薬膳日記21 治法 下処理と調理方法

すっかり忘れていますが 『配伍』をやっております。
生薬や食材を2種類以上合わせてたくさんの情報を集めた証にぴったりな料理をしていくという事ですね。
今回はその料理教室的な事になります。

下処理の目的

生薬は漢方薬局で買って来ると思いますから処理されているのですが
食材は下処理をしますね。

どんなふうにしているのか まとめておきます。

 
食材をきれいにする

泥や汚れ 血や毛など使えない部分を取り除きます。

魚のうろこを取り除く、野菜を洗ったり 芽を取ったり 肉の筋を取るなど

 

食材の生臭い匂いや性味の偏りを取り除き薬膳としての完成度を高める

羊肉などの肉の臭みをとる 柿や梅の渋みや毒を抜く など

 

薬効を強めたり 毒性や副作用を減らしたり効能をかえたりする

生または乾燥した地黄に酒を加えて蒸しては日干しにすることを繰り返すことにより効能を温性にし 養血(血を多くする)作用を出す
生のショウガに火を通し 胃腸を温める働きをする
(生では冷やすが温めると温性が増し温めてくれる)

 液体に浸してやわらかくする

白きくらげ きくらげ 干ししいたけなどを水につける
ワインや日本酒などに クコの実をつける
甘酢 ニンニクをつける  など

 食材の形状を変化させて治療効果を高める

牡蠣の殻を砕き、効能を抽出しやすくする ゴマをすり、吸収しやすくする
効能が均一に抽出されるよう一定のサイズに切る など

 

火を使った処理

煮る

毒性を減らし、刺激や渋みなどを取り除く
(あく抜きをするなど)

熱湯で下ゆでする
肉などをネギの葉部分、しょうが 酒などと一緒に煮る事で臭みを取り除く(角煮などはその例ですよね)

蒸す

干し貝柱 ハスの実などは器に材料がかぶるくらいの水や酒などを入れて蒸し器で蒸して戻してから使います。

 

 

調理法

 

湯 (スープにする)

家庭で作られるのは土鍋でとろ火で煮るスープが多いです。
蒸しスープは先にベースとなる澄んだスープを作ってから
素材を加えてふたのついた器で蒸すこともあります。
これだとスープが濁らず風味を封じ込める事が出来ます。
スープにすると食材などの効能が溶け出るので
胃腸への負担が軽く薬膳に適しています。
お腹が痛くなったらスープにすると治りやすいですよね。

 

お粥

(米やモチ米などをベースに多めの水で炊いたもの)
米やモチ米を主食としている日本人の胃腸に合っています
『本草綱目』にも数十種類のお粥が紹介されています。
生薬などは袋に入れて一緒に炊くと見た目もきれいです。

緑豆とハト麦のお粥  暑気払いに

鶏肉とショウガのお粥 脾胃を補う

黒米と黒ゴマのお粥  肝と腎を補う

など

煮込む

器や土鍋などに食材と生薬 水を加えて煮込みます
生薬などは布やだしパックなどに入れておきます
強火で沸騰させたら アクをとってからふたをし
とろ火で2~3時間煮込みます。

ゼラチン質のものは長時間とろ火でゆっくり煮込む
食材の色や形を生かしたいときはじっくりするより
短時間で火を止めるという調理をします。

 蒸す

蒸しものは食材の栄養を封じ込める事ができ、また カロリーも抑えられ吸収しやすいので胃腸が強くない人に合っています。

 粉蒸 外側に粉をまぶして蒸す(もち米など)
包蒸 包んで蒸す)(ハスの葉など)

封蒸 容器に入れてふたをして蒸す

清蒸 食材をそのままの姿でさらにのせて蒸す

汽鍋蒸 雲南地方などでよく使われる

特別な形の鍋(汽鍋)で蒸す

 

炒める

調理時間が短く済み手軽、色々な料理に応用しやすい事が特徴です
ショウガやニンニクを使うことで食欲が増し美味しく食べる事ができます。

 


中医学なのでどうしても中国料理っぽく感じてしまうかもしれませんが
日本でも昔からおなじみの調理方法と言えます。
今はレンジで調理して楽になりますから蒸すも簡単になりました。
厳しい先生は「ちゃんと蒸し器でやんなきゃ」という先生もあるのですが
レンジやオーブンでも良いと言う先生もあるので
ハードルは下がって色々作ってみるといいかなと思います。
昨年から料理も復帰しましたから来る食材をどう調理するかで
悩ませますが おみそ汁を加えたことで体調が良くなっているなと感じているのでどの調理方法も1回は入れておくと体調がいいようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?