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宝泰寺 "生きる” 手紙伝導 2023年9月

こんにちは。
サールナートホール/静岡シネ・ギャラリーの館長でもある、宝泰寺住職・藤原東演より、最近心を打たれた言葉や、皆様に伝えたい言葉を「手紙伝導」と題しましてnoteにてお伝えいたします。よろしければお読みください。


釈宗演老師のおことばを、お伝えします。

釈宗演老師は1859~1919に生きた臨済宗の僧で、鎌倉・円覚寺の今北洪川(1816~1892)などに就いて参禅、近代的な禅の確立に努めました。円覚寺・建長寺管長、京都臨済宗大学長を務められた方です。

当時、日本は富国強兵へと突き進む中にありました。世界大戦が迫っていたのです。
そんな中開かれた、万国宗教会議に参加した釈宗演老師は、シカゴで以下のように現代にも通じる演説をされました。



戦争が私達に何をもたらしてくれるというのでしょう?
何も、もたらしてはくれません。

戦争とは、弱い者が、強い者に虐げられることに過ぎないのです。
戦争とは、兄弟同士が争い、血を流し合うことに他ならないのです。
戦争とは、強い者が、結局何も得るものがない一方で、弱い者が、すべてを失うことなのです。

私達の願いは、どのようにすれば、本当にかなえられるのでしょうか?
それを助けてくれるのが、真の宗教なのです。
真の宗教が、慈悲と寛容の源なのです。
真の宗教の本分は、普遍的な人類愛と恒久の平和という崇高な願いの実現にあるといえるのではないでしょうか。
そして、そのために、私達が中心となり、原動力とならねばならないのではないでしょうか。
そのためにも、人種の違いで、差別があってはいけません。
……思想や信条の違いで、差別があってはいけません。
信仰や宗派の違いで、差別があってはいけません。
お互いに認め合い手を取り合わなければならないのです。



宝泰寺住職 サールナートホール/静岡シネ・ギャラリー館長 藤原東演