ボーイズラブの台頭が恐ろしい
昨今の、性描写込みで描かれたはずのBL作品を次から次へと実写化する流れには心底うんざりしている。
まず、原作となる商業BLの大前提である要素って、よっぽどのレーベルでない限り「恋愛感情描写と性描写」なわけで(ジャンプ漫画でいうところの「友情・努力・勝利」と同じくらいの絶対的要素)。
今は性描写の薄い(ない)作品もたくさんあるし、そういうものから映像になっているのはそうかもしれないけど、何でも映像にできるものから金を稼ごうとしていて私には恐ろしく見える。
そして性描写のある作品に関しては、もう何やってんの?と呆れてしまう。OVAやドラマCDは、手を伸ばさないと買えないのでまだいい。でも普通の深夜アニメにしたり実写化してしまうのが、どうしても納得できない。どう改変して味付けを薄めても「性描写」があるジャンルなんですよ。ボーイズラブジャンルが本来成人向だということは、理解していますか?と首をひねりたくなる。設定がいいからといって快楽天さんやコミックLOさんに掲載されていた作品をエロ要素薄めて一般アニメ化や実写化、しますか?(と問いつつ、そのうちされそうだな…とは思うが)
TL、BL、成人向にはちゃんとターゲットがいて、選ばなくても簡単に目に入ってしまう仕掛けで集金すべきじゃないと強く思う(最近問題になっていた青年向けコミックの性的な販促POPが一般書店に飾られていた・ネット上で当たり前のように成人向コミックの宣伝が流れてくる……なども同様に私は憤っています)
それから、これは演者の方への勝手すぎる気遣いかもしれないが、先述の「商業BLはよっぽどのレーベルでない限り恋愛感情描写と性描写のセット売り」という大前提をふまえて、「一部読者のお楽しみのためのエッチ作品」に出演(特に売り出し中の見目美しい若者)されている状況が、もう本当に見ていられない。強い言葉を使って申し訳ないが、搾取だとしか思えません。
大前提を知らなくてももはや作り手になれてしまうくらいBLが世間で認知されているわけですが……。じゃあ若い女性アイドルが、性描写は全て削除したとしても、快楽天さんに掲載されていたコミック原作のドラマの、劇場作品の、WEBドラマに出演しますか?成立すると思いますか?
棲み分けの配慮が年々なくなってきていて、この件に関して何年もずっと気味が悪いです。他国の規制を鑑みれば、これまで棲み分けできていたのが日本だからできた奇跡なのかもしれないけど……。
私は自分が腐女子で、ボーイズラブ(商業BLというコミック文化と二次創作文化)が好きなのでそれを自らこのnoteで書いてはいますが、初対面で自己紹介にそれを使うことはないし、その詳細を言われてもないのに語り出したり広めようという気は全くありません。当たり前ですが。そういうものなんだよ。
でもこれはコンテンツ大国として金を稼いできた、そして現在金も人口も減り続ける日本で「そりゃそうやって金を稼がなくちゃならないのは分かるけれど……」としか言いようがないんだが。でも、これから生まれて育ってたくさんのコンテンツに触れていく若い人たちがいるんだよ(年齢関係なく、不快なものは不快だよ)。それは承知の上で、どうか、テンションだけで企画を推し進める会社がないように……と願っている。
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