妊婦の検索履歴
まったく、悪しき習慣だと思う。
分からないことは、すぐgoogleに訊く。
考えるということを、すっかりしない。
疑問があれば立ち止まり、まず自分の頭で考え、ネットの雑な情報ではなく、出どころのはっきりした信頼できる資料を当たってだな……
ってね。頭ではわかっているのです、頭では。
でもねー、調べちゃうよね。
いや、あれを「調べる」なんて言っちゃいけない。
若者の言葉を借りて「ぐぐる」だ。あれは「ぐぐる」。
「調べる」なんて言ったら「調べる」に失礼。
スーパーなんか行くと、「〇〇(食べ物) 妊婦」で一気に検索履歴が埋まる。
もう、最近のわたしの検索履歴、8割が「○○(食べ物) 妊婦」。その他も「妊娠初期 銭湯」「妊娠中 カニカマ 食べてしまった」「赤ちゃん 父親 rh-」「赤ちゃん マンション 泣き声 対策」「赤ちゃん取り違え 現在」等々、妊婦&赤ちゃん関連で埋め尽くされている。
しかしねえ、カニカマにしたって、「妊婦は食うな」って言ってるひともいれば「いや、カニカマは大丈夫っしょ」と言ってるひともいて。
まあ、そういうときは「カニカマ食べんでも死ぬわけじゃなし、少しでもリスクがあるならやめとくか」ってなるんだけど、いや、実際そうなんですよ、そんなに死ぬほどカニカマ食べたいわけじゃないし、全然我慢できるんだけど、でも、「ネットのあやふやな情報に振り回されてカニカマを食べるのを止めた」ことに、若干のひっかかりを覚えるんだよねえ。
あれを食べるな、これを食べろに振り回されて揺れる妊婦心。
いや、いいんですよ、食べるなと言われれば食べないし、食べろと言われれば食べますよ。大切な我が子のためだもの。
でもそれって、本当に自分の頭で考えてる?
自分ひとりで考えたってわからないことだらけだから専門家と呼ばれるひとがいて、そのひとたちの言うことは聞くべきなのかもしれないけれど。
じゃあ、「自分で考える」ってなに?
お子よ、母はきみに「ちゃんと自分の頭で考えて、決めて、行動できるひとになってほしい」なはんて思ってるけど、その母は「自分で考える」ってことが分からなくなってきてるよ。
あぶねー。