おおぐま座にまつわるお話まとめ
星の勉強をしていると、いろいろな星のお話に出会います。
人から聞いた話、プラネタリウムで知った話、本で読んだ話、いつの日かネットで見た話。
語る人が違えば、お話の結末も少しずつ変わってきたりなんかして。
本記事では、今までに出会ったお話を整理するため、話のテーマを「おおぐま座」に絞ってまとめています。
自己学習のために作成した記事ではありますが、どなたかのお役に立てたら嬉しいです。また、もし知っている話と違う場合は、その違いを楽しんでいただけましたら幸いです。
1. おおぐま座とは
おおぐま座は、88星座の中で3番目に大きな星座で、おおぐまの背中からしっぽにかけて並ぶ7つの明るい星、北斗七星が印象的な星座です。
おおぐま座の見頃は春ですが、北の空にあり日本からはほぼ1年中見ることができるため、古くから季節や時間、方角を確かめるのに使われてきました。
ちなみに、88星座内で星座を大きい順に並べると以下のようになります。
いずれも春に見頃を迎える星座であることに驚きです。
2. おおぐま座のギリシャ神話
ギリシャ神話では、おおぐま座は森の妖精カリストが姿を変えたものだと言われています。
カリストは、月の女神アルテミスの侍女でしたが、大神ゼウスに見初められ息子アルカスを授かりました。ところが、ゼウスの妃である女神ヘラは夫の浮気に怒り、カリストに呪いをかけ熊の姿にしてしまったのです。悲しみに暮れたカリストはひとり深い森の奥へと引きこもり、残された息子アルカスは他の妖精に育てられました。
十数年が経ったある日、森の中で狩りをしていたアルカスは、熊の姿をしたカリストに出会いました。カリストは成長した息子との再会に嬉しくなり駆け寄ろうとしますが、アルカスには大きな熊が襲ってくるようにしか見えません。アルカスは近づいてくる大熊が自分の母親とは夢にも思わず、カリストに矢を放とうとしました。
一連の流れを空の上から見ていた大神ゼウスは慌ててアルカスも熊の姿に変え、ふたりを空に投げ星座にしたと言われています。このとき、母カリストはおおぐま座、息子アルカスはこぐま座として空に上げられ、今でも仲良く北の空で過ごしているのだとか。
また、アルカスの狩人の姿はうしかい座のモデルにもなっているそうです。
3. アメリカ・インディアンの神話
アメリカ・インディアンの神話では、おおぐま座の一部である北斗七星の部分のみを熊に見立てています。
昔々、森の中に1匹の熊が暮らしていました。しかし、とある月明かりのない暗い夜、家に帰ろうとした熊は道を間違えて森の奥深くへと迷い込んでしまったのです。
熊が誰もいない森の中を彷徨っていると、どこからともなく話し声が聞こえてきました。不思議に思った熊が辺りを見回したところ、なんと森の木々たちが歩いたりしゃべったりしているではありませんか。驚いた熊は走りまわり、大きく暴れました。
すると、森の大王であるカシの木が熊のところへやってきて、暴れる熊をつまみ上げました。しかし、熊があまりにも激しく暴れるので、カシの木はそのまま熊を空に投げてしまったそうです。そして、天に引っかかった熊は星座になったと言われています。
さいごに
最後までお読みくださりありがとうございました。
それにしても、遠いギリシャとアメリカで同じ星を同じ星座として考えていたなんて、「ロマンチック」のひとことで片付けてしまっては物足りないくらいに不思議です。おおぐま座の他にも似たような星座があるのか気になってきました。
今後もたくさんの星のお話と出会えるのが楽しみです。
参考
・沼澤茂美、脇屋奈々代『美しい星座絵でたどる四季の星座神話』誠文堂新光社、2014年
・藤井旭、安延尚文『これだけは知っておきたい(35)星と星座の大常識』ポプラ社、2006年