果として「那須川天心 vs 武尊」も実現したと言えるのです。

ワケの分からない、ルールが微妙に異なった外国人の世界チャンピオンを倒して喜んでいるより、国内選手同士がしのぎを削る戦いのほうが観たかったので、ファンにとっては有り難い時期でもありました。

ただ、そのようなマッチメイクは団体側は決して望んではいませんでした。イケメンや人気選手を売り込むようなマッチメイクや判定に忖度が見られる事もしばしばでした。その辺りはプロスポーツとして妥協する必要はあるかもしれません。いや、そのようなものを排除したほうが結果的にはジャンルの繁栄に繋がるなど、様々な意見があります。

現状ではジャッジやレフェリーの質も一定せず、複数団体のレフェリングを掛け持ちで行っている関係で、ルールが徹底していない試合も見受けられます。また、同じレフェリーが同じミスを繰り返す行う事も確認できます(WレフェリーやOレフェリー)。大御所になると注意できる人がいないのでしょうか。

また、この競技では今の所きちんとしたドーピング・チェックが行われていません。海外ではUFCが行っているようですが、オリンピックなどでも試薬をすり抜ける技術が同時進行しているので形骸化しているのが実情です。明らかに普通の筋持久力ではない選手が一般化してきています。

結局、規制してもすり抜けた、ズルをした人が有利になるならフリーにしたほうが公平と言う考え方があるのも理解しています。ただし、これは冗談ではなく命を削る行為なのです。超人的なパフォーマンスを出せば出すほど心臓は限界を迎えます。みなさんもハードトレーニングをすれば筋肉が攣るでしょう?心臓も筋肉でできた血液ポンプです。これがつったらどうなるでしょう?一発アウト、心臓停止であの世行きなのですよ。

若くて健康でも心臓が止まれば人は死ななければなりません。そんな悲劇が今、増加しているのです。貧しい生い立ちでこのままでは一生楽しい暮らしが出来ないなら、死ぬかもしれないけど不正を行って大金を得られれば死んでも良いと考えるのかもしれません。でも、よく考えてください。その時、悲しむ人が増えてしまうのですよ。奥さんや子供さんを不幸のどん底に落としてしまうのですよ。それに不正が明るみに出れば家族の皆が世間から白い目で見られながら生きていくしかなくなるのですよ。自分を大切にしてくださいね。

そんな事でランキング解説を始めるのですが、Twitterのランキングの見方を説明しておきます。@japan_kickのTwitterアカウントの固定表示に最新ランキングへのリンクがありますので、そこをクリックします。そうすると、場合によっては関係ない表示がぞろぞろ出てくる事がありますので、タブの最新をクリックしてください。そうすると選択したランキングが表示されます。

220404は男子ランキングの各階級に変更があったので分割します。0001の今回は ≦ 55.0 kg #220404550kick について解説してみたいと思います。

そもそもこのランキングは団体が設けている2.5 kg 刻みの階級ではなく、5 kg 刻みの階級でランキングを制定しています。ですから62.5 kgや57.5 kgの強豪がランキング入りしていない事があります。また、那須川天心のように様々な階級で実際に戦い、二階級で上位にランク入りしている選手もいます。その辺りは団体や選手本人の個性ですので概略を掴む程度に考えてください。

≦ 55.0 kg のランキングで前回からの目立つ変更は江幡塁が睦に変わった事と、風音が53 kgの王者でありながら、那須川天心と互角の戦いを見せた事でこのランキング入りを果たした事でしょう。今後階級を上げて、鈴木正彦や志朗を倒すのか楽しみになりました。

また、ファンの中には寺山遼冴や有井渚海のランキング入りがおかしいのではないかと思う人も多いと思います。それはこちらも認識しています。ただ、おかしいと思う人は彼らの対戦相手と成績をチェックしてみてください。RISEでは上位とのマッチメイクをなぜか組んでもらえないのですが、色々と事情があるのでしょう。ジムとRISEとの力関係などで優先するジムが有るようです。今後は彼らと京谷祐希選手などのマッチメイクも行われるでしょうから、その時は実力がはっきり分かると思いますよ。楽しみにしていてください。

次回は≦ 60.0 kg #220404600kick の解説を行いますのでお楽しみに。


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