入社式の日 吃音で倒れかけた話
入社式の日の話です。
私は相変わらず自己肯定感が低くて、
「自分は絶対社会人としてやっていけない」
「迷惑をかける」
「無能だと思われる」
「見捨てられる」
など、不安でしかありませんでした。
入社式の前には、人事の方に「私は吃音症できっと迷惑をかけてしまいます。ごめんなさい」という感じのメールを送っていました。
本来であれば、社会人としてやりたいことに胸をときめかせるのかもしれないですが、私は「大災害が起きて、中止になれば良いのに…」と思っていました。そんな不謹慎なことを考えてしまう自分も大嫌いでした。
当日。
不安で押しつぶされそうになりながら出社しました。
最初に自己紹介と抱負を述べます。
もちろんまともに話せません。
なんとか終わらせましたが、この時点でメンタルはボロボロでした…
そして各部署に挨拶回りに行きました。
新入社員で一列になって、順番に自己紹介と簡単な挨拶をしていきます。
私の番。
もちろん声が出ません。
とにかく辛くて逃げ出したかったです。
泣きそうにもなりました。
偶然にも隣にいた同期が吃音のことを知っていて、小声で私の名前や挨拶の言葉を呟いてくれました。
誰かの後に続いたり一緒に言うと言いやすいことを知っていて、サポートしてくれました。
そのサポートのおかげで本当に助かりました。
そしてまた別の部署に移動し、また自己紹介と挨拶を繰り返しました。
サポートしてくれた同期には本当に感謝しています。
しかし同時に、激しい自己嫌悪にも襲われました。
「自分の名前も言えないなんて、社会人失格だ」
「同期にサポートしてもらって情けない」
「こんなんじゃ皆に迷惑をかけてしまう」
「自分は失望される」
挨拶回りが終わっても、ずっとその自己嫌悪が頭の中で渦巻いていました。
その後、部屋に戻り会社についての勉強を行いました。
しかしお昼あたりから体に異常が現れ始めました。
眩暈、動悸、過呼吸、手足の痺れ…
就活の時に救急搬送された症状と全く同じでした(下記参照)。
しかし私は
「自分の名前も言えない、役に立つことができない人間が、周りに迷惑をかけてはダメだ」
と思い、誰にも言えず、なんとか耐えようと我慢し続けました。
そして奇跡的にも何とかその日を乗り切りました。
しかし次第に症状はどんどん悪化していきます。
「なんとか家に帰るまでは…」
と思い、症状に苦しみながらも何とか電車に乗り、家に帰ることができました。
帰宅後は、すぐに玄関で倒れました。
本当に限界で、なんとか家に辿り着けた安心感からか、力が入りませんでした。
もちろん眩暈や動悸、過呼吸、手足の痺れはもうしばらく続いていました。
そして涙もこぼれてきました。
自己紹介も挨拶もできない自分、入社初日にこんなことになっている自分に嫌気がさし、悔しくて、涙が止まりませんでした。