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カニ人間に会いに、タイガーバームの楽園へ【シンガポール・ハウパーヴィラ篇】#スローバック紀行


みなさん、2020年は海外旅行を満喫できましたか?
ーーできていませんよね。冗談です。そんなに怒らないでください。振り上げたメリケンサックをおろしてください。

新型コロナウイルスの流行により、海外に行くことが制限されてしまってもうすぐ1年。フラストレーションが溜まっている方も多いのではないでしょうか。
私自身もそんな人間のひとりです。まさか丸一年、大好きな海外旅行を我慢することになるとは思いませんでした。そんな2020年の年の瀬を迎えるにあたって、ちょっとでも旅行気分を味わうために「#スローバック紀行」と題し、過去の旅を振り返ることにしました。読んでくださるみなさんも、ほんの少し旅行に行ったような気持ちになっていただると幸いです。
また、バックパッカーには決してなれなかったコミュ障で潔癖症の私が女一人旅をする中で、見つけたTipsも少しずつお伝えしようと思います。ワクチンをキメた暁には、一人旅に出たいけど、ちょっと勇気が必要かもと感じているヤングなガールズにとって、知見の蓄えになったらうれしいです。

※スローバック(throwback)・・・「振り返り」「再来」の意味です。欧米では、ロックダウン中の木曜日に過去の出来事を振り返り、Instagramに投稿をするThrowback Thursday(#tbt)が流行しました。

軟膏薬「タイガーバーム」の楽園へ

「#スローバック紀行」の一発目は2019年9月に訪れたシンガポールの「ハウパーヴィラ」です。
B級珍スポットとして名高いこのテーマパーク、かつては「タイガーバームガーデン」と呼ばれていたそうです。若い方はご存じないかもしれないのですが、スース―する「タイガーバーム」という名の軟膏薬がありまして、これで財を成した兄弟「ハウ(Haw)」さんと「パー(Par)」さんが1937年に建てた庭園(=Villa)が「ハウパーヴィラ」です。

シンガポールへは先輩とふたりで出張で訪れたのですが、写真を見せながら熱いプレゼンしつつお誘いしたところ、「私は大丈夫」と、あっさり断られ、一人で向かいました。「大丈夫」って便利な言葉ですね。
お昼前には仕事に戻りたかったため、開園の9時を目指し、地下鉄でいざ。

地下鉄

切符

シンガポールの市街地を走る地下鉄「MRT」は、路線も多く、主要な場所へは地下鉄の移動のみで済みました。変なおじさんもおらず、日本の電車より安全かも。
旅をすると、移動時間が長くなると思いますが、シンガポールでの移動はとにかく快適でした。配車アプリ「Grab」でもすぐに車がつかまり、どこへ行くにも、楽ちん。「Grab」は「Uber」と同様に、位置情報を確認しながら乗ることができ、おかしなことがあると通報もできるので、普通のタクシーに乗るよりは安心かもしれません。
仕事の合間に「マーライオン」「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」などの主要な観光地にも立ち寄ったのですが、交通の便は良いし、英語は通じるし、治安は良いし、気候も良いし、シンガポールは気楽な旅先としてとてもよかったです。物価は少しお高いけど!

さて、話を今回の目的地に戻します。市街地から30分ほどで最寄りの「ハウパーヴィラ駅」に到着。駅舎を出ると、もうそこには気の触れたトンチキワールドが。

入口1

アクセス良好で、決して立地が悪いわけではないのですが、

入口2

ガラガラでした。奥に人が見えると思うのですが、お客さんではなく、掃除をしている従業員の方です。朝からご苦労さまです。
私のほかには現地の方とおぼしきカップルが1組いただけでした。きっと5億年くらい付き合っていて、ロマンティックなデートスポットは行き尽くしたのでしょう。末永くお幸せに。

思想がわからんオブジェの数々

「ハウパーヴィラ」は、儒教・仏教のありがたい教えや古い伝説を広めるためのオブジェがたくさんあるらしい、そして「カニ人間」がいるらしい――という予備知識だけで訪れていました。
一角に「地獄寺」のようなコーナーもあり、部分的にはたしかに宗教的な要素もありました。

地獄

「地獄寺」とは、罪を犯した人間が地獄で罰せられている様子をオブジェにして、見た信者を怖がらせることで仏教が教えを説くお寺です。仏教が信仰されている東南アジア諸国によくあるようですが、往々にしてチープな仕上がりで、怖さがないのが魅力です。「ハウパーヴィラ」の地獄コーナーも、このような仕上がりでした。

ありがたい人

パークの奥には蓮に鎮座したありがたいお方もいました。
しかし、半分ほどは「ありがたみ」にとは無縁のオブジェの数々。

ニューヨーク

力士

自由の女神からの、力士
一部のオブジェには、何をモチーフにしているかの案内があるのですが、大半はこのように、何の意図かよくわからないまま存在しました。
何にでも説明を求めるのは、ググったら何でもわかる時代の弊害かもしれません。

ゴリラズ

普通のゴリラさんと、

パンダ先輩

ガンギマリのパンダさんですね。口元が赤いのは、お肉を食したからでしょうか。自我を破壊されたのか、自分が草食動物なのを完全にお忘れのようです。薬物は人生を狂わせます。絶対にやめましょう。

ニワトリ夫妻

こちらはニワトリ夫妻の痴話げんかでしょうか。手前の象と同じくらいの大きさですね。
この記事を読み終わるまで、「縮尺」という言葉を一旦忘れてください。

伝説

こちらも男女のいざこざっぽいですね。
面倒になってしまったのか、このように世界観が異なるオブジェが連なった伝説8点盛りみたいなコーナーもありました。境目が曖昧で、ポロシャツのおじさんのおとぼけシーンと魚おじさんの決闘シーンがフュージョンしてしまっているものも。

本屋

ついに出会えた、「カニ人間」

パークは入り口から緩やかな坂をあがりながら奥へと進みます。坂の頂上付近に、海のコーナーがありました。

海物語2

きれいなブルーですね。
何をモチーフにしているのでしょうか。「CR海物語」でしょうか。

海物語

手前で曲芸をしている3人はわりと無理をしているのか、表情がこわばっていて、いいですね。そして、その隣にいました。






カニ人間

「カニ人間」
見てください、この笑顔。この方が一体どういった経緯でこの姿になったのかは分かりませんが、しあわせそうです。しあわせの形は人それぞれです。よかったね、「カニ人間」。髪型も素敵だよ。

最後に、瞳孔全開のマスコット的なタイガーたちと写真を撮りました。周りに人間がおらず、誰にも頼めなかったので、床にスマホを置いて、タイマーで撮影です。

記念撮影

こんなにたのしめて入園料は無料でした。
シンガポールを訪れた際はぜひ。

最後に、目を疑うほど賑わっている様子が収められた動画を貼っておきます。驚きの「密」具合ですが、カメラに写ってはいけないタイプの人たちが写り込んでいるのでしょうか。普段は動画内にあるDJブースもないので、ご注意ください。

ハウ・パー・ビラ(Haw Par Villa)
アクセス:MRTサークル線 ハウ・パー・ヴィラ(Haw Par Villa)駅からすぐ
入場料:無料
出典:JTB

公式サイト:https://www.hawparvilla.sg/

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