インテリアデザイナーの引越し顛末記PARTⅡ-①
引越し当日
引越し当日は6時前に起きました。前日、夫と頑張って深夜3時まで片付けていたため、睡眠時間は3時間弱。
引越し屋さんの到着まで、あと8時間余り。
約束の午後2時まで、入れ代わり立ち代わり業者さんが来てくれました。
ピアノを運ぶ人、自動車を陸送する人、照明器具の取り外しと取り付け作業をする人、それぞれ専門職で分業です。
想像を超える勢いで、空間から
モノが消えていきます。
『忙中閑あり』
多忙を極める中にも、僅かな暇はあるものだ。Weblio辞書
引越しのさなか、会社から大至急見積書の修正を依頼されました。(予定は伝えています。)
多忙を極めるまさにその最中にです。
閑ではなく、忙の二乗です。
夫から落ち着いてと励まされながらも心がざわついているため、集中できません。
見かねた夫が、まだ箱詰め出来ていないキッチンを片付け始めました。
引出しに入っているものを取捨選択することなく、すべて入れておくからと言われました。
冷蔵庫を昨夜電源を落とす前に片付けたのも夫です。
キッチンも夫。
一番面倒なことを夫に任してしまいました。
人がどんどん増えていく
約束の2時、引越し屋さんが到着しました。
ドライバーをいれて3人、皆20代の細身の男子でした。
私が持つ引越し業界で働く男性のイメージが、CMに引っ張られていた(サンドイッチマンの伊達さんやまごころパンダ)ため、驚きました。
開始から30分で一階に積み上げていた段ボールは、すべて無くなりました。
重い箱を2個重ねた状態で階段を駆け下りていく姿は、外見とは異なり正にプロです。
「応援に来ました。」の挨拶と共に1人2人と増えていき、最終的には8人になりました。
同じ制服と帽子にマスクでは、ほとんど見分けがつきません。
皆一様に若くテキパキと気持ち良く動いていました。
桜に見送られる
6時間後、全ての荷物が運び出されていきました。
がらんとした空間、照明器具が外されているため、良く見えない部屋もありますが、家具が1つ運び出される度、広さを意識しました。
机上論ではなく、実体験として家具の部屋に占める割合は、30%を目安にすることを提唱していきたいと思います。
豊かな空間を、家具やものが奏でるノイズでいっぱいにしたくないとあらためて思いました。
引越しは、様々なことを考え、感じ、再認識する良い機会だと思います。
13年間、お世話になったこの街ともお別れです。
駅までの道をいつも以上にゆっくりと堪能しながら歩きました。
川沿いに満開少し前の桜が、花びらを幾重にも重ねています。
毎年目にする当たり前の景色でした。
夫と散歩に行く機会も殆どないぐらい、仕事と子育てにおわれていた13年間。
今、こうして夜桜に見送られながら駅に向かえるのは、幸せだと思います。
夜のうちに運び出された荷物は、明日の朝8時に新居に到着予定です。
また、怒涛の時間が始まります。
今、この瞬間こそが『忙中閑あり』かもしれません。