睡眠負債が認知症の原因に
皆さん、こんにちは!
SARAスクール「心理・カウンセラーの資格」担当スタッフです。
前回、「睡眠負債による心身への悪影響」についてお話しました。
実は睡眠負債によって認知症のリスクが高まる可能性がある、
ということが論文で報告されているので、
今回はそのことについてお話したいと思います!
おさらいとして、睡眠負債というのは「眠りの借金」のことで、
一般成人では1日7~9時間の睡眠が理想といわれていて、
十分な睡眠時間がとれずに、毎日少しずつ睡眠負債が蓄積することで、
感情のコントロールができなくなったり、思考力が低下したり、
やる気が出なくなったり、免疫力が低下したりと、
心身にさまざまな悪影響を及ぼすのです。
さらに、睡眠負債は認知症の発症や進行に関与している可能性がある、
ということが近年の数々の研究によって示唆されています。
認知症の1つであるアルツハイマー型認知症は、
脳内で作られるアミロイドβというタンパク質が蓄積することが
発症の原因の1つと考えられていますが、
2013年にアメリカのワシントン大学が発表した論文によると、
睡眠負債によってこのアミロイドβの蓄積量が5.6倍になる、
との研究結果を発表しました。
アミロイドβは脳内の“ゴミ”として、
寝ている時に分解されて排出されるので、
睡眠負債によってこの分解・排出がうまく行われず、
脳内に蓄積してしまうとのことです。
また、認知症にはレビー小体型認知症という種類もありますが、
レビー小体型認知症についても睡眠負債によってリスクが高まるようです。
認知症は65歳以上の約7人に1人が発症しているという身近な病気です。
自分がならないとは限らないので、睡眠負債にならないよう、
しっかりと睡眠時間を確保できるようにしたいものですね!
ただし、寝すぎる人も認知症になりやすいといわれています。
一般成人の理想的な睡眠時間は7~9時間くらいですので、
この範囲内で寝るように習慣づけましょう!