憩いの場所さら💖🍀カフェ第二章~自己紹介前編~
「一番端に座ってる、九州の熊本から来たたなべっちさんから順番に時計回りでいきましょう! ではどうぞ」
「え~と九州の熊本県から来ました。え~とたなべっちと申します。え~と僕はエルレガーデンと言うロックバンドが好きで、主にエルレのファンアートの絵を描いてます。ずっとアナログで描いていたのですが、今年に入ってからデジタル画も始めて、今日ここに来ている、ミクさんに時々DMで教わって描いたり、来れる時は、ここのさらカフェで教えてもらったりしてます」
たなべっちの口からミクの名前が出た瞬間、私の心にまた嫉妬の感情がじわじわと湧き上がってくるのを感じていた。
ミクの方に目をやると、なにやら勝ち誇ったような態度に余計ムカついてくる。
すると、くるりんさんが視聴者の皆に向けて話しかけていた。
「たなべっちさんは丸メガネが特徴な細身でシュッとしていて、もう周りの女性が放っておかないくらいのイケメンさんでいらっしゃいますが、エルレガーデンの大ファンで推しへの愛溢れる絵を描かれているので、視聴者の皆さんも良かったら拝見しに行ってフォローなどもお願いします」
そして次は、私の番だ。
今の今までミクに対しての嫉妬心でいっぱいな感情から一気に、今度はドキドキ感でいっぱいになって来た。緊張のあまり強張った顔になっていたかもしれない。顔の筋肉が思うように動かない中、私は自己紹介を始めた。
「え~私は静岡県から来た沙良と申します。主に鉛筆画と色鉛筆画のファンアートで推しのブルーエンカウントって言うバンドの絵を描いてます」
すると名司会者のくるりんさんが、私の話を広げ始める。
「沙良さんの描かれてる絵の中に丸メガネの方が居ますが、隣に座ってるたなべっちさんに雰囲気が似てるような気がしますが、あっ、同じような丸メガネかけてるから似てるような気がするのかな? あははっ」
そこ、皆の前で触れなくても良いですから、ミクも見てる目の前でと私は隣に居るたなべっちに聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でボソッと発した。
「そう言えば、沙良さんの描く絵なんとなく僕に似てるなぁ~って前から思ってました。って僕はそんなにイケメンじゃないですけど」
たなべっちが頭をかきながら照れ笑いしているようだった。
私は心の中で、もうくるりんさん余計なこと言わないで~!!!と叫びながら、斜め前のミクと目が合ってしまった。
目が合った瞬間の、あの目が焼き付いて離れない程、脳裏に残るくらい鋭い目で私を睨んでいるのがわかる。
できればこのオフ会は楽しい雰囲気で過ごしたいと思っているし、争いごとは基本嫌いな私。
なるべく穏やかにいきたいところである。
「あっ沙良さんもたなべっちさん同様に推しへの愛溢れる絵を描かれているので拝見しに行らして、え~良かったらフォローの方宜しくお願いします」
だから~くるりんさん、もうたなべっちの名前出さないで~と心の中で呟いていた。
「くるりんさん、はいはい次は私の番でしょ! 自己紹介するわよ~」
すると隣に居るみぃちゃが気を利かして、話を違う方向に持って行ってくれた。心の中で『ありがとう!』そう呟いてる自分が居ました。
そしてお次は私の憧れの女性みぃちゃの番だ。
「名古屋から来ました。えっと~名前はみぃちゃと申します。風景画を主に描いているのですが、色鉛筆で描いたり水彩で描いたりしています」
「えっと、みぃちゃさんは、とっても素敵な風景の絵を描かれていらして、もう心が洗われるような絵ですから、私のような汚れた心も綺麗になるくらいの絵なので、あははっ、皆さんも良かったらフォローの方お願いします」
相変わらず視聴者皆の笑いをかっさらっている名司会者くるりんさん。
ただ、たまに今そこで言わなくても良いよ~的な発言もあるので、そこだけが玉に傷なのだが。
そしてお次は、みぃちゃの隣のトッチーの番である。
「僕の名前はトッチーで大阪から来ました。えっとデジタルが専門でいろんな有名人の似顔絵を描いてます」
トッチーは大阪の人で、デジタル画で有名人の似顔絵を描いてる人だけど、デジタル画を習いたいなら覚えたいなら、トッチーでも良くない?なんで、よりによって、ミクなの?なんて思いながらトッチーの話を聞いていた。
司会者は飛ばして、お次は未来の番だ。
「私は神奈川県から来た未来(みらい)と申します。趣味で小説を書いていて、その小説の中の挿絵なども描いたりしています」
「え~未来さんは、なんと小説なども書かれていて、その中に使う挿絵なんかもご自分で描いているそうなので、良ければ小説を読みにいらして下さいね。そしてフォローの方も良かったらお願いいたします」
自己紹介も半分が終わり、残すは、カンタとかずまる、そして一番気になるミクの自己紹介だ。
多分このお話をお読みになっている方々もミクの自己紹介が一番気になっていいるのではないでしょうか!?
そのお話は、また次回のお楽しみってことで。
たなべっちを取り巻く沙良とミクとのバチバチ感も目が離せない状況ですが次回の更新は、また少し先になるかもですが書けそうなときに書くのでお待ち下さいね。