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音楽がやりたい #2 〜ラーガとの出会い〜
音楽がやりたい
反芻すればするほど、どういう意味なのかがわからなくなる、不思議な言葉なのだが、何故か私には自然な表現だ
音楽をやる
それは、どういう行いを指すのだろうか
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私は、ラーガシンガーになる為にテリーさんに弟子入りしたわけではない
心の中でずっと大切にしている、ある疑問の答えを見つけるきっかけになりそうだと思ったからだと今は思う
なぜ人は音を奏でるのか
音楽とは、一体何なのか
考え過ぎだといわれ続けた人生なのだが、これに関しては、好きにさせてくれと思う
私にとっては、本当に大切な疑問なのだ
この、原始的な、エネルギーが音楽へと変換される瞬間を、いかに言語化するか
それを成し得ぬうちに幾ら音を鳴らしても、私には物足りない
大学4年の頃、アリ・アクバル・カーンの『夜明けのラーガ』というレコードをたまたま実家で見つけ、当時住んでいた新丸子のアパートにこっそり持ち込んでいた
父のコレクションだったらしいのだが、当時は親にたずねることもせず、ただなんとなく気になって、勝手に自分のアパートに持ってきていた
そしてある日、偶然、横尾忠則さんが、まさにこの『夜明けのラーガ』というタイトルをTwitterで呟いていたのをたまたま目にし、初めてこのレコードを聴くことにした
そして私は人生で初めて、ラーガを体験した
これだ、と思った
ラーガは、聴いている間、違和感や疑問が浮かばない、絶対的な安心感というか、心を音に託して聴けた、初めての音楽だった
その体験があったからこそ、テリーさんと出会って、弟子入りさせて欲しいという思いが、自然と生まれたのだと思う