『From now on with you. 』~ITO MIKU LIVE TOUR 2024"from now on"を終えて~
はじめに
2024/7/13(土)に行われた『伊藤美来 Live Tour 2024 "from now on"』の大阪公演に参加しました!大阪の前に名古屋、仙台と行われていたのですが、どちらも金欠で行けず。大阪の2日後に行われた千秋楽の東京公演も同様。気持ちだけは全通してます。悔しいです。力(金)が欲しいです。学生は辛いよ。
かなり前に書いた自己紹介で、「好きなモノが沢山ある」という風に書いたのですが、そのひとつでもあるのが、声優アーティストの伊藤美来さんです。
ファンになってから、4年ちょっとのペーペーなのですが、前回のライブツアーの参加から、約1年とちょっと経ち、久しぶりに参加した今回のライブで感じ取った事を、ここに記せたらなと思います!
全て個人的な感想、解釈です。また、うろ覚えだったりする箇所もあるので、情報が正確では無い場合もございます。ご容赦ください。
"声優アーティスト"としての伊藤美来
伊藤美来さんは、今年の2/26に声優としてデビュー11周年を迎えられ、12周年目最初のシングルとして、12thシングル『Now On Air』をリリースされました。このツアーは、11thシングル『点と線』と共に、この2枚のシングルを全体のコンセプトとして引っさげ、"声"と"夢"をテーマに掲げられていことがライブ中のMCでも語られていました。
どちらのシングルもアニメタイアップの楽曲ながら、彼女のアーティスト性に寄り添った、"声優アーティスト"という肩書きに寄り添った内容になっていたと思っています。
このツアーでは、旧譜の楽曲からは、歩んできた11年間(※アーティストとしては8年目ですが、ここでは表現者として歩まれた日々として、11年間と表現させて頂きます。)の"until now on"を、そして2つの楽曲と、幕開け、幕間そして幕引きで流れた映像からは、声優アーティストとしての"from now on"を照らし出していました。
ライブの構成について
今回のライブツアーのセットリストは以下のようになっていました。間違いがあった場合訂正お願い致します。
19曲目以降は、アンコールで披露された曲を公演順に載せています。また、この記事では、前回のツアー以降にリリースされた楽曲を新譜、それ以前の楽曲を旧譜とさせて頂きます。
ライブ全体の構成としては、オーバチュアから幕開けの映像が流れ、そこから1曲目『Now On Air』が披露されました。以降3曲毎にMCが入り、ちょうど折り返し最初の10曲目『点と線』の前のみ、MCの代わりに幕間の映像が差し込まれていました。
ライブに行かれた人みんな言ってますが、セトリめちゃくちゃ良いです。全体的に、ツアーのテーマである"声"と"夢"にまつわる楽曲が多めで、過去の自分を表現する『あお信号』や、周りを気にしない、自分らしさを強く謳う『Oh my heart』など、テーマに付随してくる楽曲たちも良いアクセントになっていました。ちょこちょこ挟まってくるラブソングも最高です。楽曲の話は、また後ほどしたいと思います。
ステージのセットは、大型のディスプレイがステージ後方に、ステージ上には可動式のディスプレイが2枚設置されていました。楽曲ごとに各パネルに楽曲に沿った映像が流れ、ダンサーさん達が2枚のディスプレイを活用して、ステージの表情を彩っていました。ライティングの演出も多彩で、キラキラとした衣装に光が反射して、とても綺麗でした。後半の衣装のスリットめちゃくちゃ良かった……。
今回のステージは、前回までのライブツアーと比べて、ステージが回転したり、炎が上がる演出などの大きな舞台装置が無く、かなりシンプルなものになっていたと思います。ですが、映し出される映像とのシンクロしたパフォーマンスは圧巻でした。
また、幕開けに流れた映像では、マイクの前に立ち、台本を手に持って読み上げる伊藤美来さんの姿が映し出されていましたが、めちゃくちゃ良かったです。J-POPのアーティストには出来ない演出だと思います。声優アーティストだからこその演出。楽曲だけでなく、こういったところでも色んな表情の"声"を届けて下さる。開幕から一気に惹き込まれました。
11年間を辿る"until now on"
まず始めに、旧譜の楽曲たちから、伊藤美来さんの「これまで」について、ライブの感想を交えながら触れていきたいと思います。「これから」があるということは、当然「これまで」がありますからね。1曲ずつ語りたいところではありますが、そうするとめちゃくちゃ長くなるので、幾つかピックアップさせて頂きます。ご容赦ください。
『all yours』
3曲目にいきなりぶち込まれてきて普通にびっくりしました。ライブで聴くのが本当に楽しい楽曲です。クラップするか、ペンライト振るか、慌てちゃう感じも好きです。
『クラップを鳴らせば 心通い合う』
1人でライブに来てる人も、友達と来てる人も、恋人と来てる人も、みんな手を鳴らして1つになる。ライブの醍醐味を味わえるのも本当にポイント高いです。
初めてファンの方々と制作されたこの楽曲は、作詞が伊藤美来さんなのもあって、とても我々に寄り添ってくれる楽曲になってます。そういった意味でも、この楽曲は伊藤美来さんとファンを繋ぐ「架け橋」のような存在。昨年10月に満を持して立ち上げられたファンクラブの名称に、このタイトルが使われたのは、チーム伊藤美来側との解釈一致したみたいで本当に嬉しかったです。伊藤美来さんの「これまで」、そして「これから」を語る上で外せない楽曲です。
『ワタシイロ』
なんなんだこのセトリ。初速どうなってるんだ。
最初からクライマックスとは聞いてたのですが、ここまでやってくると思ってなかったです。このあと『トロイメライ・ミライ』ですよ?何してんの?
それはさておき、ともかく最高でした。ペンライトの光と共に楽しめるのが、この曲の真の魅力だと思います。
僕は、2021年のツアーから毎年参加しているのですが、当時はコロナ禍なのもあって、規制が色々と厳しく、Cメロの『OK』を声に出せませんでした。心の中で叫びながら、リズムに合わせて大きくペンライトを振りました。とても歯痒い思いをしたのを、今でも覚えています。だからこそ、今はライブで言える嬉しさをしっかり噛み締められています。
また、この曲で伊藤美来さんを知ったので、声優アーティスト 伊藤美来の代名詞的な存在だと思っています。自分にとって伊藤美来さんと言えばこの曲、って感じです。これは、人それぞれ違いがありそうで、それもまた面白いところだと思います。
1stアルバムのリード曲ですから、「これまで」を沢山彩ってきた大御所ですよもう。
『傘の中でキスして』
めちゃくちゃ好きなんですこの曲!!!!
『伊藤美来 Live Tour 2022 "What a Sauce!"』での傘を持ってダンスする演出もめちゃくちゃ好きなんですけど、今回のモノクロのフィルムで踊る男女2人の映像と、シンクロするパフォーマンスも良かったです。サビの『サックスの音聞こえたら』でちゃんとサックスの音が入ってくるなど、丁寧な作りがお気に入りです。
後述する『パスタ』のc/w曲なんですけど、この曲も「これまで」を語る上で外せない1曲だと、僕は思ってます。『パスタ』のシングルはA,B面両方で「視点の転換」が印象的な1枚です。『傘の中でキスして』では、伊藤美来さんの楽曲で初めて男性視点が持ち込まれました。
この曲もそうですが、後に披露された『ルージュバック』や、今回は未披露ですが『Plunderer』のc/w曲である『hello new pink』など、落ち着いた大人の雰囲気が漂うラブソングは、ライブで聴く時、伊藤美来さんが歳を重ねる度に色気を増していってるのも素晴らしいです。
また、『恋はMovie』や新譜の『らびちゅ』など、キュートでポップな楽曲たちも、これらの楽曲とギャップが生まれることでより味わい深くなっていると思います。
『あお信号』
「これまで」の伊藤美来さんを表現するのに1番適していると言っても過言では無い楽曲だと思います。
『傘の中でキスして』で雨を降らせて、曇り空の『あお信号』に繋がるセトリの流れもとても良いです。この後が『あの日の夢』なのも最高ですね。
『こんな私だけど 見つけてくれた』
全体的に、当時の自信の無さや未来への不安が垣間見えます。初めての作詞で、少し後ろ向きな内容のものを書かれるのも、かなり人間味を感じられて好きです。最後には前を向いているところも。ここから青信号を進み始めて、色々な事を経験した少女が、厚い雲を抜けて自分だけの空を表現する『Good Song』を書く。という文脈もめちゃくちゃ素敵です。東京公演のダブルアンコールで『Good Song』が披露されたみたいで、もう本当に羨ましいです。血涙ですよ。
『パスタ』
この曲の発表当時は「パスタが好きだから、パスタの曲作ります!」ぐらいのノリだった気がするんですけど、この曲を披露する直前のMCで「難しいことも大切だけど、簡単なことも大切。」「簡単なことを選ぶ勇気。」と語られていたのが、とても印象的で。それを表現する題材でパスタ持ってこれるその感性。脱帽ですよ。正直言われるまで、「簡単」のワードに特に引っかかっていなかったので、自分の感受性を疑いました……。
『傘の中でキスして』でも書いたのですが、このシングルは「視点の転換」が意識されてると思っていて、ここでは「パスタの視点」なんですよね。伊藤美来さんの作詞曲はこれまでのものだと、伊藤美来さんからファンへという、主観からのものが多かったのですが、まさかの「パスタ視点」ですよ。
『満腹って幸せ 心に巻きついてくの』
ラスサビの歌詞なんですけど、パスタがモチーフだからこその表現なのですが、とても丁寧で可愛らしくてお気に入りです。
また、今のところ唯一作詞曲両方手掛けられてる曲でもあるので、ディスコグラフィーを遡ってみてもかなり重要な曲です。今思うと、だいぶ複雑な事してるのに、メッセージとしては「簡単って大切」が込められているのめちゃくちゃ深いです。
『No.6』
今回のセトリの〆でしたね。様々な楽曲で"声"と"夢"、そして"未来"について歌ってきた最後の最後に、『ちょっとだけいい明日』を示してくれるこの終わり方。シャレオツです。
当時、発表済みにも関わらず楽曲の持つ世界観が個で成立し過ぎてるという理由で『This One's for You』に収録されなかった『No.6』ですが、ライブで聴くとよりその力強さを感じます。
僕は、堪らなくジャズサウンドの楽曲が好きなのですが、この曲もそれはまあツボにハマってまして。あまりというか、全くフェス系のイベントに行かないので、生バンドの演奏でこの楽曲を聞いた事が無いのが悔しいです。いつか、楽器隊を引き連れてツアーやって欲しかったりします。間奏のベースのかっちょいいスラップや、高らかに鳴ってるブラスサウンド、生で聴きたすぎます。
新譜から捉える"from now on"
ここからは、前述の通り、このツアーの核とも言える『点と線』『Now On Air』の2曲から、伊藤美来さんの"from now on"について考えていきたいと思います。
『点と線』
最初に聴いた時、楽曲のテーマとして、"声"を持つ1人の人間と、その"声"をもう1人の人間とを繋げて、線にする。「表現者」と、その「受け手」の関係があると思いました。会話やコミュニケーションといった「話者と話者を繋ぐやり取り」なんかもこれに沿ってるかと思います。
余談ですがタイアップ作品に寄り添った、星々という点を線で繋ぐことで生まれる「星座」の存在だったり、点と線のみで相手とのコミニケーションを可能にする「モールス信号」が楽曲に取り込まれているのも非常に面白いです。
この"声"を以て、受け手との繋がりを生むという一連のシークエンスは、声優であり、アーティストでもある伊藤美来さんに非常にピッタリだと思います。
生で聴いたのは2回目だったのですが、会場が神秘的な雰囲気にガラッと変わる感覚は堪らないです。
幕開けや幕間、幕引きの映像でもモールス信号が用いられていたので、この楽曲の持つ世界観が、ライブ全体に浸透していたように思えます。
『Now On Air』
次に『Now On Air』ですが、どこまでもどこまでも形を変え続けていく"夢"の途中にいる現在の「私」が、時に見失いながらも、"夢"の先にいるであろう未来の「私」に向かって進み続ける、といった内容を描いています。
歌詞中に登場する「君」という言葉は、傲慢かもしれませんが、我々ファンの事を指しているのだと、僕は思っています。
11周年という大きな節目を迎え、改めて、これからもファンのみんなと共に歩んで行こう。そんな決意を示す楽曲だと思っています。
初めて生で聴いたのですが、短めの曲ながらアップテンポで進んでいく楽曲なので、めっちゃノリやすかったです。
『この声が終わるまで 君に伝え続けるよ』で始まるライブ、最高ですよね。幾らでも聴きたいです。伝えて欲しいです。
"from now on with you"
この2曲から、「人を繋いで結ぶ」ということ想起させられました。伊藤美来さんとファンだったり、ファンとファンだったり、そして、現在の伊藤美来さんと未来の伊藤美来さんだったり。時間や場所を超えて誰かと誰かを繋ぐこと。みんなで繋げること。
"声"を生業とする声優、そしてアーティストとして歩んできたきた11年間。
今までのように、「私」は「私」のまま、ファンのみんなと、「私」と「君」という、それぞれの点をひとつの線で結んで繋いでいく。"声"を届けていく。「君」から「あなた」へ。色んな人が繋がって、みんなでひとつになる。
遠い未来の、"夢"の先の「私たち」に向かって歩んでいく。
「あなた」と歩んでいく"from now on"。
そんな強く、眩い決意を感じ取りました。
さいごに
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます。自分でもこんなに書くつもりなかったのですが、書いてるうちにあれやこれやと色々浮かんできてしまって……。これは書いてないのですが、今回のツアーで1番ハマったのが『空色ミサンガ』なんです。コーラスの部分をみんなで歌う楽しさと言ったらもう最高だった訳なんですけど、長さ的に割愛しました……。あと『On my heart』とかも触れたかったですね。去年のライブで株が爆上がりした曲だったので今回も聴けて嬉しかったです。
ライブの感想というよりも、楽曲の解説的な部分が目立つのも、文章書くの下手くそだなと思います……。
ただ、やっぱり初めてこういった1つの記事に自分の意見や気持ちを書き込む、という体験はめちゃくちゃ楽しかったです。また気が向いたら好きなモノについて書いてみたいと思います。
この感想を読んで、ライブを思い出したり、伊藤美来さんやその楽曲に興味を持ってくださる方がいれば幸いです。