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ムスメに救われたこと~母との向き合い方
ムスメとのおしゃべりは最高に楽しい。
普段は誰とも話さない日があっても、家でムスメと心行くまで話せるのは最高の幸せだと思う。
夫はあまり賛成していないようだ。ムスメと友達のようになっていると。でもやっぱり親ならば、親として言うべきことがあるんじゃないかと。
確かに子供の頃や思春期の時はそうする必要があったかもしれない。もう少し躾のようなことがあってもいいのかもしれないな。
でも私は家族がいつも家の中ではご機嫌過ごせるように、小言や叱責は避けてきてしまっていた。
今は、二人のムスメも成人し、ますます小言は言いにくくなった。
それよりも、ムスメからたくさん教えられることがある。
この前、実家の母から電話があって、旅行先の美術館の感動的な話をしてくれた。普段は忙しい時にかかる電話に対しては要件だけ聞いて冷たく返してしまうことが多かったけれど、今回は母に対して温かい反応をしながら、自分がどれほど冷たい態度を取ってきたのかと少し反省した。
実母は愛情に満ちた人だけれども、その深い愛が時にはおせっかいに感じられることもある。まるで他人に対してもおせっかいを焼き、その傍若無人さには自覚がない。逆に、なんて私は優しい人なんだろう、素晴らしい人間なんだと自己陶酔に浸っている。そんな母。
ある時上のムスメは、普段の私の母との電話や言動に対して、泣いて怒ったことがある。
「おばあちゃんにそんなに冷たい態度をとらないで。もっと真剣に向き合ってあげて。」と。
私は高校時代から親元を離れ、母とは今の私と子供たちのようにじっくりと話し合うことはなかった。深い話も避けていたような気がする。だから思い込みだけで、本当の母を知らない可能性もあるのかもしれない。
そしてムスメは、こういうことも言ってくれた。
「おばあちゃんと話していると、すごく元気をもらう。いつでも明るくて前向きで、何を言っても、すごいよ、大丈夫って言ってくれる。自分が関わる人の中で一番パワーがある人だって思う。」
涙が溢れた。
母はそんな人だったのだ。確かにそうなんだ。
ムスメから教えてもらった。