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AIが文章を書く時代 ―だからこそ求められる「ライターの仕事」とは

 副業の選択肢として、ライターを挙げる人は多い。しかし「この先、ライターの仕事はなくなる」とも聞く。AIが進化し、プロの作と遜色のない文章を量産するようになった今。執筆経験のない人たちが、ライター業に参入するのは愚策だろうか。
 いや、決してそうではない。AIが文章を書く時代になりつつあるからこそ、求められる「ライターの仕事」がある。

◆ 「ライター」は何をする人なのか

 ライター(writer)は、「書く(write)+人(er)」。その名の通り文章を「書く」のが仕事だ。
 ただ、自分の思うままに、なんでも書けばいいというわけではない。ライターは依頼された内容に従ったことを書く。依頼主が「届けたいこと」を「届けたい相手」に届くように書く。ライターは、文章で依頼主のビジネスに利益をもたらす人、とも言えよう。

 文章を書くには材料が必要だ。ライターは、書くための情報を集め、どう文章にまとめるか考える。何を、どのような順番で、どう表現したら読者の心に刺さるか。深く考察し、文章を構成し、綴る。

◆ ライターの仕事はAIに奪われるのか

 ライターが依頼を受けて文章を書き上げるまでには、それなりの時間を要する。しかし、AIは一連の過程を数秒という、とんでもなく短い時間で成し遂げる。特に、情報をまとめて文章化する能力は秀逸だ。人が書くよりもはるかに早く、文章を量産できてしまう。もはやライターは不要ではないか?

 否。AIが台頭しても「ライターの仕事」は、なくならないだろう。なぜなら、AIには書けない、人間だからこそ書ける文章があるからだ。

 AIは人間の代わりに創造性を発揮することができない。しかも、AIは肉体や感情を持たない。体験や考察に基づいて文章をつくることも、豊かな感情表現をすることも、できないのだ。いずれ、そういった弱点を克服するかもしれないが、今のところ、ライティングには人にしか書けない領域が存在す
る。

◆ これからの時代に求められる「ライターの仕事」とは

 ライターは、AIが生成した文章に、人間ならではの深みや温もりを加えることができる。自分の経験や思考を言葉で表現し、読者に働きかけることができる。情趣のある「人間らしい」文章をつくり、読者の心を動かすライティングは、生身のライターだからこそ為し得る仕事だ。

 経験を文章にするには、スキルが要る。スキルを体得するには、実践が要る。地道に研鑽を積むのも良いが、早道を行くには先達に指南を受けるのが賢明だ。
 先達ライターは、我々を受講者として迎え入れるため、何をどのように伝えているか。心動かされ、学ぶ意欲を喚起されるのは、どのような文章か。ライター講座の案内もまた、文章。学べることは多い。

 いつからでも、たとえ歳を経ていても、自分の文章で誰かの役に立つことができる。人生経験や、多くの知見を得た人だからこそ担える「ライターの仕事」がある。