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引きこもり、美術館を満喫する
最近アートにハマってる。歴史を勉強したり、現代で出品されているアートを漁ったりしている。
美術館に行ってみたいと思った。調べ方がよくわからなかったから、とりあえず京都 美術館で検索して出てきたところに足を運んでみた。
行ってみると、 チケットが売っていたので買ってみた。どうやらこのチケットで、甲斐荘楠香作品の展示会と、コレクションギャラリーなるものが見れるらしい。
チケットを渡された時、「美術史見ていく中で、日本画はなんかダサいなと思ってたんだよな。抽象画とか印象派の画家とかが良かったな」とか思ってしまったんだけど、予想外に楽しめたし、気づけば3週くらいぐるぐる回っていた。
甲斐荘楠香展示会
甲斐荘楠香は、歌舞伎と女装が好きで、美術界で「異才」とか「鬼才」とか呼ばれる人だったらしい。綺麗な女性の絵も書くけど、醜くてグロテスクな女性の絵も書く。
正直、昭和の女性の髪型ってクソダサいよな〜とか思ってたんだけど、こんなに綺麗に書かれたら好きになっちゃうじゃん…と思った。色彩やインパクトがネットで見るのと全然違くて、絵の世界に引きづりこまれるってこういう感じなんだなと思った。
デブの婦人の裸体がわんさか描かれた屏風があって気持ち悪かったけど、なんか芸術って感じだなぁ…と思ってじっくり見てしまった。人間って気持ち悪くてグロテスクなものを見たいって気持ちもあると思うんですよね。甲斐荘楠香は、これが昭和のエロや!と思って描いたのかもだけど。
作品展示が終わり、最後には、当時流行った着物や、歌舞伎の映画が展示されていた。1950年頃の映画だったかな、当たり前だけど今と作りが全然違うね。 日本の特色である刀、歌舞伎、着物などの文化は、主に昭和時代に培われたものなんだと実感した。
美術館は、やっぱりネットで見るのと全然違うと思った。例えば、作品の並べ方がキュレーターによって工夫されているので、見るべきタイミングで作品を見れるところが良いと思った。甲斐荘楠香はどんな絵を描くのかだいたいわかってきたところに、今までの作風と一風変わった作品を見ると、「おっ?」ってなって思わず立ち止まって、意味を考えたりできる。順番が違えば、立ち止まらずにスルーしてるかもしれないと思うと、ここが美術館の良さだなと感じる。
コレクション・ギャラリー
ここにはいろんなものが展示されていた。
リュイユという、フィランド伝統の織物が展示されていた。暖かみがあってオシャレだなぁという印象。ラグやタペストリーとして使われるみたい。
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謎のオブジェ。多分、リュイユや他の絵以外に飾るもの無くて空間が余ったから、適当に置いたんだと思う。 美術館において、1番立ち止まらなくていいやつです。
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他にも色々飾られていた。キスするマスクとその影(絵ではなく実物)、謎の映像が流れていたテレビ(その場のアートのシックさを演出していた?)、なんの加工がされているのか、めっちゃキラキラしてて綺麗な森の絵、イカつい額縁に閉ざされているありふれた風景画。
記憶に残ったのは、りんごやバナナなどの果物と白いゆりの花が書いてある絵。タイトルに「静的な」という文字が書かれていたのは覚えている。
果物の丸みと、カーブのかかったゆりが、とても合うなと思った。果物や花はよく書かれるイメージだが、それらを美しく、静かな様相で描いていて、思わず息を飲むような感じだった。
あとは、その辺に売ってそうな壺と、その辺に売ってそうな書道があった。(すまん、壺と書道はマジでわからんわ。勉強しとくね)
おわりに
ということで、人生初めて美術館に行ってみたの回でした。交通費ケチって河原町から片道30分歩いたから疲れました…。けどその分、京都の街を満喫できたし、良い観光になりました。
京都はオシャレな人が多いな〜と行く度に思う。今回は美術館に行ったわけだから、もしかして僕もオシャレなのでは?とか思って、謎の高揚感を感じたりしました。人生の楽しみ方の視野が広がった日でした。
疲れきっていたから、帰りの電車で、うんこ座り&頭抱え&音が出る深呼吸をしていて、軽く不審者なっていた。甲斐荘楠香の作品に心をえぐられ、魂が新しい心をつくるのに、一時的に体が抵抗している状態だった、ということにしておきます。これが自分流「ネオ・ポジティブ思考」です。精神疾患ニートは、既存のポジティブ思考を使うと必ず失敗するので、ネオを極めていくしかないんですよ。
既存の価値観をぶち壊す。アートとニートって似てるのかもね。一文字しか違わないし。