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1-3.納得を得ることが成果に繋がる

限りある研修時間を有意義に使いたい。

これは、講師も受講者も同じ想いのハズ。

なのに、一方的な講師の説明。
覚えることに忙しい受講者。

5分・10分と時間が経過するにつれ、一人脱落(つまらなそう)、また一人脱落(スマホいじり)と教室内が不穏な雰囲気に。

そうならないための方法あります。

一つの「ルール」を、知っているか知らないか。この差だけ。
知っていた方が得ですよね。

知らない講師がやらかす極端な例
知っている講師ならこうするだろうという例
そのルールを、自然な流れで実施できる方法

を、お伝えします。

オンライン(Zoom)では、どの機能をどのように使うと効果的かなども、今後の記事に書きますので、楽しみにお待ちください。


一つのルールを知らない講師がやってしまう例

例です。ITリテラシー初級の研修。講師がショートカットキーについて、受講者に次のテキストを見ながら説明しているシーンを書きました。

テキストの例

講師:「テキストに記載されている、ショートカットキーの中でも、重要なところ、お伝えしますね。細かいことはテキストに載っていますから、必須なものをここで覚えましょう。」
受講者:(心の中で)こんなにたくさんのショートカットキーを覚えたほうがいいのかなぁ?

講師:「まず、Ctrlキーを押しながら、英語のCのキーを押すと、コピーになります」
受講者:(心の中で)それは知っている。

講師:「次に、Ctrlキーを押しながら、英語のVのキーを押すと、貼り付けになります」
受講者:(心の中で)それも知っている。

講師:「次に、Ctrlキーを押しながら、英語のXのキーを押すと、切り取りになります」
受講者:(心の中で)ん、この流れが続くのか?

講師:「次に、Ctrlキーを押しながら、英語のZのキーを押すと、元に戻すになります」
受講者:(心の中で)・・・テキストを見ればわかる事だよなぁ。

講師:「次に、Ctrlキーを押しながら、・・・・・(受講者はもう聞いていない)」
受講者:(心の中で)なんか飽きてきたな。


【筆者より】記事を読んでくれているみなさんも、飽きてしまったようですね。すみません。ひと踏ん張りして、続きも見てください。

一つのルールを知っている講師が行う講義

例えばの話としてのつづき。

先程の講師の説明を、次のように行ったとしたらどうでしょうか。

講師:「ショートカットキーって、ご存知ですか?キーボード操作だけで色々と命令を出すことができるとっても楽で、使えるとプロっぽい技術です。細かいことはテキストに載っていますから、必須なものだけをここで覚えましょう。」
受講者Aさん:(心の中で)たくさんのショートカットキーを覚えたほうがいいのかなぁ?

講師:「Ctrlキーを押しながら、英語のCのキーを押すと、どうなるどうなるか分かりますか?すでに知っているかた挙手してください。」
受講者Aさん:(心の中で)これは簡単だ。[挙手]
講師:「あら、意外と少ないですね。これはコピーになります。」

講師:「Ctrlキーを押しながら、英語のVのキーを押すと、どうなるどうなるか分かりますか?わかる方、答えてもらえますか?挙手をお願いします」
受講者Aさん:[挙手]
講師:「はい、Aさん。お願いします」
受講者Aさん:「貼り付けです」
講師:「回答ありがとうございます。貼り付けです。拍手」
受講者Aさん:(心の中で)あーよかった。

講師:「では、少し難しいものを行きますよ。Ctrlキーを押しながら、英語のZのキーを押すと、どうなるどうなるか分かりますか?わかる方、答えてもらえますか?挙手をお願いします」
受講者Bさん:(心の中で)なんだろう?知らないなぁ。
講師:「どなたかいませんか?パソコンの操作で、あ!間違った操作しちゃった!というときに、この操作をすると、操作の直前の状態にもどります。さあ、何でしょう?」
受講者Bさん:(心の中で)ん、普段、マウスで操作する「元に戻す」のことかな?[挙手]
講師:「はい、Bさん。なんでしょう?」
受講者Bさん:「自信ないですが・・・。元に戻す・・・ですか?」
講師:「回答ありがとうございます。そうです!元に戻すです。みなさん拍手!あっヤバイ!と思ったらCtrl押しながらZです!覚えておいたら、かなりお得です!」
受講者Bさん:(心の中で)あーよかった。Ctrl+Zは元に戻すなのか。一生忘れないな。

(注意)10名を超える人数の場合は、挙手していないのに個別に指名して答えてもらうというのは、受講者にストレスを与えますので、別な方法を使いましょう。

なにを「ルール」と言っているか?

そこに至る経過で、「一つのルールを知っている」講師は、

受講生に「発言」させているのです。

人間の心理というのは単純で、
「自分で口に出して発言した事」は、自分で考えたことになり、それが良い事ですと寄り添ってもらえると、納得するのです。

ズバリ、講義で講師があれこれレクチャーするより、受講者が自分で考え、自分で発言していただく方が、「自分で考えた」こととなり、講義や研修後に行動に結びつきやすいのです

研修の中心的課題で、これだけは持って帰って実践してほしいという知識は、受講者自ら考えて発言していただくという流れを組んでください。

「発言」を導きやすいやりかた

スライドを活用する

発言していただく流れを作りやすいのは、スライドに仕掛けを作ることです。その一つの例がこちら。

発言を引き出すスライド例

スライドに、受講者に答えていただきたい箇所を空欄にしておいて、発言してもらう。この方法はスムーズで効果的です。受講者は必然的に頭の中で回答してしまいます。

このようにスライドに仕掛けを入れておけば、いざ本番、すっかり緊張して頭が真っ白になっても、このスライドが元の流れに戻してくれます。

グループディスカッションで発言していただく

10人を超える講習であれば、3人一組のグループ内で、話し合ってもらうことも検討してください。

(グループ内の人数が多いと発言しにくくなり、話し合いが活発になりませんのでご注意を!)
グループの人数の考え方については、「グループワークの効果」をご覧ください。

その講義の中で、受講者が教室になじんで楽しい雰囲気になった講習の最後の時間に、本当に持ち帰ってもらいたい知識について活発にディスカッションできれば、「受講者自ら発言する」が成立し、目的の「成果」につながります。講師として最高ですよね。

オンラインでのグループ演習は、「ブレイクアウトルーム」

リアル会場なら、グループディスカッションは机の配列を考えるだけですが、オンラインではどうでしょうか。

Zoomではブレイクアウトルームを使います。実際の操作方法などは、こちらオンラインでのグループワーク操作「ブレイクアウトルーム」)をご覧ください。

オンラインでのブレイクアウトルームは、受講者側の感覚では「閉じた空間にグループだけ」となります。よく話す方がリーダーとなってくれますが、その方の考えに賛同しないメンバーの方は、自分の意見が言えなくなります。

ブループ演習ごとにリーダー役を変化させる(たとえば誕生日順で回すなど)の工夫が必要です。さまざまな工夫もこちら(「グループワークの効果」)をご覧ください。


まとめ

「自ら考え発言していただく」ようにする。大切ですね。

納得感を得ていただくためには、他人が一生懸命、説得や説明してもダメなんです。外部からの力では「納得感」は得づらいのです。

自ら考え、行動する。この方法が一番、納得できる方法なのですね。

Youtubeなどの動画で、色々なノウハウを観るだけでは、ぼんやりとした理解ですが、その通りに実際に行動してみると、納得できる、腑に落ちる場面ってありますよね。

それと同じことです。

伝えたい内容の項目を削って、時間を作って、受講者自ら考え発言する時間を入れる。講師にとっては勇気のいる判断ですが、必ず効果は得られます。


プレミアムお土産

記事を読んでいただいたみなさま、ありがとうございます。

みなさまが、講師として登壇する練習、わたしが壁打ち相手になります。
一緒に練習しませんか?(スライドのレビューなどもしましょう)

希望される方は、次のフォームに必要事項を入力の上、送信ボタンを押してください。

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