遠くへ行った恋人を訪ねて(後編)【物語と現実の狭間(3)】
前編はこちら。
誰とも共有できない、したくないことがある 実はそのとき、わたしはかなり派手めな失恋をしたあとだった。立ち直るのに半年はかかったし、彼女の話を聞いて勝手に感情移入したのにはそういう背景がある。
でも背伸びをしてみても、"解ったような顔をする勘違い迷惑ばか"にしかなれなかったんだろう。あのときからさらにそこそこ、いろいろなくしてきた今ならこう思えるのに。
ひとには誰とも共有できない、したくないことがある。
ならそもそも話すなよ、と言うひともいるかもし