踏み出せなくて、おもい。
冬の時期は布団が心地いい。
暖かくて心地いい。
その分、布団から出られない。
夜、トイレに行きたくなるけど、出られない。布団から。
暖かくて出たくない。
この心地よさから出たくない。
でもスッキリしたい。とても。
あぁ、どうしたらいいのだろう。
あぁ、どうしたらいいのだろう。
ただ時が流れるばかりだ。
そして再び夢の中だ。
******
今日はなんだか事務所があわただしい。
午前中はあんなに穏やかに時が流れていたのに、
最近の荒れる天気のように、急転直下で狂いだす。
本部の対応指示が間違っていて、
そして我々は対応の修正を求められている。
でも、そのことを知らせる書面はどこか他人事だった。
こういうところが誤りでした。
でもその後の対応は各担当者の判断でお願いします。
どうするかはそちらで判断してください。
みたいな内容だった。
この内容に上司が赤らめた顔で食い下がる。
到底納得できないようで、
本部に説明を求め、そして2名やってくる。
上司は言う。
「もう誤りだったって結論が出てるんだから、その後の判断はそっちでお願いしますっておかしいでしょ。こういうところが確認不足で修正しなくてはいけませんでしたので、このように修正をお願いします、じゃないの?」
確かに。
「あとさ、こういうことがわかったら、わかった時点で、前もってこういうことがあったのでお願いするようになると思いますとか、事前に連絡してくれればいいじゃん!こんな紙切れ一枚で済むようなことなの?」
!!!
実は自分は前もって聞いていた。
担当者から、こういうことが発覚したので、修正お願いすると思いますと。でも、「そうなんですねー、わっかりました!」ぐらいで済ませていた。
まさかこんな大事に発展するなんて。
急に担当者の顔が見れなくなる。
なんかすごく悪い気持ちになる。
やばい。なんか申し訳ない。
ここで言い出すべきか。
「あ、あのー、一応、ワタシは事前にこういう案内が来ると思いますのでと、聞いていました。でもそのことは報告していませんでした。すいません。」
と、言うべきだろうか。
いやいや、
ここで言ったところで、もう収まるどころか、かえって火に油を注ぐことになりかねない。
担当者も怒られて、ワタシも怒られて、ついでに同席している担当者の上司も怒られてと、怒られるの連鎖が起きてしまう。たぶん。たぶんだけど。
そう思うと言い出せない。
いや、すいません。自分も一緒に怒られたくないという気持ちが強いです。
結局、いいたいけど言い出せない。
言った方がいいと思うけど言い出せない。
言い訳なんだけど。
いいわけないんだけど。
あぁ、どうしたらいいんだろう。
あぁ、どうしたらいいんだろう。
顔が自然とうつむく。
重い。心が重い。
収まるのをただ待っているのがつらいし、重いし、遅い。
早くこの場が収まって、終わってほしい。
そして事前に教えてくれていた担当者にこっそり謝りたい。
早く、早く。
もう、早くしてくれよ。
早く謝りたいんだ。
ごめん、と。