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日本のカメラメーカーへの提案 Ver. 1.2
先日、たぶんソニーと言うタイトルで日記を書いた。
たぶんと言ったのは確定していないから。
カメラは僕にとっては道具であるから目的によって使い分ける。
時には記念品や鑑賞物であったりする場合もあるが、僕には収集癖と言うものは無いようだ。これまでほとんど全ての物を手放してきた。
手放さなかったのは家族くらいのものだろう。
カメラはモノによったり、人によったりで道具にも、芸術品であったり、
同じ物でも人によって感じ方が異なる。
芸術品や鑑賞物にしたい気持ちも分かる。刀剣や銃に感じる機能美は道具として究極の造形を得た際に感じられる芸術。カメラにはそうした面があるし、そんな道具には魅力も感じる。
しかし僕にとっては使えばボロボロになる道具でしかない。目的も時期によって変化する。だから同じ物を一生使う事は無かった。
それでできない事は熟練によって実現しようとした。
ところがどうだ、今は必要無いものがごてごて付いていて機能美どころではない。なんでもかんでもソフトやボタンで実現可能にして、その多さによって価格が設定されている。
と言う事は道具として優秀な物を得る事が逆に難しい時代になってしまったと言う事なのだ。
僕が欲しいのはマニュアル露出、マニュアルフォーカス、軽量コンパクト、高速幕速、最高の光学性能でコンパクトなレンズです。
このようなカメラを探しても無い。
高速幕速はメカシャッターがあるじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、それは僕にとっては高速じゃないんです。それならα1やZ9,Z8を使用すればいい。それより速い高速連写機はグローバルシャッターかストロボの閃光以外に今のところ選択肢が無いのです。
フィルムカメラならフルマニュアルのカメラもありましたが、やはり幕速が1/250秒程度で遅いのでストロボを使うしかない。それで良いならどのカメラでも良いのだけど、それでも余計なものが付いているカメラばかり。
信頼性やグリップフィールが良く、AFや手ぶれ補正も無く、マニュアル露出、グローバルシャッターでRAW秒120枚の連続撮影無限のカメラは今のところ存在しません。レンズも現在最高級であるサンニッパやロクヨンの焦点距離と光学性能でF5.6やF8にしてコンパクトなモノをラインナップに入れてほしい。
ソニーがミノルタを買収し、α100が出た時の事をよく憶えています。その頃はミノルタファンがソニーを毛嫌いし、ソニーの文字に黒いビニールテープを貼っているような人もいました。僕には理解し難い人達でしたが、それだけミノルタが愛されていたと言う事でしょう。
僕はソニーにマンネリ化した、カメラに今までできなかった事を可能にする技術を持ち込んでくれる事を期待してワクワクしていました。だが現実は厳しいものでした。カメラは道具としての機能を求められるもので単に音が良いとか画像がきれいなだけでは通用しない、家電とは異なったものでした。
厳しいミノルタファンが首を縦に振るまでソニーは長期戦を覚悟したように見えました。僕自身もソニーのAPS-C機を使用しましたが、使い勝手の悪さに諦めてしまった経験があります。ソニーは放送用のビデオカメラでは十分な経験があったのでそのうち良くなるだろうと思っていました。
ところが悪評はつい最近まであったように思います。
それはそうでしょう、ミノルタファンは少ないにしてもキヤノンやニコンに慣れきったユーザーの多くはソニーの使い勝手を心地よく思う人は皆無だったはずです。アップルファンがWindowsに慣れないのと同じ感じ。
僕はMacintosh plusからSE, SE30, II, IIci, IIFX, Power Mac・・・とずっとAppleユーザーでした。Macのプログラミングマニュアルを作っていたのですから当然でした。それでもWindows 95 のUIにはすぐに慣れました。Macより使い易い面も気付いていました。
だからソニーのカメラにもすぐに慣れるのではと思っていました。しかしそうではありませんでした。やはりメーカーとしてもカメラを一過性の仕事と捉えず、腰を据えて取り組むと時間はかかるのでしょう。ソニーらしいカメラが出るのに十年以上の歳月を必要としました。
そしてようやくα9が出た時に、使ってみたいと思いました。α9IIも使いました。これはテストであり、手持ちのEFレンズにMC-11を使いレンタルで使用しました。結果はまずまずでした。しかしこれより高速で使い勝手も抜群のオリンパス E-M1 MarkIIを超えるとは感じませんでした。
それでもフルサイズの大きなファインダーと高画質、ソニーの次を期待させるカメラではありました。そして2023年、銀座でα9IIIの発表会があり、触ってきました。僕には余分な機能が多すぎますが、これだと思いました。
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このα9IIIには不要な機能が多すぎます。年明けにAI AFを取っ払ったモデルと単焦点300mm F4か400mm F5.6 GM 手ぶれ補正無しを出してください。
お値段はボディ40万、レンズ30万程度でいいので。もちろんテレコン対応で。今のカメラは高機能すぎて僕には無駄が多すぎます。
高速シャッター切るのに手ぶれ補正は必要無いでしょ。
AIより手動MFのほうが外す事が少ないんです。
その為にはズームリングが無い幅広のフォーカスリングがジャストポジションに欲しいのです。作ってください、お願いします。
グローバルシャッターと高速連写はさすがソニーの技術力が可能にした初めての技術革新だと思います。だから次は本当の道具に進化して欲しいのです。
もしソニーがやらないならパナソニックに頑張って欲しい。
Lマウントの端正な単焦点マニュアルレンズと同時に
放送用ビデオでも必要なグローバルシャッターを乗せた高速連写機とともに。パナソニックのデジタルも何台か使用しましたが、全てよく出来ていたので密かに期待しています。来年までになんとかお願いします。
追記:レフ機であればレンズ側に手ブレ補正機構が無いとファインダー像が安定しませんでしたが、ミラーレス機の場合は問題ありません。
レンズ側の補正は今となってはデメリットのほうが多いのです。
・ボディ側ならレンズ側の補正機構が不要
・ボディ側なら装着レンズ全てに補正効果
・ボディは陳腐化がレンズより早いので故障を避けられる
・レンズ側の場合、個別に補正機構を持つ必要が有り無駄
・レンズ側の場合、レンズが大型化する
・レンズ側の場合、動作するカメラを選ぶ
・手ぶれ補正機構は運搬中脆く感じ、堅牢性に不安感がある
・手ぶれ補正機構は光学的な精度に不安感がある
用途によっては双方に必要な場合もあると思いますが、現状のようにボディにも、各レンズにも手ぶれ補正機構が入っている状態が標準なのは異常とも思えるものです。動画機と兼用する弊害ですかね。