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「物買ってくる、自分買ってくる」ー展示会the Attic 3日目
今朝の鹿児島は快晴!
昨日の夜降り積もった水気たっぷりの雪も、南国の元気な太陽の熱に溶かされてみるみる消えていきました。これが北国との違いでしょうか…
そのお天気もあいまってか、今日は多くのお客さまに会場のポランカにお越しいただきました。
服を作る材料にと、ボタンをシートで購入された方、初めて見るチェコのマッチラベルのデザインに惹かれて数枚買われた方、お花をいけようとイギリスのガラスのボトルを買われた常連さんに、コーヒーポットからコーヒーを注いでお客さまに飲んでいただきたいとポットとカップのセットをご購入になった方…
異国の蚤の市を回り、ひとつひとつ心に触れたものを鹿児島に連れ帰り並べては、新しい持ち主の元へと送り出す……23年間、そんな生業を続けてきましたが、お客さまと会話をしながら「なぜ、それに惹かれるのか」のポイントが重なるのを感じる時に、私は1番喜びを感じるような気がします。
夕方、お父様と一緒に来られた高校生のお嬢さん。
ご自分のお小遣いで、イギリス製のトランプ柄のトリオ(カップ&ソーサーとケーキ皿のセット)をご購入になりました。
4500円というお金はきっと、女子高校生にとってはかなり大きな額だったとおもいます。少し驚いていると、隣にいたお父さんが「推しグッズ買うのもいいけど、こういう買い物もいいじゃない」とおっしゃいました。
どなたか好きな芸能人さんとかいらっしゃるんですか?と聞くと「この子が好きなのはアニメキャラだから」とお父さん。アニメ好きの私は思わず何のアニメか尋ねてみると、ちょっとはにかみながら少年探偵が活躍する人気漫画のタイトルと推しキャラを教えてくれたのです。
それですべて納得!私もそのキャラクターが好きなので、トランプ柄のカップに惹かれたのもよくわかりました。
今頃お家であのトリオを眺めて、推しとの時間を楽しんでくれていたらいいなぁ…
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日本の民藝運動の要である河井寛次郎が残した
「物買って来る 自分買って来る」
という言葉。
ものを選び、それを買って自分のものとすること自体がその人の表現であり、買ったものの中に自分自身を見いだせるのだ、という風に私は解釈しています。
カップ1客、ボタン1個、燐票1枚との対話を楽しみ、「よし、連れて帰ろう」と決めるーーお客さまひとりひとりのそんな時間を共有できるのが嬉しくて、この仕事を続けているのだろうなと、改めて思った1日でした。
明日も、鹿児島市名山町のギャラリーポランカにてお待ちしています。