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【潜入】参加費20万円の仮想村に参加した話【ポップアップビレッジとは?】
こんにちは。世界を旅しながらデジタル遊牧民生活をしているさり柴と申します。
今回は、身内の仕事の関係で参加費20万円、1ヶ月間開催されるポップアップビレッジに連れて行かれた体験について書きます。
場所はタイ、チェンマイ。この時期には複数のポップアップビレッジが立ち上がります。
ポップアップビレッジとは?
特定の期間や場所に限定して設置される仮設の村やコミュニティのことです。
私の身内が申し込んだ村「Edge city lanna」ではバイオ、AI、City building、 Web3 などの最新テクノロジーの関係者が集まってるということでした。
世界中から様々な人が集まるその村ではどんな体験が待っていたのか、そこにいた人々とどんな生活を送ったのか、果たしてそこで何が行われていたかを紹介します。
私は1ヶ月間のチケットを購入し、うちの20日をその村で過ごしました。ちなみにチケットは1週間単位で購入することも可能で、週によって値段も異なります。
金融テクノロジー、ブロックチェーン関係の人が特に多く集まる最終週のチケットは1週間10万円ほどと、高価になります。
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村のコンセプト
私たちが参加したポップアップビレッジ「Edge city lanna」のホームページには以下の文章が掲載されており、下記の考えに同意する人々、もしくはその家族が集まります。
豊かな未来を育むポップアップビレッジ。
新しいテクノロジーと生活様式の育成に重点を置いた健全なコミュニティに参加しませんか。
村の参加費
参加するチケットは1,350 ドル。
日本円にすると208,352円。(11月17日現在、1ドル154円での換算。)
この20万円に宿泊費は含まれていないので、この値段は純粋な参加費です。
そのほかに宿泊施設代などを払う必要があり、1ヶ月にかかる費用は人によって異なります。
終えてみて、この値段が高いか安いかでいうと、私はこの村で充実した時間を過ごせたため個人的には「妥当」と感じています。
提供されるもの
・すべてのセッション、セミナー、イベント、カンファレンス、ハッカソン、ワークショップなど。
・毎日の食事と食事ハブへのアクセス。
・高速インターネットとコーヒーを備えた共同作業スペースへのアクセス。
・オンライン ソーシャル ハブと共同カレンダーへのアクセス。
・健康とウェルネス: サウナ、冷水風呂、瞑想、毎日のワークアウト。
・チェンマイ各地の特別な場所で日曜日のディナーをお楽しみください。
この村では提供されるものを選ぶという形式によってずっと留まる必要もなく、しがらみなく自由に過ごすことができます。別なポップアップビレッジではホテルを貸し切ってホテルごと村化している場所もあるそうです。
そちらのほうがムラ社会感がありますね。
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朝食
朝食か昼食かを選べるシステムで、私たちが朝食に行ったのは一度きり。しかも行った時には朝食の時間がほぼ終わっていて、残り物ばかりで内容は正直よくわからなかったです。けれど、その席に座ってふと隣を見ると、なんとそこにはイーサリアム創業者のVitalik氏が普通に朝食を取っていました。それだけでここが何か変わった場所なのはわかりました。
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昼食
昼食には、アジア料理が日替わりで提供されていました。会場自体は毎日同じでも、レストランはローテーションしており、日によって異なるアジア料理を楽しむことができます。どれも野菜や香辛料が豊富に使われていて、健康志向の身体に良さそうな感じの料理でした。もちろんヴィーガン用の食事も完備。
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テーブルが少し足りないので、食事の時間は自然と他の参加者と席をシェアすることになり、ここで多くの人と交流が生まれる場でもありました。その中では界隈で有名な海外の研究者の方などとも同席し、非常に刺激的でした。
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日曜のディナー
毎週日曜日には村人が集まって夕食イベントが開催されました。新しい人たちとの出会いがあるので刺激的だが、毎回非常に盛況で、エネルギーを使うイベントでもありました。合計3回参加し、最初の2回は立食スタイル、最後の1回は座席が用意されていました。
1回目は、フードコートのような場所で立食パーティーが開かれ、次々と色々な人に出会い自己紹介が求められるので非常に体力を使いました。
2回目も立食で、スタッフが次々と料理を運んできてくれる形式でした。顔見知りも増えて前回よりも少し落ち着いて参加できました。
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3回目は、市内から40分ほど離れた広い会場で行われ、ようやく座席が用意されていました。ゆったりとした雰囲気の中、少数の人たちと話しながら食事を楽しむことができました。
このイベントもネットワーキングを楽しめる人なら楽しめるのではと思います。私は非常にたくさんのエネルギーを使ってしまい疲れるイベントでもありました😂
コワーキングスペース
村には普通に快適なコワーキングスペースが用意されていました。広々としたメインのコワーキングスペースの他、グループごとに利用できる個室も完備。様々なタイムゾーンで働く人がいるため、24時間開放されています。
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村が盛況なのはいいことだけれど、日を追うごとに参加者は増えていき、特に人気の時間帯には十分な数の座席の確保が難しい場面もありました。
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課題としてコワーキングスペースの不足が挙げられますね…。
パーティー
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期間中にハロウィンパーティが行われました。とは言ってもみんな着飾って踊る普通の楽しいパーティ。まるでアメリカのパーティに迷い込んだようで楽しかったです。その他、DJパーティーなどが定期的に開催されているようでした。
運動会
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ある日、村で運動会が開かれ、みんな子供に戻ったような気分で楽しみました。運動会で親交を深めるのは実際の「村」っぽいです。参加者たちはいくつかのカラーでチーム分けされ、スプーンに卵を乗せたリレーやボールリレー、フラフープ、水風船投げ、パフォーマンスなどで競い合いました。私たちのチームは赤団で、テーマは「共産主義」。テクノロジー系の人が集まったにも関わらずノリはかなり良かったです!
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そのほかアートや瞑想やヨガ、ハイキングなど様々なワークショップやイベントが毎日開催されていました。私は正直欧米のノリと言語面で日々疲れもあり、おじけづいてしまい結局、ほぼ参加しなかったです。そういうノリを体験してみたい人、海外の大学のようなノリが好きな方は楽しめるでしょう。
どんな人がいたか?
この村には、多くの起業家や研究者がネットワーキングを目的に訪れていました。また、自分のプロジェクトを持つ方々が、視察や交流のために訪れる場合もありました。
また、普通に遊びに来ている人もいました。投資家や、仮想通貨を売り抜けた人、会社をバイアウトして次のステップを考えている段階の人、謎の人、さらに多くのデジタルノマドが集まっていました。
序盤と後半で参加者の層が大きく異なり、週ごとにテーマが分かれていることの影響を感じました。序盤にはソーシャル系のイベントが多く、欧米人が多めで、アジア人の数は少なかったです。最初は少し不安を感じたが、出会った人は皆フレンドリーで、すぐに仲良くなることができました。そのメンバーとは毎日のように遊びに出かけ、テクノロジーやお互いの国の事情などの話をして学生時代のように楽しく過ごすことができました。参加が有意義なものになった理由はここで知り合ったメンバーとの出会いが大きいです。
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後半になると、暗号やブロックチェーン関連の研究者たちが集まり、テクノロジー系の男性が増加した印象でした。強い目的意識を持った参加者が多く、特定のプロジェクトを持っていない私には、より難しい空間に変化したように感じられました。
日本人はいたか?
最初は私たちの他に2人ほど見かけました。後半になると界隈の日本人の方々が数名増えた程度で、タイという日本から近い国での開催にしては驚くほどに日本人が少ないと感じました。
また韓国からの方もなぜか見かけなかったです。長期で休みを取る人や、デジタルノマド生活をする人が少ないことも影響しているのかもしれないと感じました。一方で中国や香港からの方は見かけました。
他の「ポップアップビレッジ」とは?
前述のとおり、同時期、同じ都市(チェンマイ)で性質の異なる複数の別なポップアップビレッジも開催されていました。その中には、中国をはじめとするアジア人男性が多い開発者が集まるポップアップビレッジもありました。私は身内の関係でその開発者ポップアップビレッジに潜入しましたが、こちらの村は無料な代わりに開発者限定で、身辺調査が厳しく、よりテクノロジーを重視する場所であるという印象を受けました。コワーキングスペースにはたくさんの開発者が集まり、真剣に開発をしている様子が見られました。
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私たちが参加したポップアップビレッジはイベントや遊びの要素が多く、ファミリーフレンドリーで楽しげなイメージを大切にしていました。
仮想村についての考察
ポップアップビレッジという形態は、今はまだ新しく聞き慣れないものに感じられますが今後は単なる交流や遊びの場を超え、現代社会が抱えるさまざまなニーズを満たす場として機能していくのではないかと考えられます。以下の考察は、私個人の印象や意見に留まらないようChatGPTとの協働作業を経て作成したものです。
現代社会における居場所の喪失とその補完
デジタルノマドやテクノロジー推進派な価値観を持つ人々にとって、国に関わらず日常の中で自分の価値観や生き方に共感してくれる仲間を見つけるのは必ずしも簡単ではありません。そのため、この村のような環境は、そうした人々が集まり「居場所」と感じられる貴重な空間を提供しています。そのため、高額な参加費にもかかわらず多くの人が集まって交流をしに来ています。
デジタル時代における“村”の再定義
テクノロジーが進化し、誰もがグローバルに繋がれる現代において、意図的に作られた“村”というアナログな共同体の形態が逆に価値を持つようになりました。日常的なデジタル環境から離れ、目の前の人と物理的に共存することで、より本質的なつながりや協力が生まれます。こうしたアナログな“村”の再定義は、現代社会における個人主義化や人間関係の希薄さを補い、多くの人々にとって価値ある存在になっています。
現代における孤独対策
最終的に、こうしたポップアップビレッジは、現代の孤独感や不安感に対する一つの解答としての役割を果たしつつあります。ここでの体験が新たなビジネスやプロジェクトのきっかけになることもあり、未来の価値観やネットワーク構築の場としての可能性を秘めています。
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全体的な感想&再訪するか?
ネットワーキングをするために「村」という形態を使うことは、コミュニティの一体感を育むのに非常に適しており、特に身内の仕事面では大きなメリットがあったようです。また一つの都市で1ヶ月程度の長期に渡って滞在することも楽しいです。そういった意味で、おそらく再訪することになるでしょう。
コワーキングスペースも昼食会場もいつも賑わっており、この町全体が成功していたように感じられます。しかし、その中でどれだけの人が本当のつながりや実際に役立つビジネス的な利点を見つけられたかは、各人の行動次第です。そうでなけれだ本当にただ時間を「共に過ごす」だけになってしまいそうです。もちろん過ごし方はそれぞれであり、それで良ければそれも良いことだと思います。
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どんな人がどこからどれだけ集まっても、それがどんな形でなんと呼ばれていようとも、結局私たちは人と人であり、そこで行われる営みはその場で時間を共にしなければ始まらない。
というわけで、テクノロジー系の人が集まるポップアップビレッジとはなんなのか気になった人はぜひ行ってみてください!