投資の仕事・経費の仕事
最近強く意識しているのが、「投資」と「経費」という2つの軸です。
ロゴデザイン、webデザイン、広告、出版、プロダクトなどなど、グラフィックデザインナーが仕事をする場所、ジャンルは多種多様なものがありますが、同じジャンルの仕事と思われても〈投資〉と〈経費〉では全く性質が異なるのではないか、と思うのですね。
簡単に言うと、
〈投資〉の仕事は、そこにかけたお金がお値段の数倍以上の価値を生み出す可能性がある仕事。
〈経費〉の仕事は安くてそこそこいいものが早く仕上がってくることに価値がある仕事。
ロゴデザインで例えるなら、
〈投資〉新しい事業を興す、新しいブランドを立ち上げるためのロゴ
〈経費〉社内のイントラネットにとにかくなにかロゴを用意しなければならない
となります。
どちらもロゴデザインの仕事ですが、求められる質・デザインフィー・労力が全く異なります。
誤解しないでほしいのですが、経費の仕事だから価値が低い、ということではありません。
フリーとして収入を安定させで長〜く働くためには、投資の仕事が受けられるくらい自分自身の価値をあげていく必要があり、ゆくゆくは投資の仕事をメインにしてくことを目指してほしいと思います。
しかし、経費の仕事にも、コンスタントに取り組むことによってスキルを磨くとか、評価の土台を築くとか、使い方次第で自分なりの価値を得ていくという使い方があります。
クライアント企業にとっては経費だが、担当者にとっては投資(挑戦)、ということもありますし、企業にとっては経費だが、自分にとっては投資ということもあると思います。
大事なことは、相手の軸と自分の軸で仕事の捉え方が違うということ。
適切なクオリティの提案のために、そしてより価値の高い仕事を見極めるために嗅覚を養うために、投資と経費という軸を意識してみてください。