SBS
2024年現在株は持ってないし、今まで買ったこともない。見ていたことはある。
物流と物流不動産の会社。
先に結論を書くと1年後くらいに買うと良さそうに思える会社かな?
期末の決算発表があまり良くなかった時にちゃんと見据えて買えた2100-2200円の人が報われる展開だとすると上値追いもあるかもしれないが、
1Q決算はコストが先行してて苦しい感じがする。
四半期比較だけなので詳細は確認してまた書く。
3PLだと家電量販店のウエイトが比較的高そうで、家電量販店はコロナの反動で業績悪いので、その影響を受けてる面もありそうだ。
すぐに改善する見込みもないしそこは苦しい感じはする。
またECなどが伸びるのは下期から来期にかけてになりそう。
https://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/4709
この会社が気になったきっかけはこのニュース。
SBSがこのエコメルカリ便の物流を受託するとのこと。
エコメルカリ便が使えるのは東名阪の都心部だけというのがポイント。
物流に限ったことではなく、他のインフラにも言えることだが、都心部は効率が良いがそれ以外は効率が悪い、それらをトータルでペイさせて成り立たせている。それに対して都心部だけやる会社が出て来てしまうと、田舎の部分のインフラを持っている会社からするとフリーライドされてしまう形になる。
まさにそういったサービスであり、ヤマト運輸などの都心部同士の物流をこれに置き換えられていくとなると、たまったものではない。
また消費者からすれば都心部の方がコストを下げてインフラサービスを使いやすくなる時代が到来するともいえる。
で、もうちょいこの会社を調べてみると野田瀬戸物流センターというのを作っている。
場所は郊外より(とはいえ最近人口が増えているエリア)でかなり大きいセンターだ。従来より郊外かつ広い土地を取得する傾向にある。
(画像貼るのめんどいので資料参照。)
なぜそうするかというとEC物流に力を入れていくから。
で、ここの4Fに物流ロボットをたくさん入れる。
amazonなども大きい会社は自前の物流センターを持つが、通販もやっている中小の会社はそんなことはできない。そういう会社をたくさんテナントとして入ってもらって、自社単独では不可能な高度な物流ロボットによる恩恵をテナントで共有しようというスタンス。
折しも今日こんなnoteが流れていた。
関係あるところを要約すると楽天に出店するのをやめて自社ECを始めるということだ。
理由としては手数料などもあるけど、商品をたくさん増やして在庫もたくさん持つことを煽られ、自社のペースで商売することが難しいのが一因だそう。
モール型ECの強みは極論物流まで委託できることもあると思う。
しかし手数料負担なども大きくECをやっている会社はどこも悩んでる。
サイトを作るのも大変だが、物流も大変だと思う。
その中で極論amazonなどと同レベル(かは知らないけど)のロボットによる高度な物流を委託できるとなると、自社ECをやりたい会社にとって福音ではないだろうか。
EC自体はコロナで一気に増えて、その反動で成長鈍化してい入るが、長期的にはまだまだ成長するだろうし、その中で自社ECが増えるのならなおのことSBSはいいところを抑えているのではないだろうか。
今のところ野田瀬戸物流センターの横に同規模建てられる土地があり、
また同様に郊外に何か所か大きな土地を抑えている。
2013.12の説明資料9Pには割と注目なのだが、近年ITLT投資を増やしている。物流ITと物流ロボットへの投資を増やしている。
正確には資料だけでは分からんが、経過を読み取れば、投資CFの多くはそれらに回っている。
郊外の広大な土地(と言っても人もたくさん住んでるし高速のインターも近い、中でも野田瀬戸は本当に良い場所、ほんとに良い判断。)に今までより大きなセンターを建てて、そこに物流ロボットを入れて、ECテナントさんに利用してもらう。(詳しくは知らんけど自社もモールも出店してる会社が物流はこっちに委託することができる思う、というかそれが主流だと思う。)
とても効率がいいけれど、自社じゃ所有も運用もできない、そういった需要に対応していて、だからこそ儲かるだろう。
正直従来型の3PLも良いのだが成長をけん引してきたドラッグストアなどは比較的頭打ちになってきており、こちらの方がより成長性収益性ともに高いだろうと思う。
そしてこの会社のもう一つの強みは、不動産流動化をしていることだ。
土地を買ってセンターを建てて、そのセンターをREITやその他投資家などに売る。そのセンターは家賃を払って使う。
流動化したお金でまた新たな土地を買う。
そうやって事業を拡大していること。
このやり方の良いところは、常に新しい物流センターを自社保有して置けること。新しいというのは築年数という意味だけでなく、仕組み的なものもあると思う。
この辺は妄想なのだけど、家や車も年々進歩してるように、物流センターも年々進歩してる。最新で言えばまさにこの野田瀬戸のようにロボットが動くセンターだろう。そして既存のセンターでそれをやるのは多分だけど難しいのだと思う。家をリフォームしても最新型の家にはできないのと同じ感じかなと。
だから買収した物流子会社の好立地のところは古くても長く残すだろうし、
今回のような最新のセンターも自社保有しそう。
それ以外のところを流動化していく気がする。
自社で建てて3PLをやってるだけの会社より、新陳代謝がしやすいことが最大のメリットなのだと思う。古いビジネスは物流ビジネスとしては続けるけど、センターは保有しないスタンスなのだろう。
ここの社長は投資家としての嗅覚が強く、上場直後に高い評価がついたとき(利益数億なのに時価総額700億!)すかさず70億も増資して、そのお金で買収して事業を拡大してきたという。
バブルに投資家を利用することで躍進した会社は本当に賢い思うし、これこそ正しい株式市場の使い方と言える。
まぁとかく、本業と流動化で資金調達しながら、EC型物流センターを拡大していくのがこの会社の成長ストーリーの一つで、まだ稼働率が低いだろうが、ECロボット共有型のビジネスはおそらく利益率がこれまでより高いと思うので、稼働率が高まった際は注目されるのではないかと思う。
ただ買うタイミングが今なのかは不明というか、むしろ僕は物流リートの方を買ってたりする。
ここから話はずれるが、
リートが売られていたことや安定配当が欲しいなどもあるが、
根幹としてデフレ時代こそSBSのような会社が躍進しやすかったと思う。
つまりヒトモノカネを調達して上手く回す会社だ。
ヒトモノカネすべてが安いので、回すのが上手い会社んはものすごく成長した。
しかし直近はヒトモノカネすべてが不足気味なので、回すのが難しくなっている。
となると、ヒトモノカネを供給する側の会社の方が有利なのではないだろうか。
更にズレる。ヒトは労働者ともいえる。(クーラーの利いたオフィスで仕事したい人は余っていてその席を取るべく過当競争だが、ある程度習得に時間がかかる技を持っていて外で仕事する仕事は給与上がりまくってる気がする。トラックドライバーは今まで割安にされすぎてたものが修正される程度だろうが、とはいえ長く続いたトレンドが反転したので、普通に良い仕事になる気がする。)
だからSBSを買うのはそういう意味では逆風な気がする。リート側に回ればいいのかなと。とはいえとても良い会社なので注目している。