ビルゲイツやザッカーバーグは救世主なのか、それとも破壊者なのか?-教育政策における新たな利益団体の話
みなさんこんにちは、畠山です。日本でもマイクロソフトのビル・ゲイツ氏やFBのマーク・ザッカーバーグ氏は知名度が高いと思いますが、近年この両者は教育政策分野においても注目を集めています。この両者と教育政策と言えばICTと教育でしょ?、と思われるのが一般的だと思いますが、そうではありません。
教育に限らず、政策が成立する過程には様々な利益団体(Interest Groups)が、様々な方法で影響力を及ぼしてきます。伝統的な所では、教員組合が民主党(Democrat)の議員を通じて法案成立過程でブロッキングをしたり、ここミシガン州で言えばケロッグ財団が寄付金を提供したり、といったものが挙げられます。
そして、21世紀に入った頃から、この利益団体のロビー活動がとても盛んになってきています。1998年から2005年の間に教育問題についてロビー活動を行う団体の登録数は55%も増えましたし、ロビー活動に費やされた金額はこの間に55億円以上も増加しています(詳しくはこの論文をどうぞ)。そして、このロビー活動の増加は新たな利益団体の台頭による部分がとても大きいという特徴がありました。この新たな利益団体は、これまでの利益団体とは全く異なる特徴を持つと同時に、米国内に留まらず広く途上国の教育政策にも影響を与えるようになってきています。そして、冒頭のゲイツ氏やザッカーバーグ氏は、実はこの新しい利益団体の象徴とも言える両者なのです。
そこで今日は、教育経済学から少し離れて、教育政策を考える上で重要な利益団体の話をしてみようと思います。
1. 伝統的な利益団体
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