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【鉄旅1日目晩飯】別府で寿司を喰らう
さて、ふぐ料理でほろ酔い気分で大分駅から別府駅まで移動する。
在来線で3駅、10分少々で着くので、乗車前に大分駅をうろつくが、駅前には大友宗麟の銅像が鎮座し、JRのアミュプラザといった駅ビル「JRおおいたシティ」に数多くのお店が入っており楽しめる。
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唐揚げ等も売っていたが、お腹が膨れていたので早々に別府駅まで移動する。ちょっぴり甘いものは買ったがね😆
程なく別府駅に到着。今夜の宿泊先は、温泉地にも関わらずビジネスホテルのAPAホテル。急に決まった旅なので、温泉旅館は皆高いし、なかなか予約が取れそうになかったので、今回もいつもご贔屓にしているAPAホテル泊とした。
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チェックイン後部屋で一休みしていると、ひれ酒のせいなのか眠り込んでしまい、目が覚めたのは午後7時過ぎ。慌ててホテルを出て、google map先生のお世話になりながら目をつけていた寿司屋を目指した。
目的地は、駅のガードをくぐって少し歩いたところにあり、容易に見つかった。お店の入り口には、とても顔立ちの良い三毛猫がいたので、少し対話(一方的に)を交わすが、看板猫なのか?
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恐る恐る店に入ると、なな何とお客さんで溢れてるではないか。
しまった、出遅れた!と思ったが、カウンター席の中央が1席だけ空いている。
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「一人だけど、入れますか?」と大将らしき人に言ったところ、ちょっと外で待て!とのこと。
再び、看板猫を探してると、直ぐに入店許可が出て、幸運にもカウンターに着座できた。大将から、「日本語わかる?寿司は少し時間がかかるよ」と言われた。俺、日本人だけど・・・
気がつけばカウンターも座敷も中国語らしき会話が聞こえている。ちなみに隣の方もスマホで中国語の動画を見ている。他の外国客も一応にスマホに齧り付いていて、何を見てるのかわからなかったが、旅先の情報を得るにはスマホが一番なのだろう。
店の従業員も片言の英語でお客と会話している。
その内、彼方此方で「チェック、チェック」とお勘定が始まり、それと共にお客も減り出した。
すかさずお品書きにあった海鮮握り8個(関あじ、関さば他)を注文。ここまで来て寿司を食うのであれば、関あじ、関さばを食わねば意味がない。
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入店した頃はお客が多かったので大将が店の従業員に細かい指示を出して仕切っていたが、客が減ってきたからか、注文した寿司もあっという間に付け台に置かれ始めた。これはまずいと慌てて日本酒を注文することにし、大分なのでやはり「西の関」を冷やで注文した。
付け台に置かれた寿司のネタは結構大きく、最近の廻る寿司屋のネタの大きさに慣れていたせいか、一口で頬張るのがやっとだった。
次々に地物の寿司を頬張るが、冷酒が「まあそんなに急くなよ」と間合いをとってくれる。
やっぱいいねえ、寿司は!
お昼のふぐ料理はどこ吹く風で、もう寿司と店の雰囲気に酔いしれている自分がいる。
すっかりお客も少なくなって、店も落ち着きを取り戻した。大将が、最後の鉄火巻きを置いて、余裕ができたのかサービスで玉(ギョク)を二巻置いてくれた。ご存知と思うが『ギョク』といえば玉子のこと。
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ひとけが一気に減ったカウンターで、さっきまで威勢の良かった大将が一段落したのか、修行時代のことやら色々話してくれた。
これがいいだよね、カウンターは。料理もさることながら、作り手との対話やらがあると、一味重なると言うか記憶に刻まれるのよね。
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そろそろ閉店の雰囲気になったので、こちらもチェックいやお勘定をして店を出た。顔立ちの良い三毛猫ちゃんにも別れを告げ、再び夜の別府の路地を歩いていく。
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途中、商店街にある大きな天狗(やよい天狗というそうだが)の面を見ながら細路地に入ると、昔懐かしいおでん屋さんの暖簾が出ていた。そおっと覗くと、カウンターに数人座って飲んでいて、妙齢のおばさまがおでんを仕込んでいる。
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ここをすんなり通り過ぎる勇気は生来私にはない。本当に吸い込まれる様に戸を開け、気がつけば空いてるカウンター席に腰を下ろしていた。
私が学生の頃は、週末は学友と千円札を握りしめて、学生街のおでん屋に通ったものだった。そのノスタルジーも手伝ってか、本当に居心地良くおでんと焼酎で時を過ごすことができた。
お勘定も偶然ではあるが丁度千円だった。
至福のままに別府の夜を終えようとしていた ついぞ温泉に入ることもなく😂😂😂