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【地獄楽】賀来ゆうじ先生の経歴|漫画編集者からジャンプの人気漫画家へ【アヤシモン】
こんにちは。saraです。
今回ご紹介するのは、ダークファンタジー忍者漫画「地獄楽」の作者で有名な、賀来 ゆうじ先生です。
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地獄楽は単行本の新刊が出るたびに即重版がかかり、累計発行部数は360万部超え。
2020年7月には、「少年ジャンプ+」の中で最も総閲覧数の多い作品に輝き、完結後にアニメ化・舞台化の決定も発表されるなど、名実共に「少年ジャンプ+」の看板漫画として人気を博しました。
また、2021年11月からは、賀来 ゆうじ先生の最新作「アヤシモン」の新連載がスタートしており、こちらも見逃せない作品になっています。
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圧倒的な画力・独特な世界観・引き込まれるストーリー展開で多くの読者を魅了する賀来 ゆうじ先生ですが、地獄楽の連載までには本当に試行錯誤を重ねてきており、画力・感性・自身の漫画家としての方向性など、苦悩を続けてきた漫画家さんでもあります。
また、元々は少年チャンピオンの漫画編集者であり、そこから漫画家デビューを果たしたという珍しい経歴の持ち主でもあります。
今回は地獄楽のアニメ化、舞台化、そしてジャンプ本誌での待望の新連載など、今目が離せない大注目の漫画家、賀来 ゆうじ先生の経歴や人物像についてご紹介していきます。
動画版はこちら。(YouTubeも見にきてくれるととても嬉しいです。)
経歴
1984年12月8日生まれ、東京都出身。
母親がお絵かき教室を営んでいた影響もあり、物心ついたときから漫画を描くことが大好きだったそうで、中でも特に、怪獣、怪人、妖怪、化物などの魑魅魍魎の類が大好きで、後ろの席でよく落書きをしていたそうです。
タレントのつるの剛士さんとは従兄弟関係にあり、幼少期からよく一緒に絵を描いていたと語っています。
学生時代から漫画や映画が大好きで、特に中学生の頃に読んだ『ベルセルク』や『寄生獣』は強烈に原体験として刻まれており、漫画家になってからも強く影響を受けているそうです。
そんな学生時代を過ごし、漫画家の夢を持ったまま大学へと進学します。
大学では「人形劇サークル」に所属し、人形のキャラクターデザインなどを行っていましたが、特別漫画制作に関わる学校やサークルではありませんでした。
大学時代にも少し漫画を描いていましたが、大学生活を送るうちに「自分が漫画家になれるようには思えない」と感じ、それでも漫画が好きでどうしても漫画に携わりたいという思いから漫画編集者を目指すことを決意します。
大学卒業後は、出版社である秋田書店に編集者として就職。
2007年~2008年までの間『週刊少年チャンピオン』編集部にて「浦安鉄筋家族シリーズ」で有名な浜岡賢次先生の担当編集を務めます。
その後、幼少期より持っていた漫画家の夢をキッパリと諦めるために出版社に漫画の持ち込みを行いますが、そこで複数の出版社から好感触を得たため、そのまま連載を目指して最終的には集英社で活動するようになります。
そして2009年・25歳の頃に初の投稿作品「おもいで税関」が「ジャンプSQ.セカンド」に掲載され、漫画家デビューを果たします。
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おもいで税関
「おもいで税関」は、デビュー作とは思えない完成度を誇っており、正直初めて読んだ時はかなりの衝撃を受けたことを覚えています。
何回でも読み返したくなる本当に素敵な作品なので、この読み切り作品で一気に心を奪われた方も多いのではないでしょうか。
「おもいで税関」は、第14回ジャンプSQコミックグランプリにて佳作を受賞し、「賀来 ゆうじ衝撃のデビュー作」として反響を呼びました。
その後、いくつかの読み切り作品を掲載したのち、
2013年からジャンプSQにて「FANTASMA(ファンタズマ)」の連載をスタートさせます。
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FANTASMA
ファンタズマは、世界の頂点に君臨した魔王(マフィア)の隠し子である孤児の少年が、亡霊と共に魔王継承を目指す冒険を描いた「冒険マフィアファンタジー漫画」です。
期待の新人漫画家による初連載として注目を集めましたが、残念ながらファンタズマは全11話・全3巻とそこまで長く続かずに連載が終了していまいます。
連載終了の原因として、後に賀来 ゆうじ先生は、「ファンタズマはどちらかというと人の目を気にして、他人に向けてずっと描き続けていたんです。でもそれは全然人気が出なくて打ち切られちゃって。」と語っています。
この経験から賀来 ゆうじ先生は、「人の目を気にせずに思いっきり自分の好きな作品を描くこと」を意識するようになり、それが後の地獄楽へと繋がっていきます。
アシスタント時代
ファンタズマの連載終了後は、チェンソーマンの作者として有名な藤本タツキ先生の元で、当時連載中であった「ファイアパンチ」のアシスタントを務めることになります。
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賀来 ゆうじ先生と藤本タツキ先生は好きな漫画、映画のタイプ、デザインの考え方などが近かったことから、アシスタント時代はよくキャラクターデザインや好きな作品のタイプなどの漫画談議をしていたそうです。
ちなみに、同時期にダンダダンの作者として有名な龍幸伸先生も「ファイアパンチ」のアシスタントを務めており、よく3人で漫画談議を交わしていたとのことです。
賀来 ゆうじ先生と龍幸伸先生の関係性を知った上で漫画を見返すと、「地獄楽」と「ダンダダン」に出てくる絶妙に気持ち悪くてたまらなく惹かれる人外キャラクターは、どこか共通点があるように感じますよね。
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地獄楽のキャラクターデザインはアシスタント時代に作り上げられたもので、漫画談議での意見を取り入れて固めていったらしく、後に細かい設定は変わったものの、デザインそのものはアシスタント時代に話し合ったまま使っていたそうです。
賀来 ゆうじ先生は、ファンタズマ終了後、自身の作家性に悩んでいましたが、藤本タツキ先生の元でアシスタントを経験し、「自分が好きなものを好きな人がちゃんといる」と確信することができ、漫画家としての方向性に自信が持てたと語っています。
ある意味「師匠」と「弟子」の関係にも取れる2人であり、現在は龍幸伸先生を含め、集英社を支える漫画家・同士として活躍しているので、まさに漫画のような熱い関係性の3人と言えますね。
地獄楽
その後、2つの読み切り作品を経て
2018年・34歳の時に「自分の好きな作品を思いっきり描いた」地獄楽の連載をジャンプSQにてスタートさせます。
地獄楽は、江戸時代末期を舞台に、不老不死の仙薬を巡る物語を描いた忍法浪漫活劇です。
圧倒的な画力、独特かつ幻想的な世界観、全員が主人公クラスの魅力的なキャラクター、読者を引き込むストーリー展開などが話題になり、ジャンプ+を代表する看板漫画となりました。
特に、圧倒的な画力を持つ賀来 ゆうじ先生が描くグロテスクながらとにかく美しいバトル描写に魅了された方も多いのではないでしょうか。
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地獄楽では圧倒的な画力が評価されている賀来 ゆうじ先生ですが、実は連載を開始する前までは、「絵」に課題点があると編集担当さんに言われていたそうです。
絵について悩んでいる時に、「元々好きだった「劇画」みたいなものを持ってきたら逆に目立つかな」と考えたらしく、小池一夫(かずお)先生・小島剛夕(こじまごうせき)先生による江戸時代の死刑執行人を主人公にした時代劇漫画「首斬り朝(くびきりあさ)」を読んで勉強したと語っています。
また、劇画と漫画の融合として学生時代に触れていた『北斗の拳』がカチッとイメージと繋がって、それが地獄楽へと活かされていったそうです。
そのため、地獄楽の初期の頃は影を決めなかったりなど、かなり劇画のタッチを意識していたとも語っています。
また、賀来 ゆうじ先生は幼少期から魑魅魍魎の類が大好きだったことに加えて、ウルトラマンや怪獣をデザインした成田亨先生のデザインを理想として意識していると語っていることから、それが地獄楽の特徴とも言える美しくもどこか不気味な人外キャラクターに繋がっていると言えますね。
賀来 ゆうじ先生は「デビューしてから地獄楽連載スタートまでが凄く長くて、本当に試行錯誤をし続けてきた」と語っており、社会人を経験してからのデビュー故に、自分がすでに持っちゃっていた大人の感性みたいなのを、どうやって少年漫画ナイズしていくのかという戦いがずっとあったと振り返っています。
そんな苦悩の末にたどり着いた「地獄楽」は、2021年4月までの累計発行部数が360万部超える大ヒット作となり、アニメ化、舞台化も実現するなど、名実共にジャンプ+を代表する看板漫画となっています。
現時点でアニメ化の具体的な日程はまだ明かされていませんが、おそらく2022年には実現すると思われるので、正直めちゃくちゃ楽しみで待ち遠しいですよね。
地獄楽は2021年1月に、全127話・全13巻で完結。
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そして、2021年11月からは、待望のジャンプ本誌での新連載、「アヤシモン」がスタートしています。
アヤシモン
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「アヤシモン」は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が牛耳る新宿歌舞伎町の裏社会を舞台にした、妖しき極道バトル漫画です。
賀来 ゆうじ先生の待望の本誌初新連載に大きな注目が集まっており、今後のストーリー展開が非常に楽しみな漫画です。
1話目から賀来 ゆうじ先生が描く人外キャラクターがたまらない魅力を放っており、また、やはりどことなく藤本タツキ先生の影響が感じられるところがありますよね。
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地獄楽のアニメ化と共に、新連載のアヤシモンの今後にも注目していきましょう。
まとめ
今回は、地獄楽の作者として有名な賀来 ゆうじ先生についてご紹介しました。
漫画編集者から、様々な苦悩や試行錯誤を経て、地獄楽の大ヒット、そしてジャンプ本誌での新連載をスタートさせた賀来 ゆうじ先生。
地獄楽のアニメ化、舞台化、そしてジャンプ本誌での待望の新連載など、今目が離せない大注目の漫画家、賀来 ゆうじ先生の作品を是非チェックしてみてください。
またね。