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【UWC体験記⑫】Hackathonー24時間社会課題解決イベント
24 Hour Raceのたった1週間後、別の24時間イベントであるHackathonが実施されました。Hackathon(ハカソン)とは、ある制限時間内で1つの課題を解決するという、通常はプログラミングで行われるコンテストのようなものです。
ACではこれが単純に社会課題の解決策を24時間内で考える、という形式で行われました。
Lighthouseとは
このhackathonを開催するのがLighthouseという、学校の一部となっている生徒のプロジェクト実行をサポートする組織。
Lighthouse専任の教員が付き、何かプロジェクトのアイデアがある生徒はLighthouseに行くとアドバイスをもらったり、色んなコネクションやツールを探してもらえたり、ピッチを行うことで資金をもらうこともできます。
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というのも、Lighthouse専門の後援者(卒業生)がいるらしく、その方が多額のお金を寄付してくれているそう。
私が少し携わった難民用の言語習得アプリ、AILEMも初期にはLighthouseの支援を大きく受けたプロジェクトでした。
Hackathonの形式
事前に5人のチームでサインアップし、10チームほどが集まりました。
まずはお題の発表から。
「SDGs 11 『住み続けられるまちづくりを』をテーマに社会課題を特定し、ビジネスプランを作ってください」
と、かなりざっくりしたお題が出され、hackathonの開始となりました。
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課題探し
SDGsなどには比較的馴染みのある私たちですが、11はおそらく最も親しみのないゴールの1つ。ネットでどんなターゲットが定められているのか、具体的には何を意味しているかのリサーチから始まりました。
そしてかなり苦戦した結果「スラム」を課題として解決策を探すことに。
そのあたりで一旦卒業生の専門家に質問をできる機会がやってきました。ビデオ通話を行い、質問を聞ける機会なのですが、やっとのことで課題が決まっただけの段階のため、相談するにも材料が無い。
スラムの問題に関してある程度情報をいただく程度で質問切れになってしまいました。
プロジェクト提案書
24時間の中でも上記のようにいくつかのワークショップや提出期限などがあり、24時間を自由に使えるわけではありません。
初めての区切りは初日の午後7時がプロジェクト提案書の提出期限でした。
専門家とのオンライン相談が終わった時点であと2,3時間しか時間が無いのに解決策は何も無い状態。タイムプレッシャーの中でも全然アイデアがでてこない時間、焦りでチームは次第にイライラが募っていき、なげやりな言葉や諦めの言葉もぽろぽろと。
ギリギリでなんとか今まで出ていた案の中で一番まともなものでとりあえず提案書の項目を埋めて提出。
ビジネス提案書
次の期限は翌日早朝のビジネス提案書に。これはプロジェクト提案書がもっと詳細になったものに加え、どうやってサステナブルなビジネスとしてなりたたせるのかという予算の使い方や財源を考えなくてはいけません。
プロジェクト提案書をかなりやっつけでやってしまったのでほぼ一から今度はきちんと考え直すことに。COSMOという市民センターのような施設を作り、その中の機能で複数の課題を解決することにしました。
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アイデアや解決できることを書くのは簡単なのですが、実現可能にするためにどうやって建設費用や備品の費用を集めるのか、そして利用者はどうやって集めるのか、どうやって維持するのか、といったところが難しい。
この日は特別に寮の門限を過ぎて夜12時まで作業が可能だったのでそれまでに提案書への記入を終わらせ、一旦解散、それぞれの寮に帰ることにしました。
同じ寮にほとんどのメンバーがいるチームでは夜通し作業を続けていたチームもあったみたいです。
ピッチ
翌日の朝また再集合し、最後の課題である最終ピッチに向けての準備を始めます。スライドを作成し、何回かメンバーで練習します。
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そして12時からピッチ開始。他のチームも「橋に家を併設する」「屋上を公園化」などなかなか面白いアイデアばかり。
私たちのピッチも上手くはいったのですが、1位を受賞したのはスポンジで道路を構築し、洪水などの問題に対応しようとする案を考えたチームでした。
その後
やっと心身ともに疲弊した2日間が終了し、同じチームのメンバーの中でも特に仲の良かったMさんとBくんと一緒にミニ振り返り。
忍耐力を鍛えるには良かったね…と話した後に、「でもこれって実際の社会問題解決にはあんまり貢献してないよね?」という話に。
確かに、このようなコンテストとしてのhackathonではみながオリジナリティの溢れる面白いアイデアを出そうとするのでどうしても現実性は低い。よってほぼ確実に今回出てきたアイデアが実現されることはないでしょう。
実際に社会問題を解決するためのステップの練習としてはいいけど、もっと実際に現実世界で活かせるようなものがでてきたらいいのにね、と話しました。
その後、2年生の時に実施されるhackathonの前に3人でイベントの改善をできないかと試みたのですが、色々あって結局あまり影響を与えることはできず、参加者として再び参加しました。
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もっと現実的なアイデアが出てきて実行できるようにした方がいいと思う、という私たちの助言は採用されたのですが、その強調が強すぎるあまり1年目のhackathonの目玉だったようなビジネス提案書などが廃止され、内容がかなり薄くなってしまいました。
1年目のように競争させてゲーム要素を取り入れることで確かに議論はヒートアップするし参加者の本気度も上がりきつい環境でも学ぶことは大きかった。それを2年目は実行できるような解決策を探すために競争要素を排除し和やかな雰囲気にすると出てくるアイデアの詳細度などが大きく落ちてしまう。
この難しいジレンマを目の当たりにしました。