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香港のコロナ規制と小学校の備忘録
こんにちは!サルタックの真衣です。サルタック・ジャパン理事陣では現状唯一の小学生の母親でもあるので、再び、小学校の話題を取り上げてみたいと思います。(イギリス編はこちら。香港編はこちら。)
我が家が暮らす香港では、学校は8月中旬~9月に始まり、6月末~7月中旬で終わるため、現在、学年末に差し掛かっています。今年度は新型コロナウイルス感染症の感染状況に対応して、香港教育局から色々な規制が次々と定められ/緩められ、それに対応して、学校のスケジュールもころころと変わった稀有な一年でした。そこで今回は、コロナ禍での一年の記録として、子どもたちの学校のスケジュール変遷を中心に振り返ってみます。
1)新学年はオンライン。。
新学年の始まった2020年の夏は、香港のコロナ新規感染者数もまだ多かったため、香港教育局からの規制により、対面授業は禁止されていました。このため、以前の記事にも書いた通り、全面オンラインでの新学年スタートとなりました。先生たちも、自宅からオンライン授業を行うこともしばしば、更には自宅オンラインの環境を整えるため引っ越した先生もいたとか。。
2)クラスを二分し、入れ替わりでの半日登校。
9月にはコロナの状況が落ち着いてきたことを受け、規制が緩み始めました。各学校が香港教育局に学校再開のプランを出して順次、少しずつ再開し始めました。子どもたちが通う学校でも、9月下旬に許可が下り、1/2のキャパシティでの登校が可能になりました。そこで、各クラスを午前組・午後組に分けて学校が再開しました。午前・午後で対面授業とオンラインを組み合わせた形で、何とか少しでも学校に行けるようにと工夫されたスケジュールが組まれました。この時は、午前・午後で別れたクラスメイトとはすれ違いで暫く顔を見かけない…という不思議な状況でした。
3)遂にクラス全員での全日授業!
さらにコロナが沈静化した状況が続き、通常通りの全日授業を開始する学校が出てきました。11月下旬には、子どもたちの学校も、再提出した学校運営プランに許可が下り、全日授業が再開となりました。クラス全員がそろって授業できることになり、先生たちも時間割を組み直して、遂に通常の軌道に乗り(、というように見え)ました。親にとっては、お弁当のスタートです…!
4)対面授業の停止・・・
晴れて全日授業が再開した1週間後、香港の特定地域で発生したクラスターのため、新規感染者数が急増してしまいました。これを受け、教育局が小学校低学年までの対面授業を停止し、約10日後にはさらに中学校までの各学校で対面授業や校内活動が停止となりました。冬休みを前に、一気にオンラインに逆戻り。諸々の活動が再開し始めた矢先の登校不可となり残念ながらも、再びオンラインのスケジュールに切り替えてくれました。少しだけでも学校に行けて良かったね…と、はかなく11月の一週間を振り返りながら、再びのオンラインで一学期を終えました。
5)順次、登校が再開!
冬休みが終わると、徐々に状況が落ち着き、再び、少しずつ規制が緩和されていきました。二週間に半日のペースで登校日が開始され、徐々に登校日が増え、週に2~3日は半日授業が可能となりました。登校可能な人数等については、教育局が個々ののプランを検討し判断するため、いろいろな噂が飛び交うことに。先生が全員コロナのPCR検査を受けて陰性であれば全日登校の許可が下りるらしい、感染者が出たクラスはその日体育の授業(=マスクを外したタイミング)があったので全員2週間の隔離措置となったらしい、等々。またこの頃にはワクチン接種も始まり、教員には優先枠が与えられました。子どもたちの学校の先生も、早々にワクチンを接種しつつ、対面授業が少しずつ増える流動的なスケジュールの中で対面/オンラインを切り替えながら授業を進めてくれました。度重なるスケジュール調整が大変だったためか、半日登校した日は、午後はオンライン授業がなくなり、子どもたちにとってはラッキーな日となりました。
6)毎日登校が可能に。
春休み明け、コロナ鎮静化に伴う規制緩和が進み、毎日登校することが可能になりました。ただし、校内でのランチは不可なので、お昼までで放課となります。この結果、毎日学校に行けるけど、午前中のみで午後は放課となり、授業時間が減ったような。。
7)遂に、再びの全日授業!!
学年末が見えてきたころ、教育局から全日授業再開の学校プランに対する許可が下りました。周りの多くの学校にも同時に許可が下りたようで、朝と午後の通学路が再び一気に賑やかになりました。こうして、諸々規制はあるものの、遂に通常授業に戻ることができました。子どもたちの学校は、上述3)の通り約半年前に全日授業を経験していたため、今回はスムーズに、スケジュール調整に時間を置くことなく移行することができました。諦めかけていた卒業式もできそうな状況となり、急ピッチで(親も)準備を進めています。
~ 印象に残った先生の活動 ~
このように、変遷を繰り返してきた学校スケジュールですが、一番印象深かったのは、オンラインから初めて学校に行けることになった1)から2)への変化の時です。この時は、先生たちは準備で忙しいからと、登校が始まる前日は、一日オンライン授業もお休みで完全な家庭学習日となりました。どんなことを準備しているのかな?と気になっていたら、たまたま学校に行く用事があり、先生へのご挨拶がてら、教室を訪れる機会を得ました。
各教室では、先生たちが授業に備えて机の配置を整えたり、ネームタグを付けたり。特に机の配置は、ジグザグに並べたり、コの字型にしたり、ソーシャルディスタンスの要請からひときわ工夫が必要だったようでした。一番忙しそうだったのは、娘の担任の先生で、教室にはIKEAの箱がたくさん積まれ、さながら日曜大工の風景でした。児童たちの個人用ロッカー/棚を組み立ててくれていたのです。これは忙しい、今日はオンライン授業は確かに無理!と納得した瞬間でした。
以上、ざっくりと香港のコロナ対策の規制下における小学校のスケジュール変遷の様子をお伝えしました。
日本でも、各学校が工夫を凝らしながらカリキュラムや学校行事をこなしている状況と思いますが、一つの比較対象として参考になれば幸いです。
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