想いが伝われば、理想の家の8割は完成している〈2〉
インテリアに興味があり、
自宅を自らの手でおしゃれにしたいと思う方に
手に入れておくと役にたつ基本的なセオリー(理論)をご紹介します。
〜想いが伝われば、理想の家の8割完成している②〜
最近『大人の学び直し』が注目されています。
今、自らの意思で学びたいものを勉強することを
心地よく感じる人が増えている気がします。
さて今回は、『想いの伝え方』の続きです。
前回、理想の家づくりのためには、
はじめに、譲れないこだわりポイントを
伝えてくださいとお話ししました。
こだわりは、考え方のベース(軸)になります。
この軸をもとに、住宅雑誌やSNSなどを駆使して
情報を集め、伝え、共有することで、理想に近づく
アウトプットが引き出せます。
ただ、軸を見つけられない人もいます。
譲れない拘りポイントがわからない人もいます。
そしてそれは、当たり前のことです。
家を買うことは、人生に何度も経験できること
ではありません。
経験値もないのに、失敗もできない状況は、
ずしんと重い荷物を持たされた気分になると
想像できます。
理想の家の輪郭が、まだぼんやりとしているので
あれば、軸やこだわりを一緒に考えるのも、
想いを受け取る側の仕事です。
そのためには聞いておきたいことが、
いくつかあります。
今回は、その1つを紹介します。
家の中で一番心地よいと感じるのは、
あるいは感じたいのは、
どこで何をしている時ですか?
まず、この1項目だけをゆっくり考える時間を
とってください。
家族の意見を合わせる必要は、ありません。
あなたが一番くつろぐこと、心地よいと思うことを
考えてください。
理想の家の主役はあなたです。
ここから1つの例を挙げて、プランニングの
プロセスをご紹介します。
『あなたにとって、一番くつろぐ場所、
心地よいと感じる瞬間を教えてください。』
夫: 大画面テレビの前に置かれたソファ。
スポーツ観戦や時には海外アーティストの
ライブ映像を楽しむ。
そのまま眠ってしまうこともあるが、
それもまた至福の時。
妻: キッチン。
レシピの動画サイトを眺めながら、
献立を考えている時間が、この上なく楽しい。
ソファに座ってしまうと立ち上がることが
億劫になるため、1人過ごす時間は、
ダイニングテーブルで海外ドラマを楽しむ。
キッチン周りの家事全般が好き。
娘: 自室での勉強に飽きた時、皆が集まるLDKで
勉強をしたい。
街中のカフェのような騒がしくない程度に
ノイズのある雰囲気が自室より集中できる。
家族と適度な距離感が保てるLDK空間が
好き。
まず始めに、設計士と一緒にリビング、ダイニング
キッチンの大まかな配置を考えます。
大画面テレビを臨むベーシックなソファ配置案と、
リビングに集まった家族が各々の端末を使って動画
やゲームを快適に楽しめるソファのレイアウト案を
作成し、皆で話し合いながらプランを修正しながら
固めていきます。
リビングか決まるとダイニングとキッチンも
大枠が見えてきます。
それぞれのスペースに割ける面積も決まります。
今回は、リビングとキッチンスペースを充実させる
ため、ダイニングセットをキッチンカウンターの
延長線に並べ、コンパクトに一体化する計画を
考えました。
家族がリビングに集まり、存在を感じながら
それぞれの作業をする。
適度な距離感と家族だから醸し出せる圧のない
緊張感が混在する空間の完成です。
家の中で一番心地よいと感じるのは、
あるいは感じたいのは、
どこで何をしている時ですか?
理想の家に対するこだわりが、見つからない時、
自分に問いかけてみてください。
小さな引っかかりになります。
次回も引き続き『想いの伝え方』について
考察していきます。
テーマは『好きなものと苦手なもの』