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【UWC体験記⑤】UWC Day(1年目)

UWC Dayとはその名前から推測できる通りUWCの創立記念を祝う日です。

公式なUWC Dayは9月21日なのですが、AC (イギリス校)ではきちんとした1日のイベントとして行うため、一番近い土曜日がUWC Dayとして祝われました。

National Group

当日の2週間ほど前、初めて東アジア national groupの集まりがありました。ACでのnational groupとは、世界の地域を12のグループに分け、その地域出身の生徒たちで構成されるグループです。

私が所属する東アジアのほかに、中東、北アメリカ、亜大陸、北欧、東ヨーロッパ、などの区分になっています。東アジアには日本の他に中国、韓国、台湾、香港、チベットで構成されており、中国人の多さから一番人数の多いnational groupとなっています。

national groupのリーダーであるnational leaderは2年生の4人。最初の集まりは自己紹介から始まりました。そして近くに迫っているUWC Dayでnational groupとしてワークショップを用意する必要があるとの説明が。

意見をnational leaderが募ってもなかなか誰も発言せず。日本の学校にいた頃を思い出す光景でした。そしてようやく東アジアとしてやるワークショップは書道と折り紙に決定し、今度はそれぞれを実施する人の募集。もちろん誰も手を上げないので、私が折り紙をやることになりました。


Focus Week

UWC Dayを週末に控えた1週間はUWC Day Focus Weekといい全てのcouncil sessionが先生方によって実施される特別週でした。

毎日行われるsessionに全て参加したのですが、この時点では一方的に話されるようなプレゼンテーションには全く耳が追いつかず、集中力も続かなく…内容はほとんど分かりませんでした。

1つだけ、当時の生徒指導主任のような先生が実施したsessionで彼女の今までの人生を話してくれ、戦争を直に経験しながらも教育者として世界中を飛び回って来た、といったざっくりの内容は分かりました。

それまでは単なる怖い先生というイメージしかなかったのですが、一気に人生を懸命に生きたすごい志を持った人なんだと感動しました。残酷な現実を目にしたとき、”The easiest thing is to look away.”とおっしゃった言葉。覚えておこう、とその日の日記に書き記してあります。

そしてFocus Weekの中で毎年恒例のflag photoも撮影しました。生徒が皆自分の旗を持ち寄り、全校で写真を撮る、といったものです。

Flag photo

そしてUWC Day前日には簡単なfood fairがあり、それぞれのnational groupから2品ほど持ち寄る行事もありました。East Asiaからは味噌汁とタピオカを出していました。


当日

当日の朝は早く起きて折り紙のワークショップで使う見本の折り紙作り。そして日本人の同級生と一緒に何とか浴衣を着ます。自分で帯を結ぶのが初めてでYoutubeを見ながらなんとかそれっぽく仕上げました。

初めての帯結び(左)

9時からOpening Ceremony。有志の生徒による世界各地からのパフォーマンスが行われます。1年生で1人でバレエを披露した子もいて、すごい勇気だな、と感心するばかりでした。

そしてメインイベント、事前にサインアップしたcultural ワークショップに移動します。

私の最初のワークショップはアフリカ・カリブ海 national groupによるAfrican braidです。20人ほどの参加者を前にして主催者からは一言、braidしてほしい人は来て!と。立候補した生徒が前で髪に三つ編みをしてもらっている最中、他の参加者は放置。そのまま30分間のワークショップは終わってしまい、一旦体育館に戻ります。

ここでは校長先生による全校イベント”Where do you see AC in 10 years?”が行われました。配られたトランプの数字ごとに13個のグループに分かれ、この学校の未来がどうなるべきか、何が変わるべきかについてディスカッションを行い、最後にグループの1人が指定されたgoogle formに記入しました。

そして午後はまたワークショップ。インド亜大陸national groupによるヘナに参加しました。今度は行くとヘナのチューブが何個も置いてあり、「自由にやっていいよ」と。やってもらえることを期待していたのですが仕方ないので画像検索して自分で適当な柄を腕に描きました(笑)。

完成したヘナ

そして最後のワークショップの枠は私の折り紙ワークショップでした。開始時間少し前に指定された教室に行くと、まだ前の枠のワークショップが続いていました。East Asiaは2種類しかワークショップが無かったのでこちらも折り紙を他の人がやっていました。

しかし、参加者の手にはA4コピー用紙を切ったとみられる白い紙。白い折り鶴もちらほらと見えます。そしてすぐにそのワークショップは終わり私が担当する時間になりました。

日本から持ってきた折り紙、そして朝作った見本の鶴、手裏剣、兜を出すと前の枠からいた東アジアのnational leaderから「ありがとう!君は救世主だ!折り紙無かったんだよね!」と。

え?それぐらい用意するのが普通じゃないの?とは思ったのですがともかく私のワークショップはきちんと計画通りに進み、30分のうちに全員がそれぞれ鶴を折り、最後にそれぞれ1つのパーツを折って24面体を完成させました。

ワークショップの参加者と

そしてこの日の最後はまた体育館に全員集合してclosing ceremony。またいくつかのパフォーマンスがあり、UWC Dayの終了。

到着してから初めての全校でのイベントだった上、UWCの大きな特徴である生徒の国籍多様性を感じられた日だったのでとても心に強く残りました。


来年の主催者に!

とても楽しいイベントであったことには間違いないのですが、同時に初めて若干ACの残念な面が見えたときでもあった1日でした。

1つ目に、全体的な準備不足。ワークショップでのそれぞれのnational groupの準備不足は言うまでもないのですが、セレモニーでのパフォーマンスのうち何個も、「これ本当に練習した?」といったただわちゃわちゃして踊るようなものがありました。

2つ目に、時間にルーズなところ。openingもclosing ceremonyも20分以上開始が遅れ、私のようなきちんと時間通りに来る人の時間が無駄にされます。ワークショップも開始が遅いから終わりも遅くなり、どんどん時間が押されていきます。全校で集まるときにはあまりにも長い時間待たされると帰っていってしまう人もいました。

3つ目に、生徒間での参加意欲の差。国民性上ヨーロッパやアフリカの生徒などはパフォーマンスやワークショップにも参加率が非常に高い一方で、アジア人などはどうしても控えめになってしまう。そして上の2つを少なからず原因としてかなり多くの2年生が「課題があるから参加しない」と言っていたことには衝撃でした。

1年生にとっては一番最初のイベントで、とても大切なイベントでもあるのにこんなに改善の余地がある…では私がこの改善を実現させたい!!

ということで、UWC Day数日後にメールで送られてきた出願フォームに記入し、無事に翌年のオーガナイザー(主催者)の3人の1人に決定しました。

そしてその1年後、2年目のUWC Dayを様々な障害を乗り越えてオーガナイズすることになります。

それについては以下をお読みください!


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