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山登りの途中で出会った元日本兵の話

今日は思い出話です。
クローズドのSNSに書いていたものを、こちらに転載することにしました。

私は東京の西武線沿いに住んでいたので、小学生のころは家族でよく電車に乗って、秩父方面に登山しに行きました。
一番よく行ったのは、「正丸峠」と「伊豆が岳」です。
懐かしいな。

家族で下山中に、一人の男性登山客と一緒になり、世間話になりました。
その人は75歳ですが、とても元気で、毎年一人で富士山に登っているとのことでした。

「来年も一人で富士山に行くつもりです。連続10年登る予定ですよ」

「どうしてそんなに体力があって、健康なんでしょうか?何か秘訣があるんでしょうか」
と父が尋ねると、

「実は私、健康法として、何十年も砂糖を全く摂っていません」
と彼は答えました。

その頃、砂糖が体に害があるなどと、見たことも聞いたこともなかった小学4年生の私は、とてもびっくりしました。

「私は戦争中出征して、中国大陸にいました。そしてそこで赤痢にかかりました」

「ひどい下痢が続き、もう助からないと思いました。食料補給もなかったのです。しかし、行軍中にお腹が空いてきたので、地元の中国の農家に行き、食料を分けてくれるように頼みました」

「農家から、さつまいもの焼き芋を分けてもらえました。皮が黒くなって焦げていましたが、喜んで全部食べました。そうしたら、驚いたことに下痢が止まったのです。」

「その後帰国してから医者にかかると、医者から『あなたの体内には赤痢菌が残っている。もう一度下痢が始まったら今度こそ死ぬだろう』と言われました」

そして、それ以来ずっと砂糖をとらない、料理にも絶対に入れない、という生活を徹底したのだと言います。それが体調を崩さない秘訣なのだと。

「ずっと砂糖を食べないとね、料理にちょっと入っていても気づきますよ」

この話はもう何十年も前に聞いた話なのですが、私にとって衝撃的な内容だったので、未だに覚えています。

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