見出し画像

電話を1本するために、1.5㎞走って国道沿いで電話した話(吃音)

大学1年のときの話です。

決まった言葉などを話すことがかなり困難だった私は、アルバイトをしてみたいと思っていても、「話せないから無理だ…」と行動に移せず大学入学からしばらく経っていました。
しかしお金の問題もあり、やらなくてはいけない状況に。
そこでネットでバイトを探し、WEBで申し込みを行いました。

数日後、応募したバイト先から電話がかかってきました。
しかしそこでは気付かず、数時間後に電話がきていたことに気付きました。

留守番電話に「折り返しご連絡お願いします」と残されており、とても絶望しました。

電話を受ける場合は「…はい…」ととりあえず言っておけばなんとかなるためまだやりようがあったのですが、こちらから掛ける場合は、名前や要件を伝えなければならない。
当然電話を掛けるのなんて無理で、まともに話せず無言電話になってしまうことが容易に想像できます。

私はとても焦りました。
電話できなかったらバイトの面接もできないし、なんとかしないと…

ほぼ確実に無言電話になってしまうのを打開しなければと考えました。
そこで思ったのは、
「運動後に息切れするくらい疲れている状況だと吃りにくい」
「騒がしいところだと吃音がまだマシになる」

ということでした。

その後はタイトルの通り。

国道まで約1.5㎞を全力で走りました。
国道を選んだのは、車通りが多くてうるさいためです。

そして息切れしている状態になっていざ電話を掛けようとするのですが、怖くて電話ができず。
そんなことをしていると体力が回復してしまい…
また近くの住宅街をぐるっと一周走り、また電話に挑戦して…
というのを何回か繰り返して、ようやく電話を掛けました。

しかし結果は惨敗で、全然喋れない。
片言で少しずつ伝えていったら、「あ~、ネットで応募してくださったサラリンさんですね!」となり、なんとか要件は済ませることができました。

それでも伝えることに苦労したこと、全然話せない自分への自己嫌悪で、電話が終わった後に自分の太ももを何回もグーで殴っていたことを今でも覚えています。

ふと思い抱いたので備忘録として書いてみました。

いいなと思ったら応援しよう!